表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この転生を素晴らしき人生に  作者: 狗神一途
1/8

転生前の日常

初投稿の作品となります。色々、拙い処はありますが、まったり楽しく読んでいただきたいです。


仕事の合間の作成なので早めに投稿出来るかはわからないですがよろしくお願いします

「ピピピピ・・ピッ」目覚まし時計のアラームを止めて、俺はムクリと体を起こした。「もう、朝か」そう言いながら、ベッドから立ち上がり洗面所へ向かった。


顔を洗い、歯を磨く。冷たい水が虚ろな意識を覚醒させる。鏡に映る自分の顔を見てため息を吐く。相変わらず酷い顔だ。仕事が忙しく、睡眠時間は2時間を切っていた。目の下にはアザのような黒いクマが付いている。無精髭も生えている。正直、公園のダンボールに住んで居る人となんら変わりないくらいの顔をしている。


「俺は、何の為に働いているんだ?」そう鏡の中の自分に問いかけるが、返事は返ってこない。俺は再びため息を吐いて寝室に戻り着替える。



着替え終わり、リビングに行くと食パンを一枚加えて玄関へ向かう。玄関の横にある下駄箱に立てかけている鞄を手に取り家を出た。


外は日が昇っているが、人の声は聞こえない。当然だ。今日は日曜日なのだから他の人はまだ夢の中だろう。俺は会社に向かって歩き出した。季節はもう冬になる。冷たい風が顔を撫でる。吐き出される白い息も風に流され消えて行く。



「さみぃ。」俺は身体を丸めながら会社に向かう途中に公園で遊んでいる子供に気がついた。「朝から元気だなぁ」そう思いながら会社に向かった。



会社に着くと俺はオフィスへ入る。昨日片付けた書類と別の書類が積まれていた。「はぁ、、、」俺はそれを見てため息をつきながら席に座る。課長とは名ばかりの社畜である。


書類に目を通していると他の社員達が出社してきた。「課長、おはようございます」皆、俺を見る度元気に挨拶をしてくれる。全員が出社して、ミーティングを行う。先ほど積まれていた書類を各自適した人に割り振る。


自分はある才能があった。【その人の実力にあった作業を適切に振り分ける】という物だ。実力はあってもそれ以上の事をした場合、大抵の人は尻込みしてしまう。だが、俺はこの人にこれをさせて大丈夫か?と言う状況になった場合、無理かどうかの結果がわかる。だから適切に割振れるのだ。



事実、俺が課長になってから、ここの業績はめまぐるしい程に成果を挙げていた。だが、その為に大半の仕事を自分が受け持ち、定時には帰れないのだ。


「では、今日もよろしくお願いします」俺はみんなに伝えた。各自が作業に入る。「さて、やるか」俺も自分の机に座り作業を始めた。



夕方になり退社の時間がきた。「課長、お疲れ様でした!」そう言って、次々と退社し始める。「あぃよ。お疲れ様ー」俺はみんなに笑顔で見送った。「さて、もう少しで終わるな」俺は少なくなった資料をみた。

が、悪夢がやってきた。「神代くん、お疲れ様」

俺が声の方を見ると部長が立っていた。手には朝にあった数ほどの資料を持っている。


「・・・お疲れ様です。部長」俺は挨拶に応えた。それをみた部長はニヤリと笑いこう告げた「実はね、今日は娘の誕生日なんので早く帰らないといけないんだよ。だから。悪いけどこれ、お願いね」と言い。手に持ってた資料を俺の机に置く。



「・・・昨日も娘さんの誕生日でしたが?」俺が不満そうに答えると「三女の誕生日なんだよ!」と怒鳴られた。部長は続ける「いいかな?わかったらさっさとやれ!やらなかったら。わかるよな?」そう言って部長は部屋から出て行った。「はぁ、やるしかないか」俺はため息を吐きながら資料に手をつけた。断れば良いのだが、断ると俺の部下達に圧力をかけられ潰される。すでに2人の社員が、耐えきれず辞めて行った。「俺がみんな守らなきゃ、な」そう呟き書類を処理して行った。



「終わった」俺はそう言いながら椅子から立ち上がりストレッチをする。時間はすでに夜中の3時を回っていた。「さっさと帰るか。明日も早いし」俺は鞄を持ち鍵をかけ外に出た。相変わらず寒い。俺は急ぎ足で家に向かう。



朝通った公園の前を横切る。その瞬間視界にあり得ない光景が見えた。「ッ!!」俺がそちらを見ると朝に居た子供が遊んでいる。同じ場所で同じように朝と変わらず砂場にしゃがみこんでいる。砂遊びをしているのだろう。俺は鳥肌が立った。何故?この時間に?

いや、それもそうだが、、、みて改めて気がついた。「頭が、、、ない」俺は棒立ちになってその子供を見つめている、体が動かない、こえがでない。俺は金縛りになったようだ。その時、砂遊びをしていた子供の手が止まった。子供の体がこちらに向く。『ヤバイヤバイ!逃げなきゃ』俺は心の中で叫ぶだが、身体は動かない。頭のない子供が近づいてくる。子供の腕が俺を掴む。その瞬間、


「キキッー、ドンッ!グシャ」



車が突っ込んできた。俺は思い切り叩きつけられ頭から落ちた。声が出ない視界が真っ赤に染まる。「あぁ、死ぬのか、あっけない人生だったなぁ」俺は声なき声で呟いた。「次は、楽しい人生を送りたいなぁ」その意識を最後に俺の意識は途絶えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