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忘却

度々短くて申し訳ないです。

次回から通常の長さに戻します。きっと……


ゴブリンを倒しながら森の奥へと進む。

今日は一吾たちの訓練の為、僕は手出しをしないことにしている。

とはいえ流石に暇なので、一吾達に関係のない遠くの魔物を魔銃で殺したりしていた。


「なあー水月、それどうやってやんだよ」

「魔銃?多分一吾達はやんないほうがいいね。」

「才能ないってか?」

「いや?思い込みというか、一吾達はすでに魔法が魔法陣を介して発動させるものだと思ってるだろ?魔銃とか透打は違うんだよ。」

「どういうこと?」

「魔銃とか透打は自分の中にある魔力を直接操作するものなんだ。つまり魔法陣を介さない。でも一吾達はそんな訓練してないからね。」

「訓練すればいいんじゃないの?」

「まあ、そうなんだけど。だとしたら通常魔法の方を極めた方がいいよ。そのほうが強くなれる。」


慣れというものがある。僕も今の魔法に慣れていない。魔法陣を使うのは、金色防御魔法陣と同じだが、そもそも魔法陣の構成が違いすぎる。金色防御魔法陣を作った僕が言うのだから間違いない。


「そっかー残念だな」

「一吾は元から魔法を使うタイプじゃないだろ」

「固有魔法は使うけどな」


固有魔法は感覚的なところが大きいので通常魔法とも、古代魔法とも異なる。


「そんなことより、みんなが疲れてない?」


見れば彼らの装備は返り血で汚れていた。大分戦ったな。


「あたしは疲れた」

「俺もだな」

「わたしも」


まあ、当たり前だ。


「じゃあ休憩してなよ、僕がこの先の魔物を掃除してくるから」

「水月は余裕かよ」

「なんもしてないしね」

「よろしく」


と言うわけで僕は魔物を一掃するべく、奥へと向かった。


「ほんとたくさん出てくるな。巣にまとまって生活しているはずなんだけど…」


全て一発で急所を撃ち抜きながら進む。


「ゲギャッ」


キリがない。久しぶりに「忘却」を使う。


僕を中心にして球状に「忘却」の魔法が広がる。

するとその中にいたゴブリン達は動きを止めた。

"身体の動かし方"を忘れさせたのだ。これも勇者の魔法とは思えないな。まるで魔王。

僕が両手を銃の形にすると、指の先に魔法陣が展開される。


「掃射」


魔法陣が回転し、魔力の弾を連続で撃ち出す。両手を動かし、薙ぎ払うように魔銃の掃射を食らわせた。

動けないゴブリン達は体を穴だらけにして死んだ。


「今ので全部かな?戻ろう」


一吾達のところへ戻ると、みんなは準備して待っていた。返り血もいつの間にか消えている。


「休憩は出来た?」

「ばっちりだぜ!」

「平気よ」

「あたしも大丈夫。」

「そう、じゃあこの先に洞窟があったから最後にそこを調査しよう。」

「了解!」


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