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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
一日目
6/46

カフェにて

 困っていたら先輩は図書館の近くにあるカフェに誘ってくれた。図書館の近くのカフェは小さなテラス席のあるオシャレなお店。店内は明るくコーヒーのいい香りが漂っていた。


 席に着いてアイスコーヒーを頼む時間さえも、もどかしい気持ちで今まで私の上に降りかかった奇妙な出来事を先輩に説明した。話を聞き終わっても先輩は黙ったままアイスコーヒーを飲んでいる。

その張りつめたような沈黙に耐え切れずに思い切って先輩に話しかけてみた。

「やっぱりこんな話信じてもらえませんよね……」


 すると先輩は信じられないようなことを話し始めた。

「本当の話だったらすごく面白いと思う」


 お、面白いって……。


「だけど俺は高校の三年間、オカ研の女子部員やその友達から『昨夜UFOを見たんです』とか『今朝起きたら部屋の隅に人影が見えたんです』とか偽物のオカルト現象を聞かされ続けたんだ」

 先輩はため息をつきながら語った。


 先輩って私の想像以上にモテていたのね。


「だから証拠がなければ俺は信じない!」

 やっぱり先輩はクールだった。


「先輩、私の家を知ってますか?」

 私は聞いてみた。

 先輩は少し考えた後で「キミの家は去年オカ研の肝だめしの帰りに通ったから大体は覚えているけど……?」

 私は覚悟を決めた。

「じゃあ、証拠をお見せしますから、私の家に行きましょう」


 本当は、もう二度とあんなお母さんの言葉は聞きたくなかった、でも先輩に信じてもらうためにふたりで私の家に行くことになった。


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