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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
七日目
44/46

久しぶりの青空

 壁掛け時計を見上げると十一時半だった。


 休憩コーナーに場所を移す。そこで改めて作戦を練る。

「もう少しで昼だ、少し早いけど交代で近くのコンビニでランチにしよう」

 先輩はおサイフから千円を出し「キミから先に行ってくれ。しかしひとりでいる時に学生が帰ったとしても席に移るだけで何もしてはいけない。守れるかい?」


「はい」と頷いて先輩から千円を受け取ると近くのコンビニに行った。

 正直まだお腹はすいてない……。でもサンドイッチにペットボトルの紅茶を買って図書館の庭にあるベンチに腰をかける。深呼吸をしたが、少しだけ緊張しているせいか手が震える。


 急ぐ気持ちを落ち着け、ゆっくりとサンドイッチを食べ始める。なかなか飲み込めずペットボトルの紅茶で流し込む。


 この緊張感……。

 もしかして今日はUSBメモリが見つかるかもしれない。そして、そのUSBメモリで元の世界に戻れるかも……。


 何とかサンドイッチも食べ終わることができた。ペットボトルの紅茶は半分くらい残っている。

 ペットボトルを傾けて飲み干すと青空が視界に入った。

 久しぶりに空を眺めたかもしれない。雲1つない青空。

 理由はわからないけど涙で視界がにじんで見える。少しだけ泣いた後は気持ちもスッキリしていた。


 図書館に入りオカルト関係の資料を手に自習室に向かう。

 先輩も学生を見張れる席に座ってオカルト関係の資料を読みながらチラチラと視線を学生へと向けていた。私とバトンタッチで先輩がランチのために自習室を去った。


 しかし、学生はなかなか席を離れてくれなかった。

 席を立ってもトイレに行ったり、資料を探しに行ったりで机の上に散乱している筆記用具やノートは置いたまま席を離れるだけだった。

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