金魚ばち
掲載日:2026/01/04
釣りに出かけたときに、金魚を二匹釣った。僕はそれを家に持ち帰ると金魚鉢の中に入れ、大切に育てることにした。
翌週、金魚鉢の水は真っ黒になり、金魚の死体が浮かんでいた。餌やりと水の交換を忘れていたのである。弟がそれに気づき、悲鳴を上げた。すると、父さんと母さんとじいちゃんとばあちゃんと知らない人が大勢で駆けつけてきた。そして通り過ぎて行った。弟と私は今のうちに水を取り替え、金魚の死体にモーターをくっつけた。やがて母親が戻ってきた。その目線の先には金魚の死体がモーターによって壁に押し付けられている光景があった。僕は青ざめ、死を覚悟したが、母親は同時に金魚鉢の中に卵が産みつけられているのに気付いた。
こうして母親の怒りが少し和らいだ。次の瞬間父親が卵と金魚の死体を食べ、金魚鉢の中の水を全て飲み干してしまった。
こうして僕は金魚鉢の中で盆栽を育てることになった。食中毒で亡くなった父の死体を肥料にした。盆栽はすくすくと育った。僕はこれを見て金魚から父親へ、父親から盆栽へと命がつながっているんだなあ、としみじみとした。
盆栽が育ちすぎた。金魚鉢は粉々になってしまい、盆栽は栄養が取れなくなって枯れてしまった。やがてかれた盆栽にはキノコが生え、胞子が舞い、家じゅうキノコだらけになってしまった。




