タナトスの揺籃
あれは私が親に叱られて腹いせに家を飛び出した時でしょうか。当時はまだ高校二年生でした。高校生で家出なんて、そう思うでしょう? 今は立派な社会人ですがあの頃はまだ子供だったのです。
何について怒られたのか、それはもう忘れてしまいましたがあの建物は忘れもしません。ええ、建物です。家出をして、行く宛もなくてぶらぶらと夕陽が地平線に沈み始めた頃、人気のない寂れた道中にポツンと建っていたのです。塗装が剥がれて剥き出しになったコンクリート。地上から見る限り無事な窓なんて何処にもなく、所々が錆でデコレーションされた建物はまさに廃墟でした。もう人を呼び込むことのない看板には辛うじて「病院」の二文字のみが読み取れました。
あの時、私はちょっとした出来心で建物の中へと足を運びました。と言うのもちゃんとした理由がありまして。建物の中に入れるという状況とちょっとした肝試し気分、どうせなら明日の話のネタにでもしようと、そんな考えがあったのです。家出だったので早く帰る必要もありませんでしたし。
建物の中は外装の凄惨な状態を裏切りませんでした。ひっくり返ってしまった長椅子、配線の切れた電話。割れてしまって中身が飛び出している自動販売機から飲み物を取り出して消費期限を見ると、この光景ができたのは随分と昔だというのが分かりました。
二階、三階と階段を上っておっかなびっくり進みました。それもそうです。こんな光景、ホラー映画でしか見たことがなかったのですから。一体どこから幽霊が出るのかと震えていました。
そんなことを思っていたからでしょうか。五階を登りきり、廊下に出た私はふと人の気配を感じ取りました。本能の赴くままに一室を目指した私は504号室の扉で立ち止まりました。直感が告げていました。
そうしてガラガラと音を立てた私はそこで固まってしまったのです。
「音のない世界では色が美しく見えてしまいますね」
とても粗末な部屋でした。いえ、他の病室と同じ光景でした。唯一の違いと言えば窓の側に置かれた今にも壊れそうなベッドの上で一人の男性がいたことでしょうか。男性は上半身を起こし、背もたれに体を預けたまま空を見上げていました。男性の言葉は私に向けた、と言うよりも呟きに近く感じました。
「誰、ですか」
面白いもので、人は緊迫した状態では典型的な言葉が口を出てしまうようです。私は幽霊のような彼の姿に怯えてしまいました。こんな、中途半端に爆破活動が行われたような廃墟で、そんな所にいる彼がひどく非現実的な存在に思えたのです。
「誰でもありませんよ。何処にでもいる、ただの患者です」
その男性はゆっくりとした動作でこちらを向きました。確かによく見れば男性は薄い青の患者服に身を包んでいました。ですがその顔は、死人のように白かったのです。きっと月明かりが白く見せているだけだと、私はそう思うことにしました。
「こんな所で何をしているのですか」
「見ての通り療養中ですよ」
つい私は眉を潜めてしまいました。こんな所で療養なんてできる筈がありません。人も、機材もない廃墟で。
そんな怪訝そうな表情に気付いたのでしょう。男性ははは、と笑いました。
「嘘だと思いますか」
「……正直、はい」
「そうですか。いえ、そうでしょうね。確かにこんな所で療養なんてできる筈がないですね」
そう納得した男性は訂正します、と言いました。
「死を待っているのですよ」
私は先ず、彼の頭の心配をしました。一体何を言っているのかと、大丈夫なのだろうかと。
「どういう意味ですか」
「そのままの意味ですよ」
「死を待っているのですか」
「はい」
とても巫山戯ている様にしか感じられませんでした。でも、それでも何故か納得しそうな心地になったのです。今思い返しても不思議な感覚でした。
「どうして死を待っているのですか」
「それは……」
初めて男性が口を詰まらせました。それから苦笑いにも似た表情で答えました。
「……それは、家族に迷惑をかけたくないから、でしょうかね」
「家族がいるのですか」
「ええ、まぁ」
「なら、どうして貴方の家族は貴方をこんな所に置いているのですか」
「家族に迷惑をかけたくないからですよ」
男性は先程と同じく言いました。
