心霊 病院 廃墟 関東
先輩はお掃除ロボットを片付け始めた。あんなところにお掃除ロボットくんはいたんだぁ……。とぼんやり先輩の動きを目で追っていた。
そうしたら先輩から一言「何か言いたいことでも?」
今度は心まで凍りそうな冷たい声。急いでぶんぶんと首を振る。
さっそく先輩はノートパソコンで検索を始める。後ろから、そっとのぞくと「心霊 病院 廃墟 関東」で調べていた。そして検索結果もたくさんヒットしている。
先輩はこちらを振り向き「コーヒー飲む?」と検索結果に満足したのか穏やかな声で聞いてくれた。
「はい、お願いします」
「OK!」鼻唄を歌いながら先輩はキッチンに向かう。
先輩はコーヒーを飲みながら今日の行き先をじっくりと検討するつもりなんだ……。
私は大きなため息をついた。
コーヒーを淹れ終えた先輩はコーヒーを優雅に飲みながらノートパソコンに向かっている。
ときどき候補先の写真を眺め、場所を調べて地図と簡単な説明文を私のスマートフォンにメールに送ってきた。結局は、三候補くらいに絞ったみたいだ。
その間、私は暇だったので先輩の部屋の本棚を観察していた。本棚には三つのジャンルがキレイに整理されている。
一番多いのがオカルト関係。心霊写真集、UFO関連、未確認生物、怪談、都市伝説の本が並んでいる。外国語で書かれた本もあった。
二番目はSF小説。ここは私も読んだり聞いたことのある小説だけじゃなく聞いたことも読んだこともないような小説が海外、国内と別れて並んでいる。
後はミステリやホラーなど。意外と私の好きな作家や作品もあって、先輩との共通点を見つけられてなんだか嬉しくなった。




