勇者ハレーム?の三人娘
思い付き且つ即興に近い短い話です。
暇潰しにもならないかもです
とある町の一軒の宿。その宿の一室に集まる三人の女性。
彼女達は、魔王討伐の為に旅をする勇者パーティーのメンバーであり、三人ともが見目麗しく、勇者ハレームのメンバーと言われていた。
実際に勇者パーティーの戦う姿を見た事のある者達によると、彼らの巧みな連携はちょっとやそっとの関係で出来るものじゃないレベルらしく、傍目から彼らが深い仲であると邪推されるものであった。
むしろ、それ以外の関係を疑う者など居なかった程、彼女達が勇者ハレームのメンバーだと言うのは多くの者達には周知の事実とされていた。
これらの真実を確認しようと思う者などいやしなかった。
◆◇◆◇
「えー、私らが勇者の女だと勘違いされてる件について」
黒いローブを纏った、勇者パーティーの魔法使いがそう切り出した。
「は?アタシらが?無い無い。つーか、アタシのタイプじゃ無いし、勇者殿は」
兜と鎧を脱いでリラックスしていた女戦士は手をパタパタ振って、切り捨てた。
「勇者様は、お優しくて誠実な方だとは思いますけども、私は神に身も心も捧げておりますし。男の方、と意識した事もありませんね」
持ち歩いている小さな神像に祈りを捧げていた僧侶は、祈りを終えると同じく否定した。
「だよね。私に至っては単なる雇われ。魔王討伐終わったら報奨貰ってサヨナラな関係だし」
二人の言葉に魔法使いも同意し、すぐ様この話題を終えようとした。
「だいたい、勇者殿は体型からしてヒョロいし、何よりも20にも満たない子供なんて対象外。やっぱり男は逞しく、確かな経験と醸し出す大人の魅力が無いと」
「勇者様は信頼はしてますが、主に比べると……いえ、主と他を比べる事すらおこがましい事ですね。おぉ主よ、愚かな私を許してくださいませ」
「魔術の実験体としてなら色々興味深くはあるけど、不埒な目で見られたりしてたら嫌かな、うん」
しかし、ここで話が終わる事無く、勇者に関して言いたい放題の三人であった。
当事者達以外は知らない。彼らの間に信頼関係はあれど、男女の関係が一切無いと言う事を。
以下、勇者君の言い分
「仲間としては信頼してるけど、ジジ専脳筋女も、世間知らず電波女も、勘違いマッド女も俺はごめんだ」
「だいたい、俺には姫と言う将来を誓った相手がいるんだから、他の女にうつつ抜かす訳ねぇし」