ピンク色の空間
総合評価ptが50を超えました!
ありがとうございます。
密かに目標にしていたのでとても嬉しいです。
今後とも駄文ではありますが、精一杯書いていきますのでよろしくお願いします!
僕が柿崎を問い詰めてから数日が経った。
療養所にいたクラスメイトも全快し、今日は王様に会いに行くことになっている。しかし沼田はまだ見つかっていない。
僕達は王宮に部屋を貰っているとは言ってもそれは王宮のはずれにあるのでちょっと移動しなければならない。王宮は広いのだ。
「コウキ!ご無事でしたか!」
王宮の中心につくと目の前からキラキラしたオーラを纏った美少女が走り出て来た。
年齢は僕達と同じくらい、服装はザ・王族みたいな感じだ。というか誰?そしてコウキ?
「ああ、クリスティーナ!俺は大丈夫だよ!」
「良かったです、わたくし心配で心配でしょうがなかったんですよ?」
「ははっごめんごめん」
何あのピンク色の空間。
「一吾、あれ誰?」
「知らん」
「知らないのか?成瀬、会食の時にいたじゃないか」
「えっ?大山は知ってるの?」
「まあお前はすごい勢いで食べていたから仕方ないかもな」
「ま、まあね」
あの時か、僕は「勇者様の英雄譚」が恥ずかしすぎて目の前のものを貪っていたんだった。途中で話しかけられた気もするが、僕は食事に夢中だった。
「あの時光輝は凄かったんだぞ?次々と貴族とかのお嬢様方に話しかけられて、あげく王女様と仲良くなったんだ。」
「王女様?あの美少女が?」
「そうだ。」
「な、一吾、大変だ。この世界でも一条はモテ男だ」
「……」
「あれ?一吾?」
一吾は少し離れたところで井上と高橋とともにブーイングを送っていた。
「なんであいつだけ!」
「世界は不公平だ!」
「世界の馬鹿野郎!」
やさぐれてる……。
まあわからなくもないけど。でも僕は白沢が呆れたようにそちらを見ているので加わらないことにした。
「ナルセとオオヤマも無事でなによりです」
「お気づかいありがとうございます。」
「はあ、ありがとうございます」
「ナルセ……わたくしのこと、覚えていないんですか?会食の時にご挨拶しましたのに」
「えっ、いや当然覚えてますよ?ええ」
記憶にございません。
「まさか!食事に夢中で覚えてないんですか⁉︎」
「いや、もちろん、覚えてますって」
「嘘ですね?」
「すみません」
「まあいいです。初めての方もいらっしゃるので改めてご挨拶を、
わたくし、ファーナシスの王女、クリスティーナ・シュルツと申します。」
「シュルツ?なんか聞いたことあるな」
「当然です、家名ですから。王家の名は建国以来、シュルツなのですよ」
ああ、それでか。僕がこの世界で邪竜の王を倒した時の仲間か。確かに建国の手伝いをしたな。
「ナルセはこれも覚えてないんですか?会食の時にお父様がしゃべってましたよ?」
「もちろん覚えてます!」
疑わしそうな目で見てくる。覚えてますよ?まるで一年前のことのように。
「それでですね、お父様が皆さんにお話があるといってましたよ」
ー
「仲間を失ったこと、申し訳ない……!」
謁見の間ではなく、会議室に呼ばれた僕達は王直々の謝罪を受けた。
「いえ、あれは不運な事故です」
たとえ人的なものにしろ、今はこう言うしかない。
「そしてこんな時に申し訳ないのだが、他国への勇者達のお披露目のため、闘技大会を開くことになった。
貴殿らも強い敵と戦う良い機会だと思った故、自国、他国の隔たりなく、強者を集めることにした。」
闘技大会?
「え?は、はい」
「うむ、気が乗らぬかもしれんが、隣国からも要求があったのだ。開催は二月先である。十分に準備してくれ」
「わかりました」
なかなか面白そうだ。バレない程度に本気を出そうかな?
いや待てよ……ふむその手で行こう。
それなら全力でやれるはずだ。