その言葉にやはり私はどうしてか問わずには居られませんでした。不思議なことに、私はまだ彼と会話する事を望んでいたのです。きっと、普通なら彼に会った時点で私は逃げているはずでした。声を上げて。でも、私は好奇心が人一倍ある方でして、この男性の会話に好奇心が勝ったのでしょう、恐怖はそこまでありませんでした。それに、しっかりと会話出来ましたから。
しかしながら、正直私は「察する」と言う能力に欠けていました。それに加えそこまで頭が良くはありません。普通、テストなら真ん中より少し下にいるような人です。だから私は彼の言葉の真意が掴めず、「どういうことですか」なんて不謹慎に聞いてしまったのです。だと言うのに、男性は特に気を悪くするでもなく、あまつさえ私に「どういうことだと思いますか」と質問にしてしまったのです。
「……分かりません」
「おやおや、直ぐに分からないと答えるのは宜しくないですよ。何でもいいからこれだと思うものを答えてみてください」
先生のような返し方でした。でも、分からないのです。とても、判断材料がないのです。仕方なく私は苦し紛れに導き出した答えを口にしてみました。
「治療費、ですか」
治療費なんて此処ではかかるはずもありません。病気で、家族に迷惑をかけたくないとなればそれぐらいしか思いつきませんでした。
「大まかには、そうですね」
「大まかには?」
「はい。とはいっても実質正解でしょう。僕は、ちょっと難のある病気でしてね、今の時代では治療が不可能な病気なのですよ。それを分かっていながらのうのうと死ぬまで療養生活を認められなかった僕は、この病院に移させてもらったんです」
今一度部屋を見まわしてみても病院には見えません。埃をかぶった椅子も、脚が折れているテーブルも、割れて飛び散った花生けの瓶もすべてが証明していました。ここは紛うことなき病院跡だと。
「もっとも金がかからない病院……このような場所だと分かっていながら僕は此処に来ました」
「ですが、苦しくないのですか。此処は何もありません。病気よりも先に飢えてしまいます」
「それならそれで幸運でしょう。何せ治ることのない病気と長く戦う必要がなくなるのですから。それに苦しいのは分かっています。苦しいから選んだのです」
男性は何か、夜の湖畔を揺蕩う小舟のような静かな目をしました。
「何も無い生涯。本当に自分がこの世界に生きていたのか分からなくなるほどに何も無い生涯。だからこそ僕は、せめて自分はこの世界に生きていたのだと、それを証明するためにもっとも苦しむことにしたのです」
「はは、まるで物語の登場人物のような言い草なのですけどね」と付け加えました。その時の私の顔は一体どうだったのでしょう。きっと顔を強ばらせていたに違いありません。この男性はとても嘘を言っているようには見えませんでした。その内容は余りに現実離れしているのですが、彼の目はしっかりと私に語っていたのです。ここで私は、この男性が「死を待っている」と言った言葉の意味を理解しました。
「そう、ですか」
何も言えませんでした。言えるはずもありませんでした。寧ろ罪悪感が心を蝕み、男性の顔を見ることができませんでした。高校生にもなって家出したなんてそんな下らない生き方。彼ならきっともっと素晴らしい使い方ができたはずです。
たった一言そう述べ、何も言わなくなった私に男性はその原因を知り、曖昧な笑みを浮かべました。だから私を気遣ってでしょう。男性は話題を私の方へとシフトしました。
「ところで、貴方はどうしてこんな所に?」
「それは……」
言葉を詰まらせた私に男性は「話してくれませんか」と穏やかな声で言ってくれました。それで私は話す勇気を得ました。
私が親と喧嘩して、その腹いせに家出したこと。偶々目に付いた建物が此処で、建物へ入ることが出来るのを知って私情を従えて入ったこと。おっかなびっくり進んでいたら男性にあったこと。たったそれだけのことなのに、とても長く感じられました。怒られたりしないかとビクビクしていた私は、ですが目を閉じて穏やかな顔のままの男性を見て内心安堵しました。
「……ああ、素敵ですね。しっかり生きていることが分かります」
そして予期していた言葉と正反対の言葉に私はついえっ、と言葉を上げてしまいました。
「そんなことありません。こんな時間の使い方はとても勿体ないです」
