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散歩したらミラクル起きた

 今日は黒墨花柄の半袖シャツに、歩くとなめらかな動きをするロングスカート。


 ローブーツに見えるスニーカーでお散歩。


 今日は晴天、お散歩びより。


 フェンスで区切られた別の区へ、少し遠出をするつもり。



 しおりに書かれた謎の住所をたずねてみようかと思う。


 なぜかほんのりと気になる。



 一応、家には散歩に出ることは言ってある。


 ボトルの飲み物と、ハンカチ、小降りな日傘持っている。


 フェンスの向こう側は別区の居住区で、路地がいっぱい。



 高いのか安いのか分からないおもむきのある壺に花が植えてあったりする。


 プランターをベランダのヘリに専用のクリップで留めてある花もある。


 ここらへんは土地主の意向で、植物をあながち育ててる場所。


 植物を育てて外観を守ると、家賃が少し値下げされたりするらしい。


 花だけではなく、野菜やハーブでも成立するらしいから待遇いいなと思った。


 多分、母から聞いた話だ。



 大ぶりに木と化した鉢植物の満開の花の周りに、蝶が飛んでいる。


 驚かせないように観察していると、花に停まっていたりする。


 貴重な場面だなぁ、と思う。


 最近、自分の住んでいる区で蝶をあまり見かけないから。


 今度、花鉢とか買ってみようかなぁ。


 全然、植物に詳しくない・・・育てるなら紫陽花がいいな。


 今の時期に手に入るのかは分からないから、別の買うかも。



 喫茶店があって、その道を横切る時に食品サンプルの展示に笑う。


「実際の商品とは分量が異なります」の表記に。



 路地の探検は楽しい。


 次にどっちに曲がろうかわくわくする。


 遠目に、たこ焼きの屋台が出ているのを発見・・・謎すぎる位置だ。避けよう。


 猫がいて、少し追いかけてみたけど途中で見失った。


 犬の散歩に遭遇し、大型犬を撫でて飼い主さんと少しお話をした。


 その「ポチ」の好きな食べ物がきゅうりだと言うレア情報ゲット。


 小さい頃に犬を飼ってた話は、通りすがりの愛犬家さんたちに好まれる。


 私が生まれた記念に父がペットショップから家に迎えた犬だった。


 十三歳で寿命で死んだ。


 その日の晩、ひとりでベッドの中、愛犬を想ってさびしくて泣いたのを思い出す。


 

 一階が駐車場の建物の、自然が作り出す光と影も面白い。


 小さな公園に、何か名言みたいなやつが刻まれているのを発見。


 その石碑を前に、子供たちが「字が書いてある。可愛い~」と言っていた。


 君たちのほうが可愛いぞ、と思い大人気のブランコに乗るのは諦めて散歩再開。

 


 また路地に入り、居住区に建物自体に植物が張っているのを見つけた。


 どうやら古本屋だ。



「あれ?レイちゃん?」


「え?」



 古本を立ち読みしていた人影は見えていたが、気づくのが遅れた。


 そこにいたのはミツユキ君だ。


「こんにちは」


「運命的~。こんにちは」



 そのあと私達は散歩をする日常への感動で話が盛り上がって友達になった。


 くだらない話が好きかどうか聞いてみたら、「大好きだ」と言われたから。


 友達から始めよう、と言われた。


 展開も距離の取り方もゆっくりがいい、と素直に言った。


 彼は素敵な笑顔で「分かったよ」と言ってくれた。 




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