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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
四日目
30/46

ナースステーション

「地下は危険なのかな?」と先輩に小さな声で聞いてみた。

「霊安室とか手術室があるのかもしれないな。行ってみる?」先輩は笑いを堪えた声で聞いてくる。

「危なそうだから遠慮します」思わず大きな声で答えた。自分の声が廊下の壁に響いて他人の声のように聞こえた。背中がゾクリと寒くなる。


 上り階段の壁には案内図書かれていて二階は病室らしい。

「二階に行ってみますか?」と先輩を見上げると先輩は軽く頷く。二階にも行ってみることにした。


 先輩の懐中電灯は前を照らし、私は足元を照らしながら一歩一歩確実に踏みしめるように階段上る。

 やっと一階と二階の踊り場に着いた。普通の階段を上る倍近くの時間がかかった。


 踊り場から二階のフロアーを照らすとナースステーションらしきカウンターが見えた。

 とりあえずナースステーションを目標に階段を上る。


 やっと二階に到着。

  

 ナースステーションの壁には大きな棚があった。たぶんカルテなどをしまっていたのかもしれない。そしてカウンターにはデスクトップ型のパソコンがある。


 先輩が廊下の方を照らす。 

 いくつものドアが並んでいる。閉まっているドアもあれば開いたままのドアもある。

「病室だな、幾つかのぞいてみるか?」先輩の声は少しかすれて聞こえた。

「じゃあ、開いている部屋だけ……」


 ナースステーションに近い部屋は個室だった。

 窓側にベッドが一台だけ。ベッドの頭側の壁からナースコールのコードが垂れ下がっていてベッドの脇には戸棚とテレビ、小さな冷蔵庫らしき扉。そしてドア付近には洗面台とトイレ。ソファセットまで置いてあった。前にテレビで見たビジネスホテルの部屋より少しだけ贅沢な感じだったのだろう。

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