「それこそありません。しっかりと人と話して対立して、喧嘩して、自分を慰めようと家を出て、明日の為にここへ来たではありませんか。貴方の物語にはしっかりとその風景の描写がされて頁を築いているはずです。僕の物語なんてものは、三人称の視点から書かれてしまうと殆どが会話で構成されてしまうでしょう。時間の使い方がなっているのはその三人称視点でも会話以外の文が多いものなのですよ。たった生活のひとコマでも何頁にも渡って綴られる、例えばそのようにね」
「僕には決して叶わないことです」と言う彼の声には諦観が混じっていたように感じられました。たったワンシーンなのに何頁にも渡って綴られる話。恐らくはこの男性はそんな話を作りたかったのでしょう。でも、それは叶わないから。だから彼は憧れを持って、羨望の気持ちで「素敵ですね」と口にしたのでしょう。
「でも、延々と続く会話のような物語にも憧れがありました」
悲しい声でした。
あの時、私はなんと言ったのでしょうか。それだけは昔のこと過ぎて思い出せません。ただ、あの後男性が笑い声を上げたのは覚えています。そして「貴方は優しいのですね」なんて言うのです。しかし私は「そんなことありません」と否定したものです。まだまだ高校生。優しいとか素敵とか言われることに憧れがないわけではありませんでしたが、馬鹿正直に受け取ることが出来るほど真っ直ぐな性格をしていませんでした。
「私を見て恐れず、親身になって会話をして下さり、共感してくれている。これを優しさと言わずなんと言いましょうか」
あの時の言葉だけは今思い返しても慣れません。背中がむず痒くなるような錯覚があるというのに、何処か温かい気持ちになるのです。
「よければお名前をお聞きしても良いでしょうか」
「は、はい。私はーー」
不用心なものです。見ず知らずの人に、それもこんな怪しい場所の人間に名前を名乗るなんて。そう思うでしょう。でも、心の何処かで大丈夫だという確信がありました。
えぇ、それからは特に話の続きを話す訳でもなく、男性の「もう少しだけ、お話してくださいませんか」という言葉に快諾して短い夜を過ごしました。
男性との会話は不思議なものでした。いくら聞いても、いくら話しても、全く飽きることがなかったのです。もしかしたら、あの空間の特別感に酔っていただけかも知れません。若しくは……そうですね、恋をしてしまっていたのかも知れません。
……え、いきなりすぎて驚いた? ふふっ、そうですね。確かに、驚かれたかも知れませんね。どうしてまだ会って間もない見ず知らずの、それも名前すら知らない男性に突然恋をしたのか。そんなもの、理屈の問題ではないのでしょうけどね。
私にとっては、彼の持つ雰囲気は他の人にはないものでした。ドロドロした世界を這うように生きていく私達に対して、彼は遥か上空の空を悠々と泳ぐ雲のように涼やかで、まるで一緒にいることに苦しさを覚えませんでした。ただ在るだけで、ただ声を聞くだけで、私は魅了されてしまったのです。
それからは毎日の様に私は彼の許を訪れました。
実は男性からは特にまた来てほしいとも言われていませんでしたが、私が忘れることが出来なかったのです。そして彼の許へ訪れては最近の世情や彼の知らない知識を披露しました。
男性は知的好奇心の強い方でした。冥土の土産に様々な知識を持っていきたいと彼は冗談めかしていましたが、あの病室に移ってからまともな情報が得られなかったせいで少々欲求不満に陥っていたのでしょう、私の話は真剣に聴いていたのです。その姿に私も調子に乗ってしまいまして、一度徹夜しかけたことがありましたね。あの時は親に何処に行っていたとこっ酷く怒られたものですが、私に後悔はありませんでした。
これだけだと私が一方的に話しているように感じますが、男性もまたよく喋る方でした。それも話題となるものはいつも私の興味を引くものばかりで。自然会話も長引いてしまいました。
……ただ、彼は日が経つにつれて口数が減っていきました。それもそうです、彼は私と会ってからずっと何も食べていなかったのですから。私だって食事を持ってきたり食べてはどうかと勧めてみました。ですが、その度に彼は「どうか死を迎えさせてください」と儚げに笑うのです。これでは無碍に出来るはずがありません。どうせ無理に詰め込んだって吐き出してしまうのでしょうし、私に出来るのは心配くらいでした。
……えぇ、最期、ですか。
そうですね、それは……少し、お時間を頂いても?
