必ず、会う。
地球はすでになく、地球人唯一の生き残りが命がけで成り上がったこの帝国の次の標的がこの物語の最初の舞台です。そこに現れたのが地球滅亡の際に人類の希望として戦ったかつての恋人であり、この章の主人公です。
どこの宇宙も似たようなものね。この十数年で私はいくつもの銀河を見てきた。そこで幾多の戦火を交え、多くの人々を蹂躙し、無残に殺し、殺す場面を見過ごしてきた。
それは、かつて地球を襲った彼らと同じ。彼らと同じになるしかなかった。
今さら何だというの。
私はこの星間帝国アデヴィスの軍人として、やることをやるしかない。生きる術がこれしかないのだから。
ようやく、アデヴィスの四将軍となって最初の戦いに向かうこの最新鋭艦の中で、自分が今まで何をしてここまできたのかを思い出して、暗い気持ちになっていることに気付く。
こんな人生になるなんて思ってなかった。今さら思っても仕方がないし私はここで生きていくしかない。自分以外誰も信じられないこの場所で。唯一生き残った地球人として。地球………
「えっ!? これは、誠くんの魔力!?」
ぼーっと地球のことを思い出して懐かしんでいたからじゃない。
これは、誠くんの魔力に間違いない。すごく遠いけど、この懐かしさを間違えるわけない。
地球最後の日、みんなの先頭で戦ってアデヴィスの巨大な魔力に飲まれて消えて………生きているなんて思わなかった。なんで。なんで、こんなに時間が経ってから………。
この艦隊の行く先の銀河に誠くんがいる。
私の一番大切な人。人類の希望の魔法使い。この戦いがどうなるかはわからない。でも、必ず。必ず会う。