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本戦まであと二日

文字少ないですが…


4/11

重大なミスに気がつきました。


三日後→二日後


変更です。


スイゲツとしての予選通過が決定した次の日、僕は一吾と町の外れを歩いていた。


「で、予選を通過した中に閃姫っていうのがいるんだけど、ノーブルの極級冒険者なんだって」

「そりゃすごいな。でもなんでそれがあそこに行く理由になるんだ?」


僕達は今、ある鍛冶屋に向かっている。そこは店主が頑固なことで有名で、滅多に刃物を打たないらしい。

しかし、一度刃物を打てば業物が生まれると言われている。


「だって閃姫は剣を使うんだよ?斬り合ってみたいじゃないか」


本戦はトーナメント制なので当たるかどうかわからないけど


「紅雪じゃダメなのか?」

「呼んだ瞬間バレるだろ。あの冷気と妖気」

「まあ、確かに」


一吾は紅雪を思い出しているのか、遠い目をする。


「でもここじゃなくてもいいだろ」

「業物じゃないと閃姫の細剣とやりあえないと思う」


フェイスの愛剣はかなりの業物だ。予選の時、打ち合っただけで相手の剣が切れているのを見た。


「うーん」


一吾は渋っているようだが、もう遅い。僕達はその鍛冶屋、紅蓮亭に着いた。扉を開けて中に入る。誰もいない。取り敢えず僕は壁にかかっている武器を眺めていることにした。店主はその内でてくるだろう。


「お、これはいい」


目についたのは一振りの刀だ。刃文が綺麗に出ていて美しい。


「おい水月、勝手に見ていいのかよ」

「店だからいいんじゃない?」


しばらくそれを眺めていると、後ろから声が掛けられた。


「おめぇさん、中々目の付け所がいいな」


振り向くと、そのにはいかにも頑固そうな老人がいた。


「ここの店主さんですか?」

「そうだ。で、何しに来た?」


鋭い目でこちらをみながら質問してくる。


「刀を打ってもらいにきました」

「ほう」


僕の答えを聞くと、一層目を鋭くして僕を見てきた。


「何に使うんだ」

「斬る為に、です」

「フンッ、おまえさん今使ってる刀があるだろ?」


なんでわかったんだ?職人の勘は恐ろしい。


「ええ、まあ」

「見せてみろ」


え?……まあ仕方ない。この人、口硬そうだし。見せなかったら刀打ってくれなそうだし。


「紅雪」

「ぬおっなんだ?」


突然現れた紅雪に、店主は驚いた。


「どうぞ」

「お、おお」


『最適解』と『氷雪』が勝手に発動しないよう、抑え込みながら渡す。残念ながら妖気は勝手に出ている。



「……おめぇさん、何人斬った?」


刀を持って暫く目を瞑った店主は、目を開けると僕にそう聞いてきた。


「目の前に立ちはだかった数だけ」

「末恐ろしいガキだ。この刀、血が染み付いてやがる」


スバリと当たる言葉に、僕は何も言えない。


「だが曲がったことはしてねぇ……のか?」

「もちろん」


それどころか人類救ったんですけど。貴族のごたごたに巻き込まれて暗殺しまくったのは秘密だ。


「……いいだろう。俺が打ってやるよ。」

「本当ですか!?」

「ああ、素材は取ってきてもらうぞ?」

「わかりました」

「なら、こいつの鱗を頼む」


そう言って店主が見せてきたのは黒い竜の絵だ。


「黒鋼竜ってんだが、いい素材になるんだ」

「ほほう」

「明日までに持ってこい」

「了解です。では」

「おう、頼んだぞ」


僕は空気になっていた一吾を連れ、紅蓮亭を出た。


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