3-6 疑惑のDゲームらしいですよ(6)
ゲリラ更新。お久しぶりです。
「マユマユはゲームが得意なのだな」
「はいっ! えーと、動機としては酷い方だと思うんですけど、ゲームをするのが大好きなんです! だから将来それをお仕事に出来たら良いなーって思ってて……って、やっぱりこんな動機で実況者を目指したらだめですよね」
最初は楽しそうに、だけど動機の話に入ってから苦笑へと変わり、そして最終的にはションボリとした表情に変わるマユマユ。
一回のセリフでここまで表情が変わるとはな、中々に見ていて面白い。
声も可愛らしくて滑舌が良い。ゲームの腕も凄そうだし、これは何かきっかけがあれば大成するかもしれないな。
「そんな事はない。重要なのは動機ではない、それが何であれ必要とされるのは己の動画を見てくださるお客様が楽しんでくれるという事だ。自身で雑魚と言っていたが、それでも十の視聴者がいるのであろう? 楽しそうにゲームをしているマユマユの動画を見てその者たちは喜びを得ているという事実。重要なのはそこなのだ」
なんだか上からものを言っている感じになっているけど、実際そうだと思うんだよな。
例えばお客様の事なんて考えてなくて利益の事しか頭にないお店があったとしても、そこに通っているお客様がその内容に満足していたら問題ないと思うんだ。
接客が悪かったり味だとサービスが悪くてもお客様が満足してればそれで十分なんだ。
まあ、明らかに違法性のある内容とかだったらだめだけど、動機なんてどうでも良いと思わないか?
「えへへ。ありがとうございます。同業者さんにそう言って貰えると嬉しいです先輩!」
「……む? 今なんて言ったのだ?」
「へ? あ、えと……その」
突然しかめ面になり声色も変わった大河に対して、明らかな動揺を見せるマユマユ。
若干泣きそうになっている彼女だったが、覚悟を決めたかのように凛々しい表情を浮かべると、深々と頭を下げた。
「ごめんなさい! 私みたいな低レベル実況者に先輩だなんて呼ばれたくないですよね! ですがこうして出会えたのは何かの縁だと思うんですっ是非勉強させて下さい!」
つまりマユマユが言いたいのはこういう事だろうな。
先輩と言う呼称は下から目線の相手を上に見ている時の呼び方だが、しかし上に見ているとは言えそこまで大きく離れた場所にいる人ではない。自分のようなあまりにも低い立場の奴に先輩呼びをされても不愉快だろうと。
確かに学校の校長先生相手や社長さん相手に先輩だなんて言ったら不愉快感を与えてしまうだろうな。
大河の様子から怒らせたと思ってる必至に謝ってるって事か。
正直言ってこちらとしてもこの先マユマユと共に行動したいと思っている。
ここは俺もマユマユにバレないように大河を説得するべきだろうな。
……まあ、その必要があればだが。
「何を勘違いしているのだ! 私は今歓喜の想いに溢れているのだ!」
「へ?」
大河の発言に下げていた頭を思わず上げ、目を点にしているマユマユ。
「実況業界は今や人気職。競争の激しい世界だ。その中で言えば我々[トラウマ]はまだまだ下級クラス。そんな私たちに対して先輩という呼び方をしてくれるとは、感激の極みっ!」
どつやら大河が喜んでいるのはマユマユにも伝わったみたいなのだが、あまりにも興奮しているせいでそれを見ているマユマユは反応に困っているみたいだな。
こいつはあれだ、しゃーないって奴だ。
「勉強させて欲しいと言っていたがそれは私の方からも是非お願いする。マユマユのゲームスキルやその愛らしさを是非勉強させて欲しい」
「そ、そんな愛らしいだなんて……」
頬を赤らめてモジモジとした動きをするマユマユ。
同性だからこそ発動するベタ褒めだな。
もしも異性である俺がやったら風評被害待った無しになるんだろうな。イケメンなら例外になるんだろうが。
それにしてもあれだな。照れてるマユマユマジ可愛い。
こちらでのサイトでの見やすさを重視するため少し書き方を変えました。