……。
…………。
……はい、大丈夫です。えぇ、別に無理はしていませんよ。
私と男性との日々に終わりが訪れたのは初めての邂逅から一週間後のことでした。
その日も、私は学校終わりの服装のまま一目散に男性の許へ訪れました。それは既に昨日の時点で殆ど喋れないほどに衰弱していましたから心配で仕方なかったのです。
そうして黄昏も佳境に差し掛かった頃、私はあの病室に立っていました。
そこにはいつも通り、彼の姿がありました。ゆったりと揺れるカーテンの下、粗末に感じる質素なベッドの上に。ですが、何か様子がおかしいのです。いつもは感じる彼の微かな気配が全く感じられなかったのです。
病室の風景は何も変わっていませんでした。いつも通りの薄暗さ、いつも通りの蒸し暑さ。夏も盛に入ろうとしているのに、ですが今日は震えるほどに寒かった記憶があります。それはきっと体温的なことではなかったのでしょう。
男性は眠っていました。
げっそりとした頬、青白い肌、完全に痩せこけた腕。思い出せば出すほど鮮明に思い出されます。
口許に手を当てても耳を近づけても彼の息遣いを感じることは出来ませんでした。腕の脈を測っても、心臓に耳を当てても、彼を大声で呼んでも。もう、男性が反応を起こすことはなくなってしまったのです。
時が止まったかのように感じました。何時起きるとも言えない永遠の眠り。世界が一瞬で灰色になったかのような、耐え難い絶望が心を覆いました。
男性は眠ってしまったのです。起きることがなくなってしまったのです。
そして全てを理解した私は力が抜けたかのように崩れ落ちました。涙はまだ流れませんでした。それよりもまず非現実な結末に絶句していたのです。
心の何処かでは期待していたのです。あの日からずっと、私にとって非現実な存在であった彼はずっと死なないのではと。こんな考えをすること自体が非現実であるのに、私はそれを現実として、あまつさえ彼の死を非現実なものとして見なしていました。
でも、やはり彼は人間でした。幽霊でもなんでもない、一人の人間でした。
ぐるぐると回る思考と負の感情、積み木を高速で整えているような脳内で、漸く私の目から涙が流れました。
泣き声にもなりませんでした。小さな嗚咽に絶望の色を混ぜて、ただただ嘆きました。
たった一週間の短い関係でした。誰から見ても理解出来なかったことでしょう。あって間もない、名前も知らない男性に一体何故そんなに悲嘆するのかと。えぇ、そうです。私は彼の名前を知りませんでした。彼は私の名前を聞きましたが、私は聞かなかったのです。もし、名前を聞いたら離れなくなると本能が察していましたから。
それでも私には何者にも変え難い余りに幸せな日々であったのです。すんなりと忘れることが出来るような日常ではなかったのです。
男性の体はまだほんのりと暖かいものでした。もしかしたら私が来るのを待ってくれていたのかも知れません。最期の声すら聴くことが出来なかった後悔は未だに心の中で燻っています。
ふと、気付くと男性の眠るベッドの上に一つの便箋が落ちていました。昨日まではなかったものです。すぐに私は内容を察し、二つ折りになっていたそれを開きました。
予想通り、それは彼の遺言でした。書いた時期はそんな前のことではないでしょう。字はあまりに薄く乱雑で、手に力が入らなかったであろうことは容易に想像出来ました。それでも諦めずにしたためた彼の言葉を私はかぶりつくようにして読みました。
