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図書委員の諸事情


初投稿です。

いろいろおかしいです、すみません。

転校生。私は今、初めて転校生になった。前の学校の人たちを思う気持ちは抜けない。けど、それはいつか時が解決してくれると誰かが言った。そんなの信じるつもりはないけど、きっとこの運命はのがれられないから、私は逃げるのをやめた。そう決め1ヶ月。私にはいつも通り災難が降り注いでいた。


[逆らえない運命の脱出方法について]


「あ、西崎さん!!悪いんだけど、委員会入ってくれない?」

「委員会?」

私こと西崎凛は、転校生+帰宅部=学校になじめない人で構成されている。別にインキャラではないはずだ。だって、前の学校では素早いツッコミキャラだったんだもの。しかし、それはあくまで仲の良い友達のボケがあってこそ成立する。仲良くない奴に突っ込んで放置されたらすごい痛い奴に、なってしまう。だから、今私はなぜか黙るキャラで通っていた。クラスメイトとの会話もほとんどないままに過ごしてきた私に話しかけているのはクラス委員の真島さん。

「今、図書委員が一人たりなくてさ、どうしてもってわけでもないけど、入ってくれたら嬉しい。」

「別に...いいですよ。」

そう、この一言から、私とゆかいな仲間達のおかしな毎日が....

「ってオイ、ゆかいってなんだ??」

鋭い視線が私の後頭部に突き刺さる。...痛い。

「だって愉快じゃん。というか、ネガティブの集まり?」

「.....そんなこと...」

「つか、回想続けていい?」

「おぉ、まだいくか...どうぞ。」


んで、真島さんに言われて図書室に向かった私。....図書委員がたりないってどういう状況?

クラスをでて、長めの渡り廊下を渡る。その後は階段を4階のぼる。....辛い。

外から部活動の人たちの声が聞こえる。みんな頑張ってんなーと思いつつ、おもわず窓により、体育館の方を見てしまった。...おおっと、いけないいけない。私は頭をブンブン降ってから、図書室まで小走りした。


トントン。私は、図書室と書かれたプレートがかかっている、グレーの扉を勢いよく叩いてみた。ーー中から返事がない。いないのか?私は仕方なくゆっくりと扉をあけた。そして広がる真っ黒な世界ー

「あぁぁぁぁぁぁぁー!!!」

バッシャァーン!

金切り声と音とよくわからない液体が同時に降り注いだ?は?

「ごめんねぇ、大丈夫??うわぁ、やばいかなぁ、死んじゃうかなぁ?」

扉をガーンっと音を立てて蹴り、フワフワした茶髪の女の子が駆け寄ってきた。大きな目が印象的なフランス人形みたいな女の子だ。....フランス人形って、どんなだっけ。ってか、え、私死ぬの?

よく見ると、私はどす黒い液体を全身に浴びていた。なにこれ?

「あーあ、何やってんだよ。....すみません、大丈夫ですか?」

フランス人形さんを押しのけ、背の高い男の子が手を延ばしてきた。茶髪に二重、タイプじゃないけど多分イケメンかな。

「あ、どうも。えっと、大丈夫かは、この液体にもよりますけど。」

私はそう言って、イケメンさんに手伝ってもらい、なんとか立ち上がった。

「これはね、悪しき小者を退ける薬なの。」

フランス人形さんは、嫌な物を見る目をして言った。悪しき小者?って何?ってか、この人電波なの?

「みこ、意味わかんねぇから。えっと、虫を退治する液体です。人間には害はないと思うんですけど....おい、ゆうき、シャワー室って今使えるか?」

突然イケメンさんが、後ろに声をかけた。ゆうきと呼ばれた男の子は、図書室の隅の席で、机に突っ伏していたが、ゆっくりとこちらに顔をむけた。

「.....昨日、治して置いた。」

おぉ、寡黙キャラか。なんだ、ここはキャラだちの楽園なのか?

私の脳内ツッコミとは違い、イケメンさんはテキパキと話を進める。

「おう、サンキュー。じゃあ、ブレザーとかは、みこが洗うんで、シャワー室に行っててもらえますか?えっと....」

あ、そういえば名乗ってないな。まぁ、この人達の名前もよくわかんないけど、ま、いっか。

「私は...西崎凛です。」

「俺は加藤京太 。じゃあ、西崎さん、シャワー室にどうぞ。」

京太さんは、にっこり笑って言った。眩しい笑顔だなー。まったく。


***********


「さっきはごめんねぇ、大丈夫だった?」

ここは、図書室の隣にある、図書準備室。シャワーを浴びて戻ってきたところだ。机を囲んで、私、イケメンさんもとい加藤さん、電波さん、寡黙さんがいる。寡黙さんは、起きてるのか寝てるのか、机に突っ伏してはいないものの、じーっと机の角を凝視している。

「あ、大丈夫です、ブレザーありがとうございました。」

「気にしないで、私が薬ぶっかけたのがいけなかったんだもん。....あ、私は三村美弧って言うの、よろしくねぇ。」

電波もとい、みこさんは、フワフワ笑った。可愛いなー。

「よろしくお願いします。あの、なんで虫除けまいてたんですか?」

素朴な疑問にみこさんは嫌そうな顔をした。多分虫が嫌いなんだろう。それを察してか、加藤さんが口を開いた。

「ここの図書室、人があんまこねぇから、虫がたまっちゃうんだ。俺らで掃除しても、すぐに湧いてきちゃって。もう、わかってると思うけどみこは虫が嫌いなんだ。どっかの通販で買った、虫に聞きまくる液体を部屋中にまきはじめて....」

