仲間
【俺】との対話を終えて目を覚ます俺
【俺】から言われた事を思いつつ日常に歩を進めるのだった。
ここから割とリア充爆発しろ!な展開多々あります。読む際には息切れ、動悸に注意のうえお読みください。
「・・・朝、か」朝の日差しがカーテンから漏れ顔を照らす。
「ッ!?会社!寝過ごした!」俺はベッドから起き跳ねた。すると、「キャッ!?」と横から少女の声が聞こえた。
俺が声のする方を見るとそこにはミアが椅子に座ったまま体を硬直させて驚いていた。
「あ、悪い。驚かせたな。」俺はミアに謝った。
「え、あ、うん。大丈夫。」ミアは体勢を直して俺を見た。「まだ体の調子良くないの?」とミアは俺の体を触って確認する。
「いや、大丈夫だよ。ミアが看病してくれたからね。」俺はそう言ってミアの手を握って答えた。
「そ、そんな事無いよ。わ、私はただタオルを交換しただけだし」と顔を真っ赤にして俯いたまま小さな声で話す。
正直に言おう。可愛い。素直にそう思った。この感情はユウトの記憶、感情、意思とは別の意思だと思った。
「さて、とりあえず体を動かしたいな。」俺はそう言ってベッドから降り立ち上がろうとする。
「あ、まだダメだよ。」とミアが声をかけようとするが遅かった。
長い事ベッドで横になってたからだろう。足に力が入らず、ミアを押し倒す形で倒れてしまう。
「いってぇー。悪い、ミア」俺はそう言いながら体を起こそうとする。すると柔らかい感触を手に感じた。見ると俺の右手がミアの胸を掴んでいた。ヤバイ!そう思った瞬間
スパーン!と右の頬に痛みが走り、「あふん。」俺は情けない声を出して床に突っ伏した。
「もう!ユウトの変態!まだ体が本調子じゃ無いのに立ち上がるからだよ!」とミアは顔を真っ赤にしながら、胸を押さえている。
「いや。今のは事故だ。俺は悪く無い。それに中々、触り心地は良かったぞ。」と言った瞬間
「バカーー!」家が揺れる程の叫び声と共にスパーンと左にも痛みが走る。すると、隣の部屋から声が聞こえた。
「どうした!」と声を出しながら入ってきたのは真紅の髪を肩まで伸ばしている女性だった。彼女は俺とミアを交互に見てこう言った。
「貴様。死にたい様だな。」彼女は腰に据えた剣を握り俺の顔を踏みながら答える。
「クラナ!ストップ!ちょっと待った!まだ死にたく無いっす!」俺に名前を呼ばれた女性は クラナ。この村で一番腕の立つ剣士だ。
「ほう?弁明があるなら聞くが?」クラナは剣を俺の喉元に突き立てる。「あばばばば。」俺がどう切り抜けるか考えていると、ミアが助け船を出してくれた。
「クラナ、ユウトが立ち上がろうとした時に倒れてきて、咄嗟に叩いただけだよ。」とクラナに説明をする。
「なるほど。なら最初からそう言えば良いじゃないか。」クラナは納得してくれたのか剣を仕舞いこちらを見る。
「さ、流石に喉元に剣を突き立てられたら正常な思考はできないって。」俺はそう言いながらゆっくり立ち上がる。まだ上手く立ち上がれないが何とか体を起こす。
「大丈夫?ユウト?」ミアが俺を支えながら顔を覗き込む。ミアの顔がすぐ近くにある。心臓がバクバクと高鳴る。
「あ・・・あぁ、大丈夫だよミア。」俺は目を逸らしつつ答える。するとクラナがため息を吐きながら割り込んでくる。
「はいはい。イチャつくのはそれまで。そろそろご飯の時間だよ。」クラナはそう言いながらミアを連れて部屋を出て行く。
「い、イチャついていないよー!」ミアは顔を赤くし、クラナの腕を掴みながら出て行く。
「あぁ、こんな朝を迎える事が出来るなんてな。」俺は向こうの世界の事を思い出した。
朝起きても誰もいない。ただ一人の生活。会社に行っては帰って寝るの反復横跳び。そんな中、手に入れた細やかな、しかし、とても大きな幸せを俺は感じながら部屋を出た。
「ユウト。立てる様になったのか?」リビングに着くと、料理を並べている青年が声をかけてきた。黒い髪にソフトモヒカン、両方にアルファベットのZ見たいな剃り込みを入れている彼に俺は挨拶をする。
「おはよう。ガディ。まだ慣れないが何とか歩ける様にはなったよ。心配かけたな。」俺はそう行ってミアの隣に座る。
「まさか、俺が心配すると思ったか?」ガディはそう言いながら最後の料理を並べる。そこにミアが笑い、ガディを見ながら「でも、ユウトが倒れた日はご飯を焦がしたりして大変だったんだよ」と話し俺を見る。
「・・・ミアはご飯抜き。」ガディがそう言ってミアの料理を取り上げる。「あー。嘘、嘘!ごめんってば。ご飯抜きだけはー」そう言いながらミアはガディを見る。
「だが、お前が倒れた時は本当に心配だったんだぞ。」クラナが途中から口を挟む。
「あぁ。みんなには本当に心配かけたな。すまない。そして、ありがとうな。」俺は素直にそう思ってみんなに礼をする。
「はぁー。ま、何はともあれ、これで準備はOKって事だな。頂くとしようか。」ガディはそう言いながら取り上げた料理をミアに渡す。
「ふぅー。食べた、食べた。ガディの作る料理は最高だな。」俺はそう言って椅子にもたれる。
「褒めても何もでないがな。まぁ、気持ちだけ受け取って置こう。」ガディは食器を下げながら答えた。まんざらでもない様だ。ガディは狩人で弓の名手だ、この4人の中で一番家事が出来る。
「まさか、食後のデザートなんて期待はしないよ。」俺は笑いながらガディを見る。
「ッチ、相変わらず感のいい奴だな。」ガディはそう言ってパンケーキを持ってきた。
「わぁー。美味しいそう!」ミアが体を伸ばしながらパンケーキをみる。
「相変わらずミアは食欲旺盛だな」クラナははしゃぐミアを見て笑う。
「まぁ、ミアは治癒師だからな。体力もたくさん使うから仕方ないさ。ユウトを毎日治療していたから余計な」ガディはパンケーキに蜂蜜を垂らす。
「ち、違うもん!育ち盛りだから沢山、食べるだけだよ!」ミアはそう言いながら2人を見やる。
はいはい。と、2人はミアをあしらいつつため息を吐く。そんなやり取りを見て俺は涙が流れてきた。
向こうでは経験した事のない温かな雰囲気。笑い声、こんなにも人と関わるのが素敵な事なんて。忘れていた。嬉しかった。
「ど、どうしたの?大丈夫?」ミアは俺を見て慌てる。2人もミアに続いて俺をみる。
「いや、大丈夫だよ。ただ、こんな団欒が懐かしくて。涙が、流れたんだよ。」俺はそう言って涙を拭う。
「大丈夫だよ。これからはずっとこんな日が続くから。」ミアはそう言って手を握ってくれる。
「あぁ、そうだな」ガディも頭を掻きながら俺をみる。それに、クラナも頷く。
「・・・そうだな。」俺はそう言い、ミアの手を握り返す。すると外から非常を告げる警鐘が、鳴り響いた。
・・・イチャラブしてぇ。
と言うわけで少し早めの更新となります。あまり手慣れでは無いのでこんな感じで進めていきたいと思っているのでよろしくお願いします。
もう少し進んだらキャラプロフィールを上げたいと思います。