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災い、転じた?

赤の血煙事件とその後の日常を一気に投稿してみました。

「だ~か~ら、私がアルタ君にちょっかいを出す理由がないだろう?つまりは、彼にちょっかいを出す理由もないねぇい」

「だったら、別にこいつと関わる理由もないだろう!昔ながらの慣習で凝り固まった融通の利かない脳みそをもってるロートルは引っ込んでろ!」

 やっぱり、遅かったか。

 言い争うを繰り広げる二人に挟まれ辟易としながらそんな感想抱く。

 言い争っているというよりもアフィが一方的に突っかかってる、のか?いや、前町長もからかっているみたいだからおあいこか。二人に言うと面倒事がでかくなりそうだから言わないけど…。

 先ほどから逃げ出す隙を窺っているのだが、言い争いに夢中になっているように見えてこっちも見ているから厄介なんだよな。

 現に逃げ出そうと動くとガシッと腕を取られて逃げられなくなる。

 まるで1人だけ逃げ出せると思うなよと言われているようだ。

「大体、アルタ君は昔のことを引きずりすりだねぇい。町長ともあろうものが器が小さいったらないねぇい」

「んだとぉ!お前がペットにアルタなんてつけてるのがそもそもの間違いだろうが!」

「別に、私がどんな名前をペットに付けようと勝手だねぇい。それに、アルタフィルって名前を付けたのは君自身のはずだぁね」

「それでも、名前を付けた時にいたんだから教えるぐらいはできただろうが!後から知ってどれほど恥ずかしかったか、あんたにわかるか!しかも、そのペットはペットで俺が来てからすぐにおっちにやがって!まるで俺が早死にするみたいじゃないか!」

「……Oh、以外妄想も甚だしいねぇい。それに、君がどんな名前を付けようとそれに口出しをする権利はこちらにはない!大体、私の方が先に名前を付けていたんだ関係ないねぇい」

 ……子供の喧嘩かよ。

 どうでもいいが、俺はいつまで聞いてなきゃいけないんだ?

「……なぁ、アフィ。用がないなら――」

「「お前(チミィ)には関係ない(ねぇい)」」

 …いやいやいや、俺には関係しかないだろう!どう考えても俺は巻き込まれた被害者だろうが!

 

 結局二人の喧嘩と言う名の言い争いは前町長が飽きるまで続けられた。 

 前町長、アフィをからかって遊びたかっただけじゃねえのか?

 それを証明するかのようにアフィは悔しそうに地団太を踏みながら罵倒している。

「アホー!バァカ!二度と俺の前に姿を見せるな、このおたんこなすがっ!」

 子供かっ!?

 この話をペルニカさんにすると、二人のやり取りは定期的に繰り返されていると教えてもらった。予想通り、前町長はアフィをからかっており、アフィはそれに惑わされているらしく大抵はアフィが不貞腐れて終わるそうだ。

 町の人々は慣れているので二人が視界に入ってきたら巻き込まれないように逃げ出すのもお約束。

 散々な結果に終わったが、巻き込まれてからは町の人たちから冷遇されることが少なくなった気がする。店に行っても普通に品物を売ってもらえるし、ひそひそと陰口を叩かれることも減った。

 みんな同じ境遇に陥ったことがあるので同情してくれたのかもしれない。

 もしかして、前町長はこれを見越してあの言い争いしたのか?

 ……考え過ぎかな。

 多分自分が楽しみたかっただけだろう。

 なんにせよ、肩身が狭くなくなったのはありがたい。

「さて、今日も張り切って仕事をしますかね」




 ――後日

 前町長が再び俺を訪れ、釣ったばかりの魚を渡してきた。

 なんでも、この世界で魚を食べる機会はまだなかっただろうし、料理人ならばいずれ扱うこともあるからと言う理由だったが、この前の迷惑料に思えてならなかった。

 こういうちょっとした気遣いができるのは前町長としての経験なのかもしれないが、もし迷惑料ならば迷惑をかけないようにしてもらいたいものだ。

(……俺が言っても説得力はないから言わないけどな)

 

 ただ、魚を貰ったはいいが今いるのがギルドなので調理することはできずそのままギルドの食堂へ渡した。

 魚は貴重らしく3万Mで売れたし、魚を貰えるのなら被害がないうちは巻き込まれるのもありかな~なんて思ってみたり。

前町長の本音としては楽しみ9割、人助け1割みたいな感じで基本自己満足のためにやっています。

魚は危険手当みたいなもんで普通の食材よりも高額で取引されるコメディカルティアにおいては高級食材です。どれくらいかと言うと、だいたい元の世界の10倍ぐらいです。あと前町長が卸すのは川魚です。川と海の魔物の危険度の違いも今後の話で取り上げられたら…、頑張ります!

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