一語目「出会いの話」
何の変哲もない親下に生まれ、何の変哲もなく育ち、何の変哲もないやつがふとした拍子に勇者になるところからこの昔話は始まる。
ありがちな異世界転移である。
昔話の主人公は23歳の日本人男性。名前は紅葉柊と言う秋らしい名前をしている。
普通に生きて普通にサラリーマンになり、当たり前の様に日々を過ごしていたのだが、ある日突然、会社の休憩所に入ったところで異世界転移を食らったのである。
「先輩?」
一緒に休憩所に来ていた後輩のぽかんとした声がその場に響いたが、先程まで彼のいた場所には誰もいなくなっていた。
彼が消える瞬間は誰も見ておらず、その後輩が会社中を駆け回り漸く彼が忽然と姿を消したと理解するまで騒ぎにはならなかったのだ。
一方で、異世界に飛ばされた彼は突然変わった景色にぽかんとしていた。人は、いきなりぶっ飛んだ現実を突きつけられると頭が真っ白になると言うそれである。
「…草原?」
この世界に来て初めて発せられた言葉がそれだった。
彼の周りには大草原が広がっており、彼以外の生き物は一つとしていなかった。
しばらく辺りを見渡した彼は、一度空を仰ぎいい天気だと現実逃避気味の言葉を呟き、
「いや、どこだよここは!?」
やっとそれらしい絶叫をしたのである。
◇◇◇
それから、その場で座ったり立ったりうろうろしたりを繰り返し、こうしていてもどうしようもないと言う事と、諦めを覚えたらしい彼は右も左もわからない草原を歩き出した。
「夢でもなさそうだし、どうやって元の場所に戻るか…それに会社に何も言わずに来ちまったし戻ったらどやされるな…」
ぶつぶつと呟きながらため息を吐く。思ったより逞しい思考をしているのである。
「あれ、肌の色おかしくね?」
そこで、ふと自分の手を見た彼は歩みを止めた。
じっと自分の手を見つめる。彼の手の色は褐色に近い色。爪も少々鋭くなっており、氷の様な色に塗られている。元々の彼の肌の色は日本人らしい肌色。爪の色だってそんな洒落た色はしていない。つまり、急に肌の色や爪の色が変わったと言う事になる。
「目線がいつもよりも高い気がするし…自分の姿見れるところねえかな」
若干焦り気味に辺りを見渡すが、草原が広がっているだけである。困ったように歩き出すが、この草原はいつ終わるのかもわからない。
べちゃりと音がする。ハッとして彼が振り返れば、そこには得体の知れないモノがあった。
モンスターのスライムに似ているが、色はどろどろと泥の様な物で周りには黒い靄が立ち込めている。
その靄からは何やらどろどろとした声が聞こえるため、軽くホラーである。
「な、んだ…?」
さすがの彼でも後ずさりをする。どろどろとした物体はずりずりと地を這い彼に近づいていく。
靄の一部がぐわっと広がり彼の指先に触れた。
その瞬間、彼の脳内には色々な声が響いた。
その声は「いらない」「死んでしまえ」「嫌い」「憎い」「酷い」「裏切者」等と言うマイナス極まりない言葉の数々で、誰に言うでもないその言葉が自分に向けて放たれた様に感じる冷たさを持っていた。
弾かれた様に彼は一歩大きく後ずさり、どろどろとした物体に背を向け走り出す。
「あれは、やべえ」
冷や汗交じりに呟いた声は震えており、精神的苦痛を味わったと言う顔をしている。
どろどろとした物体はそんな彼を見つめる様に動きを止め、次の瞬間あり得ないくらいの速さで彼を追い始める。見た目にそぐわぬ素早さで、すぐに彼との距離を縮めてしまう。
「なんっ!? オレ何かしたかなぁ!?」
追われていると気づいた彼は悲鳴を上げる。だが、この場所には草原しかないため誰も助けてくれることは無いだろう。
追い付かれる、と言う瞬間彼の足元がふと消えた。確実にあったはずの地面が消えたのだ。
「落とし穴なんて聞いてねえぞ!?」
ぎゃっとまた悲鳴を上げて下に落ちる。正確には落とし穴ではない。そもそも、この草原に落とし穴など無いのだ。
どさっと尻餅を付き、彼がふと瞑っていた目を開くとそこは先程までの草原ではなかった。
慌てて背後を振り返るが、そこには先程までいたあの奇妙な物体は無くなっていた。
代わりに、年季の入った本棚が見えそこにぎっしりと本が並んでいるだけであった。
書庫の様な場所。しかし本棚の向かいには本棚とは不釣り合いな真新しく斬新なデザインの鏡や机、椅子やペン等と言うごちゃごちゃしたものがひっくり返ったり積み上げられたりしている。
「アンバランスな場所だな…」
得体の知れない恐怖が無くなったせいか、どこか安堵したように呟く。
よいしょ、と立ち上がりながら部屋をぐるりと見渡す。背後には本棚が真一文字にずらっと並び、本棚は長すぎてどこまで続いているのかわからない状態。
目の前にはごちゃごちゃと積み上げられた家具たち。家具の横にはソファーがあり、紅茶でも飲んだのか使ったばかりのティーカップがサイドテーブルに置かれていた。サイドテーブルにはティーカップだけでなく、本が数冊積まれておりここで誰かが本を読んでいたと言うのがよくわかる。
「どこだ、ここ」
「その前に、アンタはダレ?」
「うぉおっ!?」
はーと息を吐きながら呟き、部屋を見渡す彼の背後からいきなり声が飛ぶ。
勢いよく振り返り二、三歩後退した彼の目に移ったのは真っ白な肌に綺麗な銀髪を靡かせる整った顔立ちをした男性だった。目は反転目でドラゴンの様な鱗がちらほら肌に浮かび上がっており、その割には爪は人魚の様に丸く、耳は人の様でイヤリングは金縁の三日月形と言う洒落たものをしている。
「どちら様…」
「人に名を聞くならそっちから名乗ったらどう?」
困惑気味に問えば、得体の知れない男性は不機嫌そうに顔を歪める。イライラとした様な雰囲気が全身から放たれている。
「あ、オレは…柊ですけど…」
「ヒイラギ? へえ。で? どうやってここに来たワケ?」
一刻も早くここから出て行ってくれと言う顔をしながら得体の知れない男性が腕を組む。
「どうもこうも…泥みたいな物体に追われて逃げていたらここに落ちたと言うか…」
ヒイラギ自体、どうやってここに来たか詳しくはわからないためありのままを話せば舌打ちが返ってくる。
「へえ。アンタ、その物体に触れられたね? 祟られてやがる。」
「たっ!? えっ、オレ死ぬのか!?」
祟られていると言う言葉に焦り出すヒイラギ。得体の知れない男性はうっとおしそうにまた舌打ちをする。
「そんな簡単に死にゃしないよ。馬鹿なの? その程度の祟りで死ぬんじゃこの世界は終わってるよ。
つーか、アンタ見たところかなり上級のモンスターらしいけどどっから来たワケ?」
「モンスター!?」
「はぁ?」
またもやわけがわからんと得体の知れない男性の顔を見るヒイラギ。見られた方も何だコイツ…と言った様に顔をしかめている。
「アンタ、鏡も見たことないワケ?」
「いや、あるけど、オレは日本人…」
「わけのわからないこと言ってないで自分の顔ちゃんと見たらどう?」
話が噛み合っていないと思ったのか、得体の知れない男性はヒイラギを鏡の前に突き飛ばす。
ヒイラギもやっと鏡を見つけたため、抵抗なく鏡を覗き込む。が、そこに移ったのはヒイラギが知る自分の姿ではなかった。
「!!!!!!??????」
声にならない声を上げて後ずさる。
よくわかる釣り目は少々キツいイメージを持たせる。エルフ耳に犬歯が目立つ顔立ち。髪色も光の反射で青っぽく見える黒髪になっている。そして何よりも顔立ちが随分と美形なのである。純粋な人間とは思えないが、そこまでモンスター染みてはいない。
だが、元々日本人で普通の黒髪。顔もそこそこ整ってはいたが美形って程ではないヒイラギからすれば驚きの変化である。
唯一服はスーツのままなので、若干顔と服がミスマッチなのだが。
「何だか知らないけど、面倒な子だねアンタ。
自分の顔を覚えた? ならとっとと出てってくんない? 俺はもう他人と関わりたくないんだよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! オレ今すごい混乱してるから見捨てられるとすごい困るんだが!?」
「俺には関係ない」
「じゃあせめて名前くらい教えてくんねぇ!?」
「アンタに名前を教えて俺になんのメリットがある? 価値を感じない。とっとと出てって」
わたわたと焦るヒイラギを無慈悲に突き飛ばす。突き飛ばされ、よろけたヒイラギがハッとするとそこは草原の中だった。だが、先程の草原ではなく、草原の中にある一本の道のど真ん中だった。
「…さっきの場所に戻されるかと思ったけど、人が通りそうな場所に出してくれる当たり良いやつじゃん」
辺りを確認したヒイラギが安堵したように苦笑する。
長い道の先には何やら街らしきものが見える。
「あの街に行けば、何かわかるかね…」
街の方に歩きながらヒイラギは呟く。歩いていると、何人かとすれ違い馬車らしきものともすれ違った。
しかしその中には人間はおらず、どれもモンスターだった。
「モンスターしかいねえのか、この世界は」
オレのいた世界とは違う世界なんだな、とどこか諦めたように笑い、ヒイラギは歩みを速めたのだった。
◇◇◇
「時空の狭間に故意的に来るのは不可能…事故的に来るのも不可能…なのにアレは落ちてきた…。
何なんだ、あのガキは」
その頃、ヒイラギを無慈悲に追い出した得体の知れない男性はソファーに座ってぶつぶつと考え込むように呟いていた。
「…まあ、関係ない。もう会う事もないだろうね。」
しかし、すぐにそれもやめてサイドテーブルに置いてあった本を開く。
「他人と口を利いたの、いつぶりだったかな」
字を目で追いながら呟いた声に感情は無かった。
だが、字を目で追うのは途中で止まった。
「次、またここに来て俺を覚えていたのなら、名前くらいは教えてあげようかな。」
ぱたん、と本を閉じてソファーから立ち上がる。
そして、長い長い本棚の中から目的の一冊を探し出すために歩き出す。
「ヒイラギ、ね。」
彼の名前を呼んだ声には少しだけ感情が乗っていた。
その感情が、面白い、と言うモノなのか、つまらない、と言うモノなのかは誰にもわからないままその声は消えて行った。
◇◇◇
「綺麗な街だな」
ヒイラギが街に足を踏み入れて初めて放った言葉がこれである。
そう。ヒイラギの訪れた街は綺麗な街なのである。家は煉瓦造りで植物が煉瓦の隙間から生えていると言う不思議なもの。
窓は写真のフィルム一枚の様な造りで洒落ている。煉瓦づくりとは少々ミスマッチな窓だが、印象には残る。
全体的に同じ様な家が並んでいるため、誰がどこに住んでいるのか覚えるのが大変そうである。
「まずは、情報収集かな」
ヒイラギは営業部のサラリーマンだった為、自宅訪問には慣れている節がある。
とは言え、相手はモンスターである。人間相手とは違い、何が起こるかわからない世界。流石のヒイラギも軽率に行動はできないのだ。
どうやって情報収集しようか、と辺りを見渡し、店らしき場所に行けば何かわかるか? と思い立ったらしく歩き出した。
だが、残念ながら店に着くことはできなかった。
歩いていたら、兵士らしきモンスターに取り囲まれてしまったのだ。
「えっと…?」
何もしていないヒイラギからすれば困惑の極みである。
自分を取り囲んだ兵士たちを見回しながら困惑する。
「貴様はどこの国の者だ?」
そこで、兵士の一人が槍を構えてヒイラギに問うた。
「えっと、日本ですけど…」
「日本? 聞いた事が無いな。
では質問を変えよう。何しにこの国に来た?」
質問攻めになりつつある空気だが、ヒイラギはここで下手げなことをすれば刺されるとわかったのか大人しくしている。
「えっと…特に用事はないんですけど…」
これだけ警戒されている中、本当の事を話したところでこの兵士たちは信じてくれるだろうか? 最悪殺されるのでは? とヒイラギは頭の中で考えを巡らせる。
だが、困ったことに沈黙を悪い方に取ったらしい兵士の一人がヒイラギに槍を突きつける。
「不審な者め! 正直に申せ!」
「あぶなっ!?」
目の前に突きだされた槍に後ずさりするヒイラギ。しかし背後にも槍があり、身動きが取れない状態になってしまっている。
「あの、オレ気づいたら草原に居まして! そしてよくわからない本棚のある場所に落ちて、そこで変な奴に出会ってこの国に続く道にほっぽり出されたと言いますか!」
わたわたと説明すれば、一番歳をっ取った兵士がぴくりと反応する。
「本棚のある場所だと…? 貴様、ヴァニタスの使い魔か!?」
「はぁっ!? ちょ、違いますって、つーかそのヴァニタス?って人知らないんですけど!?」
ヴァニタスと言う言葉で兵士たちの目に敵意が宿る。ヒイラギは悲鳴を上げるが残念ながら信じてはもらえないらしい。
「それに、貴様祟られているな? そのような状態で我が国に入るとは…! 無礼にも程があるぞ!」
「やっぱりこの祟りって死ぬんですかね!?」
ころころと変わる話の内容についていけなくなったのか、ヒイラギが若干斜め上の発言をかます。
「ええい、話にならん! 連れていけ!」
一人の兵士のその声で二人の兵士がヒイラギの腕を掴む。
いきなりだったため、ヒイラギの中で先程草原で感じた恐怖が弾けた。
途端、ヒイラギを掴んだ兵士の腕がぴきぴきと凍り出した。
「ひぃっ!?」
「こ、氷属性!?」
次は兵士が悲鳴を上げてヒイラギから距離を取る。
その瞳には敵意と恐怖が爛々と光っており、ヒイラギ自身も自分が何をしたのかわかっていないのでその場は混乱を極めた。
「よりにもよって氷使いか…! 炎使いを至急集めろ!」
兵士の一人がそう叫ぶと、一人の兵士がその場から慌てたように走り出す。
「え、氷? なんで…オレがやったのか?」
自分を掴んだ兵士の凍った片腕を呆然と見つめてヒイラギはわけがわからないと呟く。そして、一つ後ずさりする。
後ずさった時に足をついた地面がぴきぴきと凍り出す。
「ば、化け物…!」
今までのやり取りを見ていた街人の一人が悲鳴を上げる。兵士たちも慌てたように後退を始める。
凍らせているヒイラギ本人も、酷く混乱しているため自分の足を中心に凍っていく地面を呆然と見つめることしかできていない。
ヒイラギ本人は自分が何をしているのか、どうして自分が辺りを凍らせているのか理解していないため凍らせるのを止めることができないのである。
ぴきぴきと地を這う氷は広がって行き、建物も凍らせ始めている。
「一旦退くぞ! 炎使いが集まり次第確保に移る! 一時撤退!」
兵士の一人が声を上げれば、兵士はわらわらと逃げ出す。
その場には悲鳴が響き渡り、街人も我先にと逃げ出していく。ヒイラギは自分の足と地面が凍り付いてしまっているため動けないのでその場に棒立ちになっているのだが。
「これはまた、随分と」
人がいなくなり、ヒイラギの頭がようやく正常に動き出した頃、凍った地面を滑る様に歩きながら一人のモンスターが現れた。
そのモンスターは一見人間にしか見えない男の姿である。耳には金のイヤリングが垂れ下がっており、金髪に緑の瞳。服はラフだが高価そうな材質の洒落たものを着ている。だが、よく見ると耳先が僅かに尖っており目も人間の瞳ではない。
「君、どこから来たんだい?」
にこにこと笑ってヒイラギの傍まで歩いてくるその男性。
「え、っと…別の世界、ですかね?」
若干困惑気味にヒイラギが答えれば、男性はふむ、と腕を組む。
「成程。君が導きの子か。」
「導きの子?」
「ああいや、その事は後程ちゃんと説明しよう。
さて、まずはこの氷をどうにかしないとね。
この世界で氷魔法は忌み嫌われた呪いの属性とされているからね。」
とんとん、と爪先で凍った地面を叩きながら男性は笑う。
「どうにか、と言われましても…なんつーかいきなり凍ったと言うか…」
自分が何故こうなってしまったのか分からないヒイラギは俯くことしかできない。
しかし男性は気にすることはないよと笑う。
「魔法は、誰しも失敗を繰り返して使いこなせるようになる。
制御できない時期の魔法は感情で発動されてしまう。今の君みたくね。」
「感情…」
にこにこと笑って簡単に説明を始める男性。
「そう。感情。
君はきっと怖かったんだろう。わけがわからないのに問い詰められ槍を突き付けられ、怖くなったのだろうね。
故に魔法が発動した。魔法は、自分を守るものだから当たり前のことだよ。気にしなくていい。
恐怖の原因に魔法の刃を向け恐怖を退ける。それは魔法を使う誰もが最初に通る道。
だけど、困ったことに君は自分が魔法を使えると知らなかったようだね。
だから、自分が凍らせたことに恐怖してしまった。本来自分を守るはずの力に恐怖してしまったから、守る力がどこに刃を向けていいのかわからなくなってしまった。
力の暴走ってやつさ。君が恐怖を感じなくなるまで、暴走した力は広がり続ける。それだけの話。誰も悪くないし、君も悪くない。
この力は怖くない、今この場に怖いものはないとゆっくり理解すれば自然と魔法は引っ込んでこの凍った大地も元に戻る。」
だから、深呼吸してこごらん、と男性は笑った。
ヒイラギはいきなりの説明に頭がついて行かなかったが、言われた通り深呼吸をする。
「この場所にはもう誰もいない。君と僕しかいない。僕は君に危害を加えたりはしない。
怖がるものはもう何もないんだよ。」
にっこりと笑い、ヒイラギに言い聞かせるように男性は言った。
その言葉もあってか、ヒイラギは大分冷静になれたらしく大地を覆っていた氷が徐々に空にキラキラと消えていく。
「君の魔法は、とても綺麗だね」
男性は空に散っていく氷たちを眺めながら笑う。
そしてああそうだ、と思い出したようにヒイラギを振り返り、
「自己紹介が遅れたね。
僕はアインデ。終わりの旅人、アインデだよ。」
にっこりと笑って自己紹介をした。
「あ、オレはヒイラギです」
ようやく動けるようになったヒイラギが遅れて自己紹介をすればアインデは笑みを深める。
「よろしくね、ヒイラギ。
さて、面倒なのが来る前に退散しようか。僕の隠れ家においで」
ついてきてね、と言いとアインデはタタッと駆け出す。
状況が今ひとつ正確に理解できていないヒイラギだが、今はアインデしか頼る者がいないため大人しくついて行く。
アインデを追う中、ヒイラギの頭の中にあったのは自分の繰り出した氷魔法の事だった。
いち早くこの魔法を制御できる様にならなくてはまた酷い目に会う、と言う事が今回の件でヒイラギの中に植え付けられたのだった。
一話一話がそこそこ長い為更新は不定期です。
そんな長くならずに終わらせる予定です。