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劣等魔術師の下剋上 普通科の異端児は魔術科の魔術競技大会に殴り込むようです  作者: 山外大河
二章 魔戦開戦編

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31 まだ終わりじゃない 下

「残り三戦どうするってお前……どうしたよ急に。やるに決まってんだろ?」


 突然続けるかどうかを訪ねられ思わずそう言葉を返すと、暁はごもっともな言葉を返す。


「少し考えてみてくれ。この戦いは俺がキミ叩きのめす為に始めた事なんだぞ」


 だからおそらく赤坂を貶める為に始めたこの戦いはもう続けるべきじゃないと暁は言っているのだろう。

 だけどだ。


「だからどうしたよ。始める過程がどうであれ、これはもう俺達が始めちまった勝負だろうが。それ突然投げ出して止める訳ねえだろ。それにこれが三戦目が終わった後ならともかく、まだ勝負も付いてねえわけだし」


 そう、此処で止めるなんて論外だ。


「端から圧勝できる事前提に話すすめてんじゃねえよ」


 この戦いを止める意味があるとすれば、これから赤坂が叩きのめされる事を避ける為という可能性が濃厚だ。

 だけどそれは暁が勝てる事前提で語られた提案だ。

 確かに目の前の相手は赤坂よりも格上なのは間違いない。

 だけどそれでも、勝てるかどうかはともかく勝つ気ではずっといるのだから。

 せめて一勝とは言わない。五戦中三勝を取る事だって諦めていないのだから。

 だから、こんな所で止めるのは論外だ。


「……なるほど。確かにこの提案はキミに失礼か。すまなかった」


 そう言った暁は一拍空けてから言う。


「じゃあ残り三戦、やろうか。当初の予定通りどちらかが勝ちこしても最後までやる。そのルールで続行でいいか?」


 それを否定する意味はない。

 どうであれ後三戦。

 最終的な結果がどうであれ、世界四位の男との三戦はとてつもない経験値になる。

 だから赤坂は頷く。

 もちろん負けた後の消化試合をする気はない。

 勝つつもりで。


「了解。それで続行だ。此処から三連勝取らしてもらうぞ!」


「取れるもんなら取ってみろ!」


 そして暁の謝罪から始まった少々長いインターバルは終わりを迎え、再び二人は仮想空間の戦闘フィールドへと飛ばされる。





「……で、今度はどう動く」


 暁の狙撃を無効化する術を披露した。

 それはつまり暁の中で赤坂に対する狙撃の選択肢を省かせる結果になるだろう。

 そうなれば困るのは赤坂だ。


「つーかどうやって位置情報割りだすよ」


 暁からの先制攻撃がなければ暁の位置情報は割りだせない。

 つまりはこちらが気付かぬ内に接近されて死角からの奇襲を喰らう可能性が高いという訳だ。

 先程の様に正面から向かい合うような赤坂にとっての理想の展開には持っていきにくい。

 だからどうするべきが、策を練り始めた。

 練り始めた時だった。


「……なんだ?」


 フィールドの中央部付近で、狼煙の様に煙が上がっていた。

 それはまるで自らの位置情報を赤坂に教えるように。


「あの野郎、なんのつもりだ」


 その真意は読めないが、それでも赤坂にとってこれは好機だ。

 そこに本当に暁が居るかどうかは分からないが、手掛かりも何もなかった所に光が差し込んだ事は間違いない。


「……とりあえず行ってみるか」


 その選択が吉と出るか凶と出るかは分からないが、とにかくそうして赤坂と暁の三戦目が。

 五本勝負の勝者を決める三戦目が始まった。

 


 

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