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巫行076 調査

「なあ、この草は何に使えるん?」

 マスがアズサに尋ねる。

「それは(ヨモギ)。消毒に使うんやにー。若い芽やったら美味しいなあ。ぎょーさん使ったから、たらわんとなー」

「こっちのでかい葉っぱは?」

「名前は何やったかなー。赤くて丸っこい実が生るんさー。種はお腹治すのに使えるし、葉っぱはええ臭いするから、魚置いとくのにお勧めやにー」

「父ちゃんに教えたろ。こっちの木は?」

「それは(シキミ)やに。(ゴミ)棄て場の臭い消しにはええけどなー、絶対に食べたらあかん。毒やにー」

 村の塵棄て穴は酷い臭いだった。村の者にこれを使う様に教えておかねば。


「あっ、これは知っとる。福平(フクベラ)や。食べられる奴やな」

 マスが足元の葉に手を伸ばした。

「そやなー……違う! それは附子(ブス)やん! 食べれやんやん!」

 慌てて童男(オグナ)を制止するアズサ。附子は猛毒だ。

「やんやん? せやけど、うちで食べた事あるし……」

「葉っぱがよう似とるから間違うんさー。附子はなー、夏になると紫の花が咲くんやにー。福平は春に小さい白い花が咲くんさー。見分け付かん時は薬師でも避ける人が多いんやにー」

「ほんまか……父ちゃんよう採って来るんやけど……」

 マスは青い貌をして胃の辺りを擦っている。

村長(ムラオサ)様、恐い人やなー……。心配やし、村のへりこの草の事全部教えたろかいな」


 川へと続く山道を行きながら、村長の息子と草摘みに精を出す。

 草木の多くは毒だ。巫覡や呪術師等の薬事に長けた者以外は、決まったものにしか手を出さない。どの野山でも手当たり次第に口へ入れれば、一日と待たずに黄泉(ヨモツ)高天(タカマガ)かだ。

 マスと話をしながら草花を手にすれば、父親の腹痛の挿話が幾つも零れ出て来る始末。

 アズサは勿論、(キノコ)に就いても助言を授けた。幾つかの茸やそれが生えていたであろう木の幹の痕を指さし、あれは良くない、これは毒だと教えた。

 その度にマスは顔を青くしたり、首を傾げたりした。幸い、()しもの悪食の村長も(アカラサマ)に真っ赤なものや、夜中に光り輝く茸には手を出していなかった様だが。


「マスのお()やん、よう死なんかったなー……」

「うん。わいもよう今日まで生きとったな……」

 二人揃って肩を落とす。


 さて、二人の手が草花の汁で緑に染まった頃、川の(セセラギ)()が聞こえて来た。

 広く深い立派な川の傍には掘り下げた穴に建てられた小屋が二件並び、その前では傾き始めた陽を受けて輝く魚の皮が干してある。

 鱒獲りと思われる男達は収穫物の処理に追われている様だ。

「お、マスやないか? どうした? 村でなんかあったんか?」

 男の一人は少し不安気に訊ねた。

「父ちゃんが腹壊した。それと、旅の巫女様方がいらしとるねん」

「旅の巫女! 若い女か?」

 男は露骨な笑みを浮かべると手を擦り合わせた。

「せやで、こちらがその巫女様、アズサや」

 アズサを指し示すマス。男はアズサの存在に気付くと、何やら卑猥な感じの笑いを苦笑と取り換えた。

「確かに若いなあ。はは、残念や。処で、嬢ちゃんは独りで旅してはる……って事はないわな?」

「はい。姉様と守護神のゲキ様がいらっしゃります。姉様は身体を痛めて伏せってらして、鱒獲りの間に空いてる小屋を一つお借りしてまして」

 アズサは小屋の持ち主かもしれない男に頭を下げる。

「姉様が伏せっとるんか。そりゃ大変やなあ。明日には一旦村へ引き上げるけど、小屋は空けへんくてもええで。それと、鱒も御馳走したる。仰山獲れたからな!」

 男は川を指さす。幾つもの川に浸された編み籠が飛沫を上げている。

「はー……めっさおるなー。あれ全部釣ったんですか?」

 アズサが訊ねる。

「いや、釣りやなくて、直接捕まえるんや」

 抱きかかえる様な動作をする男。

「力持ちなんですねー」

「そのままやったら、暴れて(エラ)い大変やからな。うちでは“毒もみ”をやっとるんや」

「毒もみ?」

「川に毒流して魚を鈍らせるんや」

「そんな事して平気け……?」

 毒を吸ったものを口にすれば毒に冒されるのが道理だ。餌の虫を呑み込むのを嫌がるのとは訳が違う。

「一応、毒もみの前は村へ使いを走らせて水を使わない様に言うから平気やな。それに、毒は猿巫女に調合して貰った直ぐに抜ける奴を使っとる。ちょっと前から始めたんやけど、今の処は毒で苦しんだ人も居らへんと思うわ。下流にも付き合いの浅い村があるけど、特に揉めとらんな」

