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Bブロック〜Cブロック


展開が駆け足気味ですみません。


Aブロックの勝者は、閃姫・フェイスに決まった。


『Bブロックの選手は、闘技場に集まって下さい。闘技場の片付けが終わり次第、試合を開始します。』


次の試合を知らせるアナウンスが流れた。

闘技場を見ると、大量の怪我人が担架で運ばれていらところだった。係りの人が飛び出して来て回復魔法をかけている。


「じゃあ行ってくるよ、スイゲツ」

「ああ、頑張ってね」


僕はエヴァンを見送り、近くの売り子を呼んだ。


「肉串5本ください」

「はい、ありがとうございます」


観戦の体勢は万全だ。


『お待たせしました、これからBブロックの試合を開始します。』


選手が入場してくる。エヴァンは僕を見つけると、手を振ってきた。僕も手を振り返す。他に目立った選手はいない。エヴァンの勝利は硬そうだった。


『それでは……始め!』


試合開始。エヴァンは素早く背中の剣を抜き、手近な相手に斬りかかった。フェイス程じゃないけど結構速い。敵を次々と薙ぎ倒している。あの流れるような剣術はかなりの修練の上に成り立っているのだろう。顔には自信があふれていた。


エヴァンは魔法も使えるようで、間合いの外の相手には魔法で対応している。今も後ろから迫る相手にファイアーボールを放ったところだ。


闘技場の選手はあと二人になった。一人はエヴァン、もう一人は隣国の冒険者だ。エヴァンと同じく剣を持っている。二人は闘技場の中央で睨み合い、少し体を動かして牽制しあっている。下手に動いた方が負ける、そういう状況だ。観客も、この静かな戦いを固唾を飲んで見守っている。


ーー二人は同時に動き、交差した。


一人が倒れる。立っていたのはエヴァンだった。



『…Bブロック勝者、エヴァン選手!』




おおすごい。僕も頑張らなくちゃ。

僕はアナウンスが流れる前に、控え室へ向かった。


控え室には既に何人か参加者が来ていて、準備していた。失礼だけど、相手になりそうなのはいないな。


そう思って見ていると、数人がこちらを見てニヤニヤしてきた。そのうちの一人が近寄ってくる。


「仮面さんよぉ、怪我したくなきゃ金よこしな。」

「は?」


なんだそれ?


「だ、か、ら、試合を無事に終わりたかったら金払えって言ってんだよ。金払えば俺たちが守ってやるよ」


わかりやすいカツアゲだな。


「いえ、結構です」


面倒なので、僕は軽く流し、控え室の角に陣取った。


「なあなあ、金払えよ」


しつこいな。流石に僕でも怒るぞ。


「うるさいな。消えろ」


そう言うと男は意外に素直に離れていった。



『それではCブロックの選手は入場してください。』



僕は他の参加者と一緒に入場した。観客席にエヴァンを見つけ、手を振る。

開始の合図がある前に、いつの間にか僕はさっき絡んできた連中に囲まれていた。


「大人気だなぁ」

「ハッ!粋がってんのも今のうちだぜ」


『はじめッ!』


試合が始まった。一斉に僕を囲んでいた奴らが襲いかかってくる。揃いも揃って悪人ヅラだ。


「おらぁぁぁ!」


一人の足を持って振り回す。それだけでチンピラ共は吹っ飛んでいった。最後に持っていたヤツを下に叩きつける。全員が動かないことを確認すると、僕は他の獲物を求めて走り始めた。



あれから何人も倒し、残るは僕と後6人だ。


「フレアァァ!」


魔法が発動され、爆発が起きた。煙で周りが見えなくなる。


「背後から斬撃」

「ーッ!?」


煙に乗じて僕を狙ってきた奴の行動を言い当て、剣を中指と人差し指でキャッチした。


「ごふっ」


剣を挟んだまま、蹴りを食らわせる。この煙、都合がいいな。晴れる前に全員倒してしまおう。

気配を消して近づけば、誰も僕に気づかない。


「がっ」 二人目

「くはっ」 三人目

「ぐっ」 四人目


あと一人だ。


「ウィンド!」


その時、魔法が発動され、風が吹いた。


「負けるか!」


煙が晴れ、現れたのは魔法使い然とした格好をした青年だ。


「ライトニング!」

「ほっ」


飛んできた雷撃を横に跳んで避ける。

このまま魔法を放たれたら厄介だ。僕は一瞬で間合いを詰めた。


「な!?」


青年には僕が突然目の前に現れたように見えたのだろう。かなり驚いている。僕は気にせず、首に手刀を落とした。


『Cブロック、勝者、スイゲツ選手!』


僕の決勝進出が決まった。



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