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そうに違いない


会議室を後にした僕は一吾の部屋にいた。

明日から二ヶ月、僕達は自由だ。このまま王宮に残って騎士団の訓練に参加してもいいし、いくらかお金も貰っているので外に出て修行するのもいい。僕は図書館で調べたいこともあるので暇を見つけていかなくてはいけない。

今回のことで勇者をやるのが嫌になった奴や、戦闘が苦手な奴は辞退している。彼らは当分の間は王宮で保護される。


「冒険者っていうの?それやんねぇか?」


随分ざっくりとした認識でよくそんなことを言うな。冒険者とは、冒険者ギルドに所属し、そこから依頼を受け、報酬を受け取る職業だ。王都にはファーナシア最大のギルドがある。


「確かに王宮にいるのは退屈だし、そうしようか」

「でさ、俺の修行つけてくれよ」

「え、そんなに闘技大会にかけてるの?」

「いいか、水月?闘技大会で活躍すればモテること間違いなしだ!俺はモテたい!」

「そこは嘘でも仲間を守る力が欲しい!とかいった方がいいと思う」

「少なくとも俺の目の前の仲間は守る必要がない!むしろ守ってくれ!」

「そうかそうか、血反吐を吐くような修行をしてやろう」

「いや!嘘!嘘だから!」

「でもまあ個人でこの前の剛腕とやりあえるくらいにはなっといた方がいいかな」


というか、今回の勇者達の能力を見るに、順当にいけばそのくらいの実力にはなるだろう。


「そんなに?」

「最低限、だよ」

「まじか……」

「とは言っても僕は教えることがあんまり無いからね、できれば独学で頑張って欲しいな。そしたら僕も魔法の練習ができる」


実は僕は魔法が苦手だ。以前この世界に来た時も魔法がほとんど使えなかった。なんとか魔銃と防御魔法陣を使えるようになったけど、基本的に紅雪があるので問題なかったのだ。


「独学?無理無理、水月じゃなんでダメなんだよ」

「残念ながら僕はだいぶ特殊なんだ」


そう言って僕は一吾にステータスカードを見せる。



成瀬水月


固有魔法

「忘却」「聖剣召喚+最適解、氷雪、修羅」

「言語理解」


通常魔法

初級・中級


古代魔法

金色防御魔方陣、魔銃、透打


称号

殺人鬼(シリアルキラー)、非天、忘却の悪魔、竜殺し、覚醒勇者


所持金

100010000



僕の記憶が全部戻ったことにより、聖剣召喚の詳細がわかった。


「なんか増えてね?固有魔法と称号」

「まあね。で、僕が見て欲しいのはここ」


僕は「最適解」を指差す。


「これが紅雪を妖刀たらしめているんだ」

「妖刀って言い切っちゃったな」

「『最適解』って言うのは、対象を斬る為の最適解を見つけて、持ち主の体を乗っ取ってでも実行してしまうものなんだ」

「なんだそりゃ?本当に妖刀じゃねぇか」

「そうなんだよ。僕はこれのおかげで強くなったと言っていい」

「全部紅雪頼りってことか?」

「いや違う。まあ最初は操られるがままにされてたんだけど、途中から僕が自分で動き始めたんだ。」


常に正解を見せられていればそのうち答えがわかるようになる。

つまりー


「それってお前も最適解がわかるってことじゃねぇか」

「その通り。僕も最適解がわかるようになり、紅雪と合わせて動くことでスピードも精度も上がったんだ」

「じゃあ俺も紅雪を持てばいいのか!」

「いや、それは無理。前も言ったけど、これを制御しきれるのは僕だけだ。だから僕はあんまり教えらんないかな」

「水月が最適解を教える、じゃダメなのか?」

「感覚的なところが多いから、教えるのはちょっと」

「面倒くさいだけじゃねえか」

「じゃあ早速明日冒険者登録をしに行こう!」

「オイ、図星なんだな!」



「なんで白沢も付いて来てんの」

「私の勝手でしょ」

「木村は?」

「カレシと一緒に行くって」

「カレシ?木村に?誰が?」


木村…彼氏いたのか。きっとチャラい彼氏なんだろう

うん、そうに違いない。


「言うと思う?」

「そうですか」

「木村さんがいないので、私が付いて来ました!」

「森山も?よろしく」

「うん、よろしくー、佐藤もよろしくね?」

「おう!よろしくな!」


森山が新たに仲間に加わった。女子によく頼られる森山は母親の様な雰囲気をまとっている。


「でも冒険者になって何をするの?」

「それは一吾が…」

「だってさ、ロマンがあるだろ?な?」

「う、うん、そう……かな?」


森山が若干引き気味だ。


「それは置いといてだ、金も稼げるだろ?いつまでも国に厄介になるのも申し訳ないしな」

「成る程、佐藤って意外と考えてるんだね。」

「意外と……」


落ち込むなよ一吾。…正直僕も森山と同じことを思ったけども。



冒険者ギルドに着いた。


「ここか!でかいなー!」

「確かに、これが冒険者ギルドか」


千年前はなかったのにな


「行くぜ!」


僕達は冒険者になるべく、威勢良く中へ入っていった。


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