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プロローグ
「気に病む必要はないよ。君はよく頑張った」
吹きさらす荒野の中を、一人の少女が凛然と立ち尽くしていた。
少女のそばには爬虫類にも似た化け物どもが血を流して倒れており、そのどれもが傍目に見ても絶命しているのは明らかだった。
そこから少し離れた位置で、傷だらけの少年が、倒れ伏せた状態で少女の姿を弱々しく眺めていた。
必死に顎を上げて、刀を握る少女の姿を瞳に焼き付ける。
「そうだな。唯一難点を上げるなら」
少女が長く美しい黒髪を靡かせながら、悠然と少年の方を振り向く。
その時の少女の顔を、少年は絶対に忘れやしない。
その時の少女の言葉を、少年は絶対忘れやしない。
絶対に――たとえ死んでも忘れてなるものか。
「君があまりにも弱過ぎた――ただそれだけの話だ」
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