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「オトシモノ」  作者: 葉月 晶
三日目
18/46

三日目の始まり

 昨日は心身共に疲れていたので早めに寝た。なんと九時にはゲストルームに向かっていたの。そんな私を先輩は呆れた顔で見ていたけれど……。でもぐっすり眠れたせいか今朝の目覚めは最高だった。


 これで元の世界に戻れていたら言うことなしだったけれど、人生はそんなに甘くなくて今日も目を覚まして一番に目にしたのはゲストルームの天井だった。 


 本当は寝心地のいいベッドの中で少しの間はゴロゴロしていたかったけれど、先輩が呼びにくる前に起きることにした。だって昨日みたいに寝起きの顔を見られたくないもの。


 昨日先輩に買ってもらった洋服に着替え洗面所で支度を済ませてリビングに行く。先輩はキッチンで丁寧にコーヒーを淹れていた。コーヒーの深い香りがリビングまで漂っている。先輩の淹れたコーヒーは、とても美味しい。お母さんが淹れてくれるコーヒーとは香りも深みも全然違う。


 先輩は私の分をお客様用のコーヒーカップにたっぷり注いでくれた。そして先輩はソファに長い足を組んで座りスマートフォンのニュースアプリをチェックしながら、ゆっくりとコーヒーを飲む。その姿はコーヒーのCMに出れそうなくらいに優雅に見えた。


 考えてみると去年一年間も同じ部室で過ごしていたけれど先輩のことを私は全然知らなかったんだなぁ……なんて改めて感じた。入部当初から怖いものが苦手な私は部内でも目立ってしまっていた。周りの女子の先輩からも目をつけられてしまっていたり……。でもその状況から救ってくれたのは私をオカ研に誘った亜由美だった。それでも五十嵐先輩の態度は私には特別冷たかった。そんなことがあって先輩に苦手意識を持ってしまっていたから当然のことかもしれないけど。

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