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私は自分が怖い。

月3をめざす

「幸いです。命に別状はありません。」


それをききその場の全員が安堵した。


この言葉をきいて私はすごくほっとした。

私のせいでシベルが死んでしまったらと思うととても耐えられそうになかった。

シベルの怪我の報を聞き、皇帝、第二妃、第三妃、イナ、ガルー老が集まっていた。


「コーネリウス殿、シベルは大丈夫なのか。」

「はい、運が良かったのか髪留めは筋肉をあまり痛めていなかったので後遺症は出ないと思われます。」

「そうか。」

「意識はないですが面会もできますよ。」

「では行こう。ミサキも来るか?」

「いいえお父様、私には合わせる顔がございません。」


自分のせいで怪我をさせてしまったのにいまさら合わせる顔などあるはずない。


「父さん!僕もパスするよ。」

イナが言う。




―――――――――――――――

次の日私は寝室にこもっていた




私はただ、関わりたくないだけなのに、どうして



「へぇー姉様、そんな顔できるんだ。」


「っ!!。」

(イナ!?)


「あっちゃ、じゃましちったかな?、まぁそんな甘ったれたこと言ってると僕怒っちゃうよ?。」


「どうして!カギ閉めたはずなのに。」


「あー・・鍵ってこのワンコ君かな。」

そういって黒い犬を放りだす。

放り出された犬はだんだんと黒い砂に代わっていく。

「えっ魔犬が!イナどういうこと。」

この犬はミサキが唯一まともに発動できる召喚魔術で召喚した護衛用の魔犬。

その牙は鉄を砕きその鼻は半径100キロのにおいをかぎ分け、強力な竜に匹敵するほどの咆哮をあげる。


その魔犬があっさりとたった三歳の子供に倒されたのだ驚かずにはいられない。


「いやホント強いよね少し時間かかっちゃったよ。」

その姿その容姿、不気味なほどに”ちぐはぐ”に見えた。


「さて本題だ、いくらねぇさんと言えどシベル兄さんに怪我をさせたことは許せない、でも、あんたもいちお身内だからね兄さんもミサキ姉が死んだら悲しむからね、だからチャンスを上げるよ、今回の犯人、自分でシルバーさんに直接言いなよ、だったら今回のことは水に流すよ。」


ミサキにとって死ぬということの恐怖は人一倍に経験していたため選択肢は一つしかなかった、婚約者のシルバー・モガレット、モガレット伯爵家次期当主、彼と婚約したときミサキは天にも昇る心地だった、病弱でありながら自分を選んでくれた人は初めてだったからだ、意外にも相思相愛だった、シルバーは重要な式典で珍しく出席していたミサキに一目ぼれしたのだ、母サワカ譲りの黒髪に可愛らしい顔立ちに。

だがシルバーの家族はこの婚約に否定的だった、有り余る魔力を制御できず暴発ばかり起こす役立たずとシルバーの優秀さに釣り合わないと誰もが思った。

両親とシルバーはそのせいですこしギスギスしていた、それを快く思わない妹が兄を誑かした悪女を懲らしめる、といった経緯で事件が起きたのだが、ミサキはこの事件の原因は自分にあると思っていた。

でもシルバーに話したら妹は勘当されるかもしくは幽閉かそのようになるのも怖かったのだ。


「・・・・・・・・・・・・わかった。」

言うしかなかった、この弟は危険だ、常に命の危険にさらされているミサキは危機に対して敏感だった。


「そう、ちゃんと見てるからね。」

そう微笑みながら言いその場を去っていくイナ。


閉ざされた扉を見ながらミサキは戸惑う。

(どうしろっていうのよ!、私だってこんな事望んでないのに!。)


泣くしかなかった。





―――――――――――――――――――――


さらに次の日ミサキは母、第二王妃サワカに呼び出されていた。


今日のミサキの頬はすこし腫れていた、ミサキはあの後一晩中泣きじゃくったのだ。


「すこし腫れてるわね、あとで顔を冷やしなさい。」

サワカは頬に手を当てながら娘を気遣う。


「ねぇミサキ、昨日意識が戻ったシベルに会ってきたけど元気そうだったわよ、マリーもそうだけどシベルも自分に無頓着なのよね、最初に言った言葉なんだかわかる?、『ミサキ姉は無事ですか!?』だって。」

ミサキは無表情を貫く。

「いんやー驚いちゃったな私だったらできないな剣士としての命が危うかったのに他人を心配するなんてさ。」

(言葉が出ない喉が痛い早く帰りたい。)

「それに比べてミサキあなたまだシベルに会ってないそうね、お母さん少し怒ってます。」

サワカわ笑顔で優しく怒る頭ごなしに怒鳴り散らしても相手が縮こまるだけで悪循環だからだ。

(申し訳ないと思ってる、でも助けてとは言ってないし。)

「ミサキ、以前からシルバ君の妹のベルベット嬢に嫌がらせは受けていたことはお母さん知っていました。」

(え、どいうこと、じゃあなんで助けてくれないの。)

「どうして・・・そんな顔してるわよ。」

「っ・・・」

「はぁー、ホントに贅沢ね、お母さんあなたにこれまでできるだけ応えるようにしてきたはずよ、あなたが嫌いだといったことはこれまでなくしてきたわよね、習い事なんて剣術、楽器、絵画、魔術・・・・ほかにもいろいろ、嫌いな食べ物だって、あなた二回も口にしてないでしょ、その代わり好きだと言ったものには全力でやる、これが私たちの約束だったはずよ、なのに好きな婚約者と結婚するための障害を他人になすりつけるな、これはあなたの問題よ、突き放してるようだけどその分私はあなたに尽くしてきた、今度はあなたの番よ。」

(わかってる、分かってるけど、婚約したしどうせ結婚できるし私はお母さんみたいに強いわけじゃないし。)


「・・・・・・ミサキあなた、・・・いいわまずはシベルのところに行くわよ。」

サワカはミサキの腕を掴む。


(っ痛。)


「いやだ!。」とは言えなかった


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