一吾の意地
「うおらぁぁぁぁ!」
一吾は剣を抜き、フェイスに斬りかかった。
だが、軽くあしらわれている。一吾は何度も剣を振るっているが、一撃も当たらない。いなされ、反撃される。閃姫と言われるだけあってフェイスは速く、一吾は対応できていない。
「くそっ!これなら……フラッシュ!」
以前僕との対戦で使った目くらましだ。流石のフェイスも食らったらしく、一瞬硬直した。その隙に一吾が剣の腹の部分で叩く。
「くっ、やるな!」
フェイスはズズッと後ろに下がった。一吾は更に追撃しようと、剣を振りかぶる。だがやはり実力の差というのは大きく、背後に回られ、吹っ飛ばされてしまった。だが一吾は諦めず、立ち上がる。そして再び斬りかかった。
「ぐわっ」
またしても一吾は吹っ飛ばされ、壁に激突した。普通の人ならここで実力差を感じ、負けを認めているだろう。しかし一吾は立ち上がった。あいつは昔からそういう所がある。諦めが悪い。僕はかすり傷と言ったが、一吾はもっとやるつもりだろう。
「まだ立てる!来い!」
闘技場の中心に戻ってきた一吾はそう叫んだ。
「身体強化」
カルロスさんに教わった魔法だ。その隙にフェイスは一瞬で間合いを詰め、剣を走らせる。
ガキッ
さっきまでは対応出来ていなかった攻撃を一吾は受け止めた。
「閃姫?上等だ!こっちはもっとタチの悪いのとやりあってんだよ!」
……一吾は啖呵をきると、魔法を使った。
「シャイン・レイン!」
無数の光の矢がフェイスに向かって降り注ぐ。
だかフェイスは全て剣で弾き、対応している。
「チッ、化け物かよ」
唖然としながらも一吾は斬りかかる。フェイスは反撃し、一吾はわざと自分から食らって空中に飛んだ。そこで、再び魔法を放つ。
「パラ・レーザー!」
一吾の使える最大威力の魔法だ。本来殺傷性が高い魔法だが、フェイスはどうだ?
「えっ…」
レーザーが斬られた。流石に僕も予想外だった。フェイスはそのまま直進し、一吾に迫る。一吾の首に細剣を突きつけて一言。
「いい試合だった。」
『第5試合、勝者、フェイス選手!』
歓声が上がった。
ー
「どうだ?おれはやれたか?」
観客席に帰ってきた一吾はそんなことを言っていた。
「うん、中々良かった」
「そうか!?お前より強かったか?」
それは無茶かも知れない。
『第6試合が間も無く始まります』
まだまだ闘技大会は続く。