「そうですか」

 確かに、毒にはすぐ抜けるものは多い。それに何が毒になるかは生き物によって違う。

「最近は村長が鱒を沢山食べたがるから、新しい毒を験してな。猿巫女が珍しく、男の捧げもの無しに寄越してくれてん。こんだけ獲れるんやったら、礼をせんとあかんかなあ? 俺は厭やけど」

「新しい毒? ちょっと見せて頂けませんか?」

「ん? ええけど。巫女やし薬に(クワ)しいんか? 調合分かったら、こっそり教えてくれへん? 猿巫女に内緒で使いたいから」

「はい、お任せください」

 アズサは男を生贄にするよりはと思い色好い返事をして、男が持って来た毒の入った小さな壺を検めた。

「あっ、嬢ちゃん、触ったらあかんて!」

 男の制止を無視して指先で粘度の高い液体に“苦手(ニガテ)”の指を突っ込む。

 苦手の血筋か、それとも幼い頃から毒を扱い続けた所為か、アズサは人より遥かに毒に強い体質をしている。

「一滴で何匹も獲れそうやにー……」

「そ、そうやけど、大丈夫か? 触ったら指が痛くなる程の毒やで?」

 確かに、触っただけでは毒が強い事位しか分からない。心配する男を余所に、毒の付着した指を舌先に当てる。続いて舌の脇や奥にも当てて毒の成分を検めた。苦みに加えて僅かな甘み。

 アズサの舌と頭脳には、焙煎や日干し等を経ていても毒の素材の正体が分かる感覚が備わっている。

 確かに、これは水に薄く溶かせば大きな生き物へは後遺症も残さない類で、その内に効果も消える種類の毒だ。……が、問題が一点。


「この毒、つこうたらあかん」

「何でや?」


 アズサは鱒獲り衆を集めると、川原に穴を掘り、そこへ水を溜めて毒を一滴垂らした。

 濃い土色の雫は薄まり、透明に為って見えなくなる。


「この水を泡が立つまで火に掛けて下さい」


 男達は首を傾げながらも幼い巫女の指示に従う。

 器で(スク)って毒の溶けた水を熱した。

 すると、器の中の湯に上澄みが現れた。


「何か出て来たな……」

「この上澄みは毒です。火に掛けると別の毒が出てしまうんです」

「ほんまか。あの猿巫女め。飛んだ穴開きの器を掴ませてくれたな」

 男達は唸った。

「なあ、アズサ様。この鱒、若しかして……」

 別の男が心配そうに川を指さす。

「はい。身体にずっと毒の素を溜めたままに。火を通さなければ食べても平気ですし、上澄みの毒自体も大した事はありませんが……」

「うちの父ちゃんもこれに(アタ)ったんやな。一匹先に持ってこさせとったし」


――マスの言う通り、村長様の腹痛はこれが原因やにー。そやけど……。


「あの……この毒は、蟲を使わないと作れない毒なんです」

「蟲?」

「はい。(ハチ)を使います。蜂が毒の花の蜜を集めた蜜を使って作るんです。大した毒ではないのですが、治すにも同じ様に蟲を使った薬が要ります」


 何か引っかかる。毒と水を区別したり、濃度を調べる為に蜜でとろみを付ける事はあるが、この毒は元々色が付いている。

 蜂が毒花の蜜をここまで集める事は滅多にない。そこまで手の込んだ毒が偶然で生まれる筈がない。

 唯一つ、蠱術(コジュツ)で操られれば話は別だ。


「ひょっとして、猿巫女は(ワザ)と腹痛が起こる様にしたって事か?」

 男の一人が唸った。

「火を通さなければ毒は現れません。酢や塩で食べても平気なので、違うかもしれませんが」

「あー、アズサ。わい、分かった。猿巫女は態とで間違いないわ」

 声を上げたのは村長の息子。

「マス、何か知っとー?」

「父ちゃんが糸虫に中った時、治してくれたんが猿巫女や。わい、猿巫女が父ちゃんの失敗笑って皆に言い触らしとったんや」

 確かに村の女は村長が鱒に中った事を知っていた。

 詰まり、この話を知っている者の多くは村長と同じ(テツ)を踏むまいと、鱒を焼いて食べる可能性が高い。

「腹痛を流行らせて、仕事をしに来る心算(ツモリ)やったって訳か」


 男共は得心がいった様で、一様に口や眉を歪めている。

 アズサは首を傾げる。


――態々(ワザワザ)自分の仕事を増やしてどうするんやろかー? 腹痛を治して皆に褒められたかったんかいなー?