やがて読み終えた私を襲ったのは、えもいえぬ寂しさでした。彼に会いたい、彼と話がしたい、ただそれだけが私の欲求を刺激していました。けれど、出来ない。その事実が苦痛で、だから何度も何度も彼の遺言に耳をこらしたのです。
内容は彼らしいものでした。遺言とは言えないような陽気な挨拶から始まり、まるで文通を交わしている最中の一つのようでした。そちらは元気ですか、とかこちらはぼちぼちですとか、まるで天国の彼が私に手紙を寄越したように感じました。
唯一遺言らしいものといえば、最後に記されていた遺体の処理についてでした。
彼はこう記しました。
「このまま朽ちさせてください。僕はもう無の住人です。すべては自然の赴くままに。それで僕の体に蛆虫が蔓延ろうと、それで蝿が私の周りを泳ぎ回ろうと、僕はそれを望もうと思います。きっと、貴方は不思議に思うでしょうね。若しかしたら、貴方は僕の願いを拒むかも知れません」
まったくもって分かりませんでした。男性がこんな言葉を遺した理由も、それを望む意味も。
そして、私を信頼してくれない理由も。
確かに私はできることなら男性を土の中で安らかに休ませてあげたかった。家族に見舞われて、静かに死後の世界に旅立って欲しかった。でも、彼の最期の言葉を破る程に私は彼に善意を押し付ける気にはなりませんでした。いえ、惚れてしまった男性の言いつけを破ることなんてできなかったのです。
「これは僕の我儘です。理由なんてありません。ただ、そうしたかった。それだけのことです。さて、どうやら記せる言葉にも限りはあるようです。
それでは、また会える日を願って」
不思議な終わり方でした。また会える日なんて、そんなものあるはずがないのに。男性を輪廻転生を信じていたのでしょうか。今では知る術のない謎です。
でも、いつか会えるなら。そんな願いが私にもありました。
また会える日があるなら。それなら、今を生き続けて、また彼にあった時、笑顔で私の人生を話そうと、そう思えたのです。
さて、これが私の何でもない、不思議な話です。作り話のように感じたでしょう? 私も同じ気持ちです。自分の人生なのに、どこか非現実的で。実は夢を見ていただけ、妄想と現実が混同してしまっただけなのかもしれないと今でも時々思います。ですが、私の手元に残された遺書が、彼の細かな筆跡が、私の人生は現実だと揶揄するのです。
結局、男性が誰かというのは分かりませんでした。どこからやってきて、どのような難病を抱えていたのか。家族は何処にいるのか、誰がここに運んできたのか。
そして、名前すらも。
でも、それを男性は望んでいるのかも知れません。
知られたくないことだってあるでしょう。知ったところで意味の無いこともあるでしょう。死んだ後に色々とほじくり返されるのなら、何も分からない怪しい男性のままで良かったのかも知れません。
私もそれで良いと思うのです。
私にとってあの男性は謎に包まれた不思議な人物です。そのベールを無理に剥がしたってなんの得にもなりません。惚れた男性の秘密を解き明かしたい、なんて乙女心もありますが、私にとってはあれこそが私の好きな男性なのです。
だからずっと、私は彼の事を知らないまま想い続けるのです。