記憶、少女、名前
車に跳ねられた。かみしろゆうと。目を開けるとそこは。
「・・・と!」誰かが俺を呼んでいる。「誰だ?」俺は体を動かそうとする。しかし、身体は動かない。「・・・ゆう・・!」声が次第にはっきり聞こえてきた。「ゆうと!」その声で目を開ける。
「ここは?」俺の目に映ったのは白い天井だった。すると横から声が聞こえた。「よかった、目が覚めたんだね!」俺はその声の方に視線を移した。
そこには俺を心配そうに見つめている少女が居た。「君は?ここはどこ?」俺が問いかけると少女は目を見開き俺を見た。
「まかさ・・・、覚えてない・・・の?」と涙を浮かべて泣き始めた。俺はそれを見てため息を吐いた。
「落ち着いた?」俺は少女が、泣き止むまで待っていた。「・・グスッ。うん」少女が泣き止んでから声をかけた。少女は落ち着いたのか目を擦りながら頷いた。
「本当に覚えてないの?」少女は俺に話しかけてきた。「あぁ、君が誰なのか、ここは何処なのかすらもわからな、、、」とその時だった。
『ザザァー、ズザガガガ、ピーー。転生確認シマシタ、キヲクを生成いたします。』
その声と同時に頭に強烈な衝撃が走った。「あぁぁぁぁぁぁー!」俺は頭を抑えベッドを転がり回る。「ゆうと!大丈夫!?」少女はそう言いながら俺を両手で抱きしめる。「ぁ、ぅ、あ」どれ位時間が経っただろうか。次第に痛み引いて行った。
「はぁ、はぁ。」俺はゆっくり息を整えた。少女は震えながらも必死に俺を抱きしめてくれていた。「・・・ありがとう。ミア」俺は少女の頭を撫でる。思い出した。ここが何処かもこの少女が誰か、も「ゆう・・・と?」少女は不安そうに顔を上げ俺を見る。それを見て俺は微笑み「もう、大丈夫だよ。ありがとうなミア」そして彼女はまた泣き始めた。「ははは。相変わらず泣き虫だなミアは」俺は苦笑しながら少女、ミアが落ち着くのを待った。
「本当に大丈夫?」ミアは俺の方をみる。その目にはまだ不安が宿っている。「あぁ。本当に大丈夫だよ」俺は動くようになった体を動かしてアピールした。「・・・そっか。よかった。」ミアはそう言って笑いながら答えた。「今日は疲れたからもう一度寝るよ。ミアもそろそろ帰った方が良い。」俺は窓から外を見る。空は日が沈みかけていた。
「うん。ユウトが心配だけど今日は帰るね」ミアはそう言いながら一緒に玄関に向かった。
「それじゃぁ。また、明日ね。」ミアは笑いながら外に出た。「あぁ、わかった。また明日」俺も笑いながらミアを見送った。
俺はその後、ベッドに入り記憶を紐解く。今の自分の現状を把握するため。そのまま目を閉じた。
2話目投稿しました。週1ペースで上げていこうと思います。
上げれないときは報告させていただきます。
改行などまだまだ、至らなくありますが、よろしくお願いします