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いい気になってんじゃないわよ!!

遅ればせながら


ガルー老は現在、王宮庭園にいた


「王様、お呼びと聞きはせ参じました。」


「うむ、ご苦労、して此度ガルー殿を読んだのは他でもない息子のことについてだ。」

(これはこれは久しぶりに真剣なご様子、この様を見れば臣下たちが暗君などと言わぬものを。)

監視役の宰相がいないそればかりか側もつれずに二人だけということはかなり真剣な話ということだ。

「何でございましょうか。」

「うむ、十日おき、いや五日おき程度に息子の成長を見守りたいのだが報告してくれないか、外国出身で偏見のないおぬしだから息子も選んだのは理解しているそれに宰相の監視もあることだし。」


「その程度ならさせていただきますが、私も王妃様方の不興は買いたくありませぬぞ。」

あまりに無礼な態度だがここにそれを諌めるものはいない。庭園の花たちが微笑むだけだ。


「わかっている、わかっているつもりだがどうにも治らん。」

「それがあなた様の良さであり毒でもある、お気を付けを。」


「・・・・・・・ああ。」


(この方は生まれながらにして王ではないのだろう民に尽くし民に裏切られ続ける、まさに”奴隷”外からも内からも。)


―――――――――――――――――――――――



今日、俺は剣術を学び始める。

真新しい皮鎧に汚れがない靴、俺にはもったいない気がするけど・・・・いやいや負けるな俺強くなればそれに見合った装備が必要になる、俺は変わるんだ未来を変えて見せる!


「ほほっ来ましたな。」

「はい!今日からよろしくお願いします。」


呼ばれたのは王宮にある三つある訓練場の一つ、土が半径500メートルにわたって敷き詰められた第三訓練場、ここは王族かんけいの実験や訓練などに使われている。


「では今日は走りましょうか。」

「・・・はい!?」


…今なんと


数分後



「・・ゼぇ‥‥ハぁ・・・ゼぇ・・・・ハぁ・・・・」

ヤバイ、われながらここまで体力がないとは心臓のとくとくとくとくとくとく、めっちゃ聞こえる。

足が鉛のように重い・・・・・くぅキツイ!


「そろそろですかな。」

「・・ゼぇ‥‥ハぁ・・・が・ガルー様は平気なのですか。」

「はい、これくらいは、あと様付けは恥ずかしいので先生でお願いします。」

「じゃあ先生この走り込みにはなんの理由があるんですか。」

「質問を質問で返すようで心苦しいですが、この世で人間が最も恐れるものとは何だと思いますかな。」

人間が最も恐れるもの、この質問はシベルにとってはすこし皮肉に思えた。

「やっぱり他者とのかかわりですか?。」

「ほほ~王子そんなに悲観しないでいただきたい、何簡単なことです、”知らない”それが最も人間が恐れることです。」

「知らない、ですか。」

「そうです、私が使う尖刃(せんじん)一刀流という剣術の奥義そのものです、例えばこんな昔話があります、国同士がにらみ合いにあったころ誤って一人の子供が殺されたその子供は軍人に殺されたのですそれも無抵抗で殺されたこどもの国は大義名分を得て敵国を滅ぼしただが本当のところは違います。子供を殺した軍人は脅されて殺しました、家族を人質に取られていたのです、それも武器商人に戦争になれば自分たちがもうかるからと、ここまで話しましたが何が大きな理由になったと思いますかな。」

「武器商人の欲・・ですか。」

自信なさげに応えた。

「っそうですな、なればどうしたら止められましたかな。」

「知っていれば止まられていたかもしれません。」

「そうです、なればこそ我が流派の奥義は”知る”ということなのです。」


そしてその日は少しの走り込みと素振りで終わった。


「今日はここまで。」

「先生こんなことで剣術は身につくんですか?」

「まだ始めですので少しずつ体に慣れさせましょうまずは自分の体に教えなければなりません。」

「それは僕の体に知らせるということですか。」

「はい。」

「分かりました、では明日また。」

「はい、お待ちしております。」


帰るときの体は行く時よりもだいぶ重く感じられた。

――――――――――――――



「フン!あなた何やったのかわかってるんでしょうね!!。」


訓練場の裏に設置されている水飲み場でのどを潤していた時ふと怒声が聞こえた。


「わぅ・・わっ・・・たし、そんな

「聞こえないのよ!!そんなにかわいこぶったってねあたしたちに見抜けないわけないでしょ!。」

「そうよ!あなたが婚約者なのをいいことにシルバー様に怪我させたことくらい知ってるんだからね。」


いけない気もするのだが気になって見に来てしまった。

ってご令嬢たちに追い詰められてるのってミサキ姉上!?

そこには三人の貴族の令嬢に問いただされている姉がいた。

第二王女が何で追い詰められてんの!?

確かに最近、婚約したとかなんとかイナが言ってたような。


「それなのによくほのぼのと読書だなんて恥を知りなさい!!。」

「そうよ!怪我までさせておいて贈り物の髪留めをしているなんて、こんなもの!!。」


令嬢の一人がミサキがしていた髪留めを取り上げる。


「やめて!!返して!。」

泣きそうになるミサキ。

「なによ髪留めもらったくらいで良い気になってんじゃないわよ!!」


泣きそうな顔のミサキが気に障ったのか手に持った髪留めを投げつける。

まずい!!

とっさに飛び出たシベルが盾となりミサキには怪我はなかった。



ミサキに怪我がない代償にシベルの腕には棒状の髪留めが刺さっていた。

「血!!?わたっ私こんなつもりじゃ

「シベル!?。」

「あれ?なんか腕に力が入らないよ姉さん。」

そういいシベルはその場に倒れる、あまりにも痛みが激しく気を失ってしまった。


「どどどうすんのよ!わたし知らないからね!。」

「わ!わたしも。」

「まっまって!。」


三人の令嬢たちは逃げるようにその場を去る。


「シベル!シベル!シベル!・・・・・

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