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音
「走れぇー」
僕の嫌いな体育。冬になっても汗が出るのはこの時ぐらいだ。眼鏡を掛けないと、ほとんどがぼやけて見える。でも眼鏡を付けて運動をすると、眼鏡を壊してしまう可能性がある。
「こっちにパスくれ!」
ボールを投げてやったが、誰だったのだろう。
バスケはあまり得意ではないが、嫌いという訳でもない。
「シュートシュート!」
さっきの人の声だ。どうやら彼はバスケ部らしい。
皆が白い靴を履いてるのに、一人だけ黒いバッシュがいると、目の悪い僕でさえも見える。
ドタドタっという走る音と、キュッキュッとゆう滑る音。眼鏡をかけなくても分かるのは沢山あるが、その中でもよく見えるのは、人間性だ........
性格が良い人と悪い人、明るい人と暗い人、リーダー的な人とそうでない人。まるで差別のように分けられ、大人の言葉など戯言だと気づくこの頃。
「萎えるな」
トイレに行くと先生に告げ、グダクダと歩いた。
大便に腰掛け、腰を丸めながら目を瞑った。
今日の一日はダルい、めんどい、
「あぁ帰りたい」