↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】厄災王女、千年後に自分の力を知る~戸惑っているので、そんなに甘やかさないでください~  作者: 入魚ひえん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/67

23・リシアが来てから(オルドー視点)

 俺の妻のヘリンはおっとりしているようで気が弱いのか、やけに人目を気にするところがある。


 慣れない人と会った後はいつも疲れた顔をしているが、リシアが来てからくよくよすることが減り、「彼女と話すと自分の悩みや他人の視線が些細なことに思える」と、最近は笑顔も増えた。


 夭逝した兄の忘れ形見である、今年五歳になる姪のイライナもそうだ。


 イライナはヘリンが心配するほど引っ込み思案だが、地面に描いた猫の絵をリシアがとても気に入ってくれたと、彼女からもらった飴玉の入った瓶を腕に抱えながら繰り返し話すほど嬉しかったらしく、それ以来驚くほど懐いている。


「レオルがリシアを連れてきてくれて、俺たちにとっては良かったけれど、リシアはどうかな? お前があちこち行ってる間にほったらかしにされてると思って、愛想つかされても知らないぞ」


「別に、ほっとくつもりも愛想つかされるつもりもないけど。あいつは人から遠巻きにされて育ってきたみたいだから、ほったらかしにされているとか、愛想をつかすとか、そういう発想すらないかもな」


「ずいぶん孤独な生活を送って来た人なんだな。だけどその様子だと、レオルはそんな複雑な彼女を恋人として受け入れたんだろ?」


 にやりとして見ると、レオルはいつになく考え込んだ様子で黙っている。


 まさか……。


「恋人では、ないのか?」


「ああ、そうだな」


「そうだなって……お前。遠くの地から言葉も文化も分からない、複雑な生い立ちを持つ女性を連れて来て、それはおかしくないか? 彼女をどうするつもりだ?」


「言っただろ? リシアはあの力で面倒なことがあったんだ。できるだけ、自由にさせてやりたいんだよ」


 それは紹介してもらった時に聞いた。


 レオルが帰ってきた時、もらった蜂蜜や薬草、茶葉は味も香りも普段利用している物とは明らかに違う、見たこともないような極上品だった。


 目の肥えているヘリンが手放しで絶賛していたのだし、それは間違いないのだろう。


 しかもそれは、リシアが作った物らしい。


 リシアには様々な品を作る才能があるらしく、その力を悪用していると誤解を受けて遠い国から逃げていたところ、レオルがここに誘ったと説明された。


 確かにこの領は比較的治安も良く、人口もほどよく、なによりレオルと俺たちの庇護下に置けるのは安心だろう。


 それにレオルの冒険者という仕事柄、家を空ける時や万が一不慮の事故に遭って彼女がひとり残された場合、危害を加えないと断言できる俺とヘリンにだけ事情を説明しておいたことも、リシアに対するレオルらしい思いの深さが伝わってくる。


 ので、一応忠告しておいてやるか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。