僕の眼鏡から見えるいつもの風景
ものがよく見える。けどまだ大きいな。
新品の眼鏡をつけるのは、まだ慣れない。
この感じが普通になる頃には、もう高校生