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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
三日目
20/46

逢魔が時って何ですか

「いや、今回は逢魔が時だ!」先輩は思い切り決め顔でキッパリと言った。

 せっかく先輩が決め顔で言っていたけれど私には逢魔が時の意味が分からない。

 たぶん普通の人はわからないんじゃないのかな?

 そこで「先輩、逢魔が時って何ですか?」と聞いてみた。


「キミはオカ研だろう。逢魔が時も知らないのか?」先輩は呆れたような顔をして聞き返してくる。

 オカ研部員でも知らない物は知らない。

 それなので「はい。初めて聞きました」と素直に答えてみる。


 すると先輩は私の方にゆっくりと顔を近づけてきた。

 え? なに? ポカンとしていると先輩は私を手招きして口元に手を添えてみせる。

 ん? もしかして耳元で怖いことを囁くつもりですか?


 拒否したかったけど私に拒否権はない。仕方ないのでテーブルから身を乗り出して聞く体制を整える。

 すると先輩は満足そうな顔をして私の耳元で「逢魔が時とは、なにやら妖怪、幽霊など怪しいものに出逢いそうな時間、簡単に言うと夕方や黄昏時のことだ」どこか芝居がかったような声で説明してくれた。


 正直、妖怪の存在は信じていないけれど幽霊は怖い、しかも先輩の凝った説明の仕方のせいで恐怖感が増した。

「夕方なら夕方って言って下さい、今の説明を聞いたらよけい怖くなってしまったじゃないですか」と私は恐怖感を散らすように文句を言ってみせた。


 そんな私の心を無視するように先輩は「だいたい伝説の神隠しに出逢う時刻と言ったら逢魔が時なんだよ」ニヤリと笑ってみせた。

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