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姉と弟
なんか電波がゆんゆんきた。
「姉さん見ておじいさんが鳩にえさをあげてる」
「そうだな弟よ、しかし何をあげているんだろうな?」
「あれは多分豆だよ」
「おお、豆か何の豆だろうな?」
「確かに何の豆だろう? 少し見てくるよ」
「気をつけろよ弟よ」
「分かったよ姉さん」
「ふむ、何をあげているんだろ? あ、近づいたら鳩が飛んでいってしまった」
「喝ッ」
「え? いた、痛い、なにあのおじいさんこっちに豆投げてきた、あっ、これ大豆だ」
「ハッ」
「いた、いたい、これは鬼が泣くのも分かるよ逃げなきゃ」
「フンッ」
「おじいさん追いかけてきた! こわっ、めっさ顔こわっ!! 姉さん助けて」
「弟よさらばだ」
「はやっ!! え? なにあれはじめてみたよ姉さんがあんなに早く走るの! 豆が地味に痛いよ! もういやだよ」
「はっ! 夢か」
「姉さんどうしたの?」
「うん? いや、弟が大豆を持ったおじいさんに追いかけられる夢を見たんだよ」
「え?」
「え?」
「それだけ?」
「それだけだ」
「そっか」
「そうだ」