「そこに、私がきたんですね。」

「そういうこと。」

加藤さんが苦笑すると、寡黙さんが急に席を立った。

「どうした?ゆうき。」

「コーヒーいれてくる。」

寡黙さんはスタスタと行ってしまった。...不思議な人だな。

「ゆうきは自由人だからな、気にしないでくれ、それより、西崎さんは、なんでここに来たの?」

加藤さんの言葉で現実に引き戻された。やばい、忘れてたよ。

「あの、みなさんは図書委員なんですか?」

「そうだよぉ、少ないでしょ?」

えへへーとみこさんが笑う。....笑うところなのだろうか。

「私、今日から図書委員になりました、よろしくお願いします。」

私がぺこりと頭を下げると、加藤さんは目を丸くし、みこさんは目を点にした。...驚いてるー。

「え、なんで?もしかして西崎さんって、転校生??」

転校生ですとも?なぜこのタイミングで聞かれているのかわからない。

「はい、そうですけど?」

私がそういうと、今まで笑っていた加藤さんの顔が少し曇った。

「そうか、なんか申し訳ないな。」

「どういう意味ですか?」

私の言葉に、加藤さんとみこさんは顔を見合わせる。暫くの沈黙の後、加藤さんが口を開いた。

「図書委員は、一ヶ月前、委員会内でいじめがあったんだよ。それにともなって、委員の大半は来なくなっちゃったんだ。」

「....そうなんですか。」

薄々気がついていた。まぁ、深刻な理由があるんだろうなぁ、くらいは。

「だから、今図書委員にいると、いじめられちゃうかもなんだよぉ。」

と、いうことは、ここにいる誰かが、幽霊部員である誰かにいじめられて、なんらかのアクションをして、他の人たちを辞めさせたのか?いや、わかんないや。でも、一つわかることがある。

「いや、どうせ私、クラスの人と喋れてないんで、虐められてもあんま変わらないと思うんで。」

私の爽やかな(自称)笑顔と言葉に、みこさんは大きくのけぞった。

「ぷっははははは!!!」

みこさんは、机をバシバシ叩いて、うっすら涙を浮かべる。でも、みこさんとは対象的に、加藤さんは苦笑いだった。

「面白いねぇ、西崎さん!!私は、すごく好きだよ!」

「あ、ありがとうございます。」

みこさんに圧倒される私を、真剣な表情で見る加藤さん。きっと、いじめは大変なものだったのかもしれない、でも、私は今、気づいてしまった。

「加藤さん、私、後悔しませんから。」

私は、黙って私を見ている加藤さんの方に、まっすぐ向き直った。

「この委員会に入るのを最終的に決めたのは私自身ですから。....自分が決めた事に後悔はしません。」

というより。こんな修羅場、私にもってこいだ。私には、平和なんて似合わない。....まぁ、あの人達と、同じ匂いを感じたような気がするのは、きっと私が弱いからだと思う。そう、助けなんてもとめちゃいけない。

....つか、ここなら普通の会話できるんじゃね?

私の真剣さ(ひん曲がった)に観念したのか、加藤さんは、はぁ。と小さくため息した後、お手上げのポーズをした。

「わかった。入ればいいよ。...まぁ。元から俺が決めることじゃないけどな。」

「「やったー!」」

私とみこさんは、ハイタッチをした。そこへ、ゆうきさんが帰ってきた。

「コーヒーもってきたよ。」

「おー、ナイスタイミングー」

みんなにコーヒーを置くゆうきさん。

「あ、ゆうちゃん、新入りの凛ちゃんにもコーヒー...あれぇ、凛ちゃんのぶんもあるの?」

みこさんが不思議そうに呟くなか、私の前にもコーヒーを置くゆうきさん。

「ありがとうございます。....私もコーヒー貰っちゃっていいんですか?」

「大丈夫だよ、図書委員以外には出さないようにしてるんだけど、今日から凛ちゃんも仲間だし!でも....」

みこさんの言いたいことはわかる。なんで、私が図書委員に入ることを知らなかったはずのゆうきさんが、私のぶんのコーヒーを持ってきたのかということだ。みんなの視線が集まるなか、ゆうきさんは

「そんな気がしたから。」

しれっと、言ってのけた。恐るべし。

「そうだ、図書委員では、お互いを下の名前で呼ぶことにしてるんだぁ、だから、私のことはみこって呼んでねぇ。」

美弧がフワフワ笑う。

「...高田悠希。ゆうきで良い。」

悠希も呟く。

「俺のことも、京太って呼んでくれ。よろしくな、」

京太は、にいっと笑った。さっきまでの敬語とは違い、したしげになったみんなの口調は、私には少しくすぐったくて。私は気づかれないように、ありったけの笑顔を浮かべた。

「うん。私のことも、凛って呼んでね。よろしく!」


***************


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