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劣等魔術師の下剋上 普通科の異端児は魔術科の魔術競技大会に殴り込むようです  作者: 山外大河
二章 魔戦開戦編

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22 秘策

 暁の射撃が赤坂の魔力を目掛けて打ち放たれるのであれば、取れる手段は二つある。

 ……赤坂にだけしか使えない、対暁の対抗手段が。


 まず一つは、魔力を狙って来られるのなら魔力なんて消してしまえばいいという策。

 魔術では探知に引っかからないようにする為などの用途で、自身の魔力反応を隠す為の魔術などが使われるのだが、赤坂の場合は隠すのではない。消してしまう。

 消滅させてしまう事ができる。


 通常体内を流れる魔力を消すような真似は出来ない。

 例えそういう魔術があったとしても、おそらくそれは里羽家の様な特異な対魔の魔力属性を持つ魔術師にしか使えない者だろうし、結局それを使い維持する為に魔力を使っているのだから、そういった術があったとしても、里羽の人間が他の第三者の人間の魔力を消すという様な程度に留まるだろう。

 だがしかし、赤坂隆弘だけは例外だ。


 赤坂隆弘は魔力を操る事ができる。


 魔力を全身に流しての肉体強化。魔力の流れを応用して打ち放つ衝撃派、バースト。

 だけどやれるのはそれだけじゃない。真正面の戦闘に使えるのはその二つだとしても、その二つを鍛えていく過程で副産物は見つかっている。


 ……例えば、魔力の生産を一時的に止めてしまう。

 それが赤坂をコントロールする赤坂には可能だ。


 これを使えば探知にも引っかからない。故に狙撃されない所か暁に位置情報を隠す事も可能になる。


 だがそれでは……勝負が平行線に陥るだけだ。


 結局赤坂も暁の居場所を知らない。

 勝負を決める為にはそれを知る必要があり、それを知る為に最も有効な手段は攻撃の放たれた方角や入射角でおおよその位置情報を割り出す事だと赤坂は思う。


 だとすれば撃たせなければならない。撃たれて回避して見付けなければならない。


 だとすれば……赤坂が取るべき手段は二つ目。


「……まさか無駄でしかねえと思ったボツ技がこんな所で役に立つとはな。やっぱ色々試してみるもんだわ」


 開発してみたものの、ピンポイントで分かる探知の精度を一、二メートル程ズラす程度の、戦闘の要である魔力を無駄に使いすぎる割には効果がしょうもないからボツにした技。


 自身の魔力を周囲に無駄に放出する。

 だからどうしたとしか思えなかった、自身の周囲に魔力を充満させる、赤坂だからこそできる必殺技。


 次の瞬間だった。


 赤坂の一メートル隣りに魔術弾が着弾したのは。


「よし……釣れたアアアアアアアアアアアアッ!」


 そして赤坂は魔術弾が飛んできた方角へと視線を向ける。

 その方角。着弾した魔術弾の角度と視界に映る景観から狙撃ポイントはおおよそ割りだせた。

 ……そして。


「……そこか」


 もう一撃が赤坂の隣りに着弾した事により。

 赤坂の視界の先で暁がそれを撃ち放った事により。完全に位置情報は把握できた。


 そうなれば……後は突き進むだけだ。


「よし、反撃開始だ」


 そして赤坂は全速力で走りだした。

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