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出会い

 白い雪が所々見える北部戦線の一角、捜索班のレイは物陰から前線を睨んでいる。「ミカ、何か見えるか?」少し離れた岩影にいる筈のミカに手信号を送る。彼が、自分の目を指差し手を左右に振った。レイは仕方ないと、チームに前進を告げる。左右に散開してゆっくりと。此処から見えないが狙撃手のジェシカとマキも高台へ移動してるだろう。

 アダプスタン皇国とトリキア帝国帝国の戦争は4年目。多くの国が参戦し二極陣営で戦争している。国力の差で徐々に我がトリキア帝国軍が敵の首都圏手前まで迫っている。新聞じゃ盛んに新年は家で過ごせそうだなんて書いているが、前線勤務には実際解る筈もない。

無線機を持ったジョンがペッコンを鳴らした。ペコペコ音が鳴る金属のオモチャだ。手信号で前進を告げる。この先の小川にかかる橋を見てこい、それが今回の任務。ノロノロ進むこと2時間程で橋が見える場所についた。「レイ、そこそこ居るな、ガントラックが厄介だ。歩兵二個小隊程か」双眼鏡を差し出すとジョンは呟いた。確かに土嚢で車体を隠したガントラックが見える。橋の離れた場所には機銃陣地もある。レイはミカに双眼鏡を差し出す。「厄介極まりない。静かに後退するか、応援来るまで待機するか?」物陰でジョンが指令部にお伺いを立てている間ミカに少し離れた場所にいるトーマスとジェシカに伝令を頼んだ。「アルファ1を寄越すそうだ。軽戦車の援護して橋のを確保しろとさ」ジョンがウンザリした顔でこちらを見た。「そうか。夕方太陽を背に攻撃するか?」そうだな、今夜は徹夜だな。ジョンのボヤキを聴きながら打ち合わせするべく、後退して行った。

 軽戦車の戦車長を交え作戦を立てる。まずは狙撃手のジェシカが機銃を無力化してトーマスの軽機銃で援護、ジョン、ミカが橋の爆弾処理レイがその援護。ジョンは各自の役を決めると時計を合わせ16時に攻撃する事を告げる。「幸運を。」ジョンが各自の場所に行くように指示を出す。俺はショットガンに銃剣を取り付け、ジョンのとなり、大きな木下の影にしゃがんだ。時間がゆっくり流れていく。交替の兵士が機関銃陣地に着いた瞬間16時になった。

兵士がた折れ込み、銃声が響く。トーマスの機関銃の援護で橋に向かうべく、駆け出したところで軽戦車が道路から射撃を開始ガントラックを攻撃する。短い砲撃のあと撃破した。「レイ右を頼む。ミカ橋に行くぞ」ジョンが走って行く。俺はショットガンで物陰から出た敵を打ち倒し援護する。橋の向こうに行くべきと考え、渡り切った先の木陰に陣取った。軽戦車の援護もあって橋を確保。その時戦車を狙ったロケット弾が俺の隠れていた木に着弾。白いボールのようなものが俺の胸に当たった。思わず胸を押さえ倒れた。様子を見たジョンが、駆け寄って来たのか声がする。激しい痛みで返事が出来ない。意識が朦朧とするなか肩を担がれ安全な場所まで連れて行かれた。

気が付いたのは小さなテントの中、まだ全身激痛が。ポンチョを被せられている。肩を血塗れにしたマキが覗き込む。「軍曹寝ていてください。トラックを呼んだそうです。私と後退しろとの小隊長の命令です。」霞む目でマキの肩を見た。「移動していたら流れ弾が当たりました。大丈夫です。」マキが少し笑う。「トラック来たら起こしますよ。」その声に頷きつつゆっくり目を閉じた。一方マキは(あれ?軍曹の目、ブルーだったかしら?茶色だったはず?)起こす訳にもいかないので、後で見ればいいか。等とマキは考えていた。


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