 ミサキから巫術を学んだ際、当然、呪術や呪術師に就いても教えられてはいた。平和で、流派が統一され体系化された故郷では、他人を悪意の呪いの晒す機会はない。だが、霧の里の外では他者を操る為に呪術を扱い、自身の霊験不足を補う為に毒に頼る者がいると聞いた事がある。

 だが幼い巫女には、猿巫女が何の為に自身の手間を増やしたのか、もう一つ見当が付かなかった。


「何でそんな事しはるんやろなー」

「何でってそりゃなあ……」

 男は口籠った。

「はー。ほんまに猿巫女は。危うく、股が痒くなる処やったわ。最近、俺達が余り猿巫女に頼らない様にしとるから、溜まっとったんやろな」

 他の男が答えた。

「溜まる?」

 アズサが訊ねる。

「ああいや、大人の話やから。アズサ様は気にせんとって」

「はい?」

 何の事だろう。アズサはまたも首を傾げた。


 溜まるといえば穢れ。穢れといえば夜黒ノ気(ヤグロノケ)。穢れが蓄積して黒き気を纏う様に為れば、里で見た鷹の様な事が起こる。

 穢れ、巫女の不審な行動、そして何より生贄。


――若しかして! 猿巫女は穢神ノ忌人(サグメノイワイビト)け? 

 黄泉(ヨモツ)の使いや悪い神様が絡んでるんかもしれへん。

 ゲキ様が言うてたなー。鬼や黄泉の者は気配を隠すのが上手やって。これは、もっと良う調べた方がええんちゃう?


 アズサは腕を組んで唸った。


「あーあ。沢山獲れたと思ったのになあ。他の魚もあかんやろなあ……」

 男が苦笑いで川を眺めている。他の男達も残念そうに鱒の処分を相談し合っている。

 糸虫に気を付ければ、生でも食べれなくもないが、村の者はきっと嫌がる。酢締めか塩漬けにするには量が多い。山奥では塩は貴重だ。

 ……と為れば、余分な分は殺して埋めてしまうしかないだろう。


 アズサは川の水に手を差し入れ、毒が流れた事を検める。

「下流には村が在りませんか?」

「あ、あー……遠いけど在るなあ。付き合いは薄いけど、俺等の失敗で腹痛にさせても可哀想やしな。やっぱり余った鱒は埋めるか。使いも出して報せとくわ」

 男が溜め息を吐いた。



『鱒を埋めるなぞ、許さんぞ……!』

 突然、霊声(タマゴエ)が響いて来た。師のものとは別の男声。



「今、何か聞こえへんかった?」

 マスが首を傾げる。

「霊声がしたなー。あっちの方やに」

 アズサは下流を指さす。すると、大きな飛沫を上げて、川の中から何かが急速にこちらへ向かって来るのが見えた。

「な、なんや!?」「めっちゃでかい鱒や!」

 男達が驚きの声を上げる。


 水弾く轟音と共に現れたのは巨大な鱒。

『人間共め、川に毒を流した挙句、感謝も謝罪も無しに魚達を棄てようと言うのか!』


 鱒はアズサ達の目の前で川から飛び出したかと思うと、何と空中で制止した。


「ひえっ、鱒のお化けや!」

 男の一人が頭を抱える。

「……なあ、アズサ。あれって川の神様やったりせえへんか?」

 マスは気丈にも怪魚を見上げながらアズサの肩を突いた。


 強い気配は感じる。でも神気(カミケ)ではない。()して、夜黒ノ気(ヤグロノケ)を纏っているという事もない。

「神様とちゃうなー……。大きな鱒に精霊が宿ってはるんちゃう?」


『ほう、肝の座った子供達だ。娘の方は若しや巫女か? 我はお前の見抜いた通り、川の(ヌシ)の身体に宿る水の精霊だ。後一歩で神と成る身でもある』

「神様の卵かあ。恰好ええやん!」

 童男は興奮して一歩踏み出した。(アマツサ)え、手を伸ばして触ろうとしている。慌ててアズサは引っ張り止めさせる。

「失礼したらあかんやん。神様に成らはるんやから」


『悪い気はせんが、手を触れるのは止してくれ。それはさて置き、我は神では無いものの、この川の主である。他の魚達が毒を流され続け、大変迷惑をしておる。長きに渡り堪えて来たが、ここ数日に至っては更に強い毒を使い乱獲を始めた。最早捨て置けぬ故に、文句を言いに参った』


「な、なあアズサ様。あの魚何しに来たんや?」

 鱒獲りの男が恐る恐る訊ねる。彼には魚の声が聞こえないらしい。

「川に毒を流すのは止めて欲しいって仰っています。あれは、川の神様の卵なんです」

「ほんまか……困ったなあ。毒無しに鱒獲るのはしんどいし、この季節やと、うちの村は食いもんは鱒に頼り切りやねんけど……」

 男は弱り果てている。

「主様、村の人達も魚が獲られなくなれば暮らしてゆかれないと言っています」

『そんな事は分かっておる。だが、我は川の主だ。川の生き物の為にある者。魚を始めとした水の生き物達が困っておる。お前達が流す毒の所為で、小さき生き物の子には耐えられず死んだ者だっておる。皆、我慢の限界なのだ』

「我慢出来へんかったらどうなるん? 川が溢れたりするんやろか?」

 マスが首を傾げる。

『精霊止まり故、そこまでの力は持ち合わせとらん。精々、お前達の内の一人か二人を丸呑みにする位だ』

「言う事聞かないと丸呑みにするって仰っています」

 アズサは主の意思を伝える。


「何とか収めて貰えんやろうか。丸呑みにされたら怖くて川に近寄れん」

「いいや! 逆にあいつも獲って食べたらええやんけ!」

 男達が騒ぎ始めた。


『悪いが、川の者の為だ。喩えこの身が朽ち果てようとも、我は川を護るぞ』


 そう言って川の主は宙で泳ぐ様な動作を見せたかと思うと、男の一人に向かって飛び掛かった。


「止めりー!」

 アズサは腰の弓に手を掛けて構えた。

 己の音に命ずるは調和ノ霊性(ノドミノタマサガ)。声を矢にして飛ばす術。だが、まだ撃たない。霊気(タマケ)を練り上げるのみに留める。


『……抜かったわ。これ程に力のある術師が居るとは思わなんだ』

 脅しは効果があった様で、魚は男の顔を半分口に納めたままで制止した。男はしゃがんで悲鳴を上げ、魚の口から脱出する。


「お話を聞いて下さい。私の術は目にも止まらぬ程早い矢を撃ちます」

 音矢ノ術(ネヤノジュツ)は直線限定ではあるが、同条件為らば、あの姉の水弾に匹敵する威力と速度を持つ術だ。

『分かった。我も無意味に死する気はない。力ある者の提案を聴こう』


――こういう時、姉様やったらどうするやろか?


 姉は優しい。只暮らしを営む人の不幸を決して見捨てない。同じく、川や森等の自然へも気を払っている。我の強い神には力を示す事もあるが、基本的には(ナゴ)みの姿勢だ。私はあの水分(ミクマリ)の巫女の弟子で妹。剋さず、(ノド)ませる法を考えろ。


『どうした? 意見は無いのか? 只の脅し為らば、矢張り一暴れと行こう』

 また泳ぐ動作。


 アズサは取り敢えず短い発声と共に光り輝く音速の矢を川向こうの森へ向かって放った。弦の調べと共に空気を押し退ける霊気の風。

 太い木が一本、幹を爆ぜさせて倒れた。

 森の奥へと消える音の震え。意図的に多くの霊気を込めた一撃。鳥や獣を獲るだけならもっと少ない力で充分である。


「凄え……」

 目を丸くするマス。男共も感嘆の声を上げている。

「なあアズサ。巫女に成ったらそんな事も出来る様になるんか?」

「え? こーっと、これはちょっと特別な術やから、あかんかもしれん。そやけど、才能が有れば火や水を操る事も出来るかも知れへんなー」

「へー! 呪いや薬だけやないんやな! よっしゃ、決めた。わい、巫女に成るわ! 格好ええもんなー!」

「霊感あるみたいやから、無理やとは思わんけど……」


『おいこら。生殺しにする気か。お前が我を簡単に屠れる事は分かったから、早く意見を言え。我は果てる用意が出来ているぞ』

 川の主は怒りと哀しみの混じった霊声を上げた。

「こ、こーっと。なっとしよ……」

 困った。帰れと言えば一旦は引き下がってくれるだろうが、後日また来るだろう。

 とはいえ、精霊は草木や水、土等に宿る霊気が凝縮されて意志を持ったものだ。斃してしまえばこの地の力が弱まってしまう。回り回って生き物が減るだろう。

 水分の巫女の名を出せば水の精霊は聞く耳を持つだろうが、今の姉を床から動かす様な事は出来ない。


「なあ、アズサ。わし、意見言ってええか? めっちゃええ考えあるんやけど」

「な、なとな?」

 自分よりもやや年上の少年の顔は自信に満ち溢れていた。

 他の男共は震えているか、巨大な主を捕まえる心算か両腕を広げた構えを取っている。


「わ、分かった。頼むさー」

 アズサは藁にも縋る思いでマスに答えを任せた。


「よっしゃ……! 川の主様、聞いて下さい!」

 マスは鼻を擦ると一歩前に出て、両手を精霊に向かって伸ばした。


「わしが巫女をやるんで、主様は神様に成って下さい!」


******

へりこ……辺り、周り。

毒もみ……毒を流して魚を弱らせて獲る漁法。基本的には自然界にある短時間で抜ける毒を用いる。

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