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新たな仲間と情報収集

「シィドさん!ボクたちも一緒に連れて行ってくださいっ!!」

 チャオ爺の店に行った翌日の早朝。ルルミちゃんに会って早々、朝の挨拶も飛ばしてそんなことを言われた。

「…えっ?何、どういうこと??」

 ハッキリ言って何が何やら。そもそも連れて行くってどこへ…?

 今日の予定は、元々は出発に備えて物資の仕入れを行うつもりだったけど、マジックバックができるまで時間がかかりそうだからジルバニア公国に行く前に寄る次の国…ペンタ連合国の情報集めをする予定なんだが、もしかしてそれか?


「…オレたち、自分の限界に気付いたんだ。このままじゃいけないって…!だから…」

 限界?ますます以て意味がわからん。

「だから、一緒に行かせてくださいっ!絶対に迷惑はかけません!」


「……おや、どうしたのでござる?こんな早朝から」

「おっ、マツリ!」

 助かった。これで話が通じるかも。

 だが、この予想は当然外れる。そもそも俺はマツリに何を期待したんだろう。


「……ふむふむ。自分の限界を知り、一緒に連れて行って欲しい…でござるか」

「ああ。何か思い当たることはあるか?」

「もちろんでござるよ。むしろ、それ以外あるまいというほどにござる!」

 おおっ!なんて頼もしいんだ!


「ズバリ、厠に行きたいのでござろうっ!!」

 双子に向き直って高々と宣言するマツリ。

「「「…………」」」

 呆気に取られる俺たち。

 マツリ、それは違う。絶対に違う。


 ――ピーピピィ

 外を飛ぶ小鳥の囀りが虚しく静寂の隙間に響き渡っていく。


「……ああ、うん。いいんじゃね?」

 その後やって来たチタニアさんの仲介を経てようやく話が通じた。

 ――その前にヤノンもやって来たが、彼女もマツリ同様見当違いのことを言ったのでガン無視した。

「つまりは、俺たちの旅に同行したいってことだろ?別に、俺たちだって旅の目的は大雑把にしか決めてないし、同行するのは全然構わないよ」

 マツリの村に行くって言ってもその途中で面白そうなモノを見つけたらそっちに行く予定だしな。 


「…お前たちはどうだ?」

 一応、ヤノンとマツリにも確認しておかないと。仮にもパーティを組んでいる状態で俺だけの判断を優先するわけにはいかない。

(もし二人が駄目だと言ったら諦めてもらうしかないか…)


 だが、結果は半ば予想通り二人とも別に構わないということだった。


「……んじゃあ、そういうことで」

「はい。ありがとうございます!」

「まあ、足引っ張らない程度に頑張るよ」

「気にするなって。二人とも見た限りでは十分強いし、そんなに足手まといになるとは思ってねえよ」

「…そうか」

 おっ、ちょっと嬉しそう?

 安心したようなそれでいて少し恥ずかしそうな表情を浮かべていた。


「ところで、今日はこれからどうする予定なんですか?」

 元々、俺たちに合流するという形のため、俺が暫定的にこのパーティのリーダーを務めることになったので、早速どう行動するか尋ねてくるあたりルルミちゃんは真面目なんだな。

 とりあえず、先ほど考えていたようにペンタ連合国の情報集めをする旨を伝え、そのままの流れで王都にある図書館へと向かっていく。




「いいか~、ここではペンタ連合国の情報をできるだけ調べておけよ」

 生息する魔物や風土、風習から始まり、人々の生活はどのような生活をしているか。知っておけば無用のトラブルは避けられるはずだ。

 とはいえ、完璧にトラブルの元を失くすことはできないだろうし、国外で集められる情報にも限度があるだろうけど…。


「――こんなもんかな?」

 ある程度の情報は集め終わった。

 魔物や風習なんかは問題ないだろう。

 魔物も図鑑などに載っているのを見る限り危険度はそんなに高くないし、気候も比較的温暖。

 気になるのは、ペンタ連合国は5大都市から成立する国で都市同士、人同士の繋がりが非常に強く…その反面余所者に厳しいってところ。それに、首都が水に囲まれているから首都に行くときは注意が必要ってことかな?

 水上都市…水辺の魔物が強力なこの世界でそんなモノを造るなんて何を考えてんだ?


「……マツリ、お前が来る時に通った時はどうだったんだ?」

「基本的に拙者森を通って来たのであまりわかりませぬな。ただ、数度町に寄った時はそこまで問題があるとは感じられなかったでござるが…」

 本で調べた情報なんてそんなものか。やっぱり自分の目で見てみないと実際のことはわからないな。


「ジルバニア公国の都に行くのならば、逆時計回りに主要都市を巡っていく形になります。ですが、そこは関係なしにラギリ村を目指すとなると南部の都市を巡っていけば大丈夫では?」

 市販の地図に描かれたラギリ村の場所を確認しつつ、地図上をなぞるようにルートを描き込んでいく。

 ラギリ村は本当にジルバニア公国の端の方なので下側を通っていけば十分に行ける場所ではある。

「じゃあ、基本的には下回りに通って行く方針で考えていくか」

 何かあった時は変えればいいだろう。


 この時の俺は予想だにしていなかった。まさか、主要都市すべてに寄ることになるなんて…。

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