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ゆりスナ! 〜引きこもりの少女はスナイパーを目指します!〜  作者: ミカサ
第1章 人の温もりって……?
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由莉は激痛に襲われました


 次の日



「ううぅ……全身痛いよぉ……」



 由莉は……やはり筋肉痛になっていた。少し身体を動かすだけで電気が全身に流れるかのような痛みに襲われる。起き上がるまでなら我慢出来たが、立とうと試みた瞬間、足やお腹の筋肉が絶叫しあまりの痛さで立てなかった。だめだ……身体が言うことを全く聞いてくれない……っ



「今日も特訓あるのに……どうしよう……マスターに怒られる……」



 マスターの期待を裏切りたくない。けど身体が動かない。二つの問題に板挟みにされた由莉は焦りを隠しきれなかった。



(どうしよう……どうしようどうしよう!落ちつけ落ちつけ……どうすればいいの……っ)



 そんな不安が頭の中に充満してきたタイミングでマスターが部屋の中に入ってきた。なんて謝ればいいんだろう……こんな状態だと立つこともままならない……うぅ……っ。



「おはよう、由莉。……さては筋肉痛で動けなくて不安になっているんだろう?」



 由莉は考えている事をドンピシャで当てられて、なっ!?と目を見開いた。マスターは未来でも見えてるのかな……?



「な、なんで分かるんですか……?」



「不安ですと顔に書いてあるようなくらい表情に出てるからな。」



「あぅ……」



 今自分の顔を鏡で見たらすごい顔しているんだろうなぁ、と苦笑いすると共にその顔をマスターに見られたことが恥ずかしくて由莉は少し顔を赤らめた。は、恥ずかしい……変な顔になってたよね……きっと………っ。

 そうやって顔を赤くしてプルプルしている由莉を見るとマスターは少し安心した。本当にこの子は感情が豊かだ。だが……いずれそれが障害になる時が来る。それでも、由莉にはいつまでもそうあって欲しいな……。

 マスターは由莉が落ち着くのを待つと由莉に紙の束を渡した。厚さが5cmほどもある物凄い量の紙の束だった。



「とりあえず今日は狙撃に関する資料を持ってきたから今日はこれを読みながら部屋の中で安静にしていなさい。」



「はいっ、ありがとうございます」



 マスターは少し厚めの紙の束を由莉に手渡すと仕事があるのかすぐに部屋を出ていった。



(マスターには悪いかもだけど、そこら辺の知識はもう調べ尽くした自信があるから……。分からないところはないはずだよ〜)



 貰った紙の束を見てみると、そこにはスコープの調節の仕方、弾道の計算方法など狙撃に関して色々なことが書かれていた。由莉は夢中になってこれを読んでいった。銃や狙撃に関してはかなり調べていたから、知っている事がほとんどだろうと思っていたが………



「こっ、これわぁ……!うそ……まだ知らない事あったんだ……」



 知らない事もたくさんあった。それに由莉はびっくりした。ときめいた。わくわくした。早く撃ちたい、その思いが一層強くなった。けど……マスターは今は撃たせるつもりが今は無いみたい……むぅ……撃ちたいのに……。



 読み終わる頃には太陽が既に高く昇っていたが、由莉は全く気にならなかった。



「あ……もうお昼だ……んん〜〜!きゃっ!?い、痛い……筋肉痛だったの忘れちゃってた……」



 両手の指を絡め、思いっきり手を伸ばそうとした瞬間、腕から激しい痛みが電流のように流れ込み、あまりの痛さで声が漏れ出してしまった。



(本当に今日は動けなさそうだよ……明日には治ってるといいなぁ……)


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