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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
六日目
38/46

贅沢な部屋

「じゃあ、チェックインしてくるから、そこら辺に座ってて」と先輩はさりげなく私の荷物を持ってくれる。

 やっぱり高級ホテルのロビーのソファは座り心地が良かった。ソファに座って受付でチェックインをしている先輩の後ろ姿を眺める。高級ホテルに慣れてる大学一年生って……。

 チェックインが終わってからポーターさんを断って先輩が部屋まで荷物を運んでくれた。


 先輩が私のために取ってくれた部屋は先輩のゲストルームに負けない程に眺めの良い部屋だった。

「すごーい!」と窓の外を眺めて叫ぶ。

「どうです? お気に召しましたか、お嬢様?」珍しく先輩がおどけてみせる。

「ええ、気に入りましたわ」

「それではお嬢様、そろそろレストランへ行きませんか?」

「そうね、行きましょう」

 私達のお嬢様ごっこはレストランでメニューを見るまで続けたのだった。レストランでランチを食べてから先輩はマンションに帰っていった。


 さて、久しぶりのひとりの時間だけど何をしよう?


 私は改めて部屋の中を見回す。

 シングルルームなのにベッドはキングサイズ。カーテン、ソファ、ベッドカバーや、リネン類は落ち着いたベージュとオレンジの色合いで統一されてる。

 

 窓際にはガラスの丸テーブルがありソファが置いてある。

 照明は間接照明とテーブルの横に電気スタンド、ベッドのサイドテーブルの上にはアンティーク風のランプ。


 こんな贅沢な部屋に私ひとりで泊まるなんて……。


 フカフカのベッドに横になって考える。今頃、先輩と先輩のお父さんは久しぶりに親子水入らずの時間をおくっているのかな……。


 そんな想像から連想して家族のことが頭に浮かぶ。お母さんとお父さんは何をしているんだろう……。

 そして弟のあきらのことも考える。やっぱり双子だから私と似ているのかな?

 でも何となく会わない方がいいと思った。会ってしまったら元の世界に帰れなくなってしまうような、そんな気がしたのだった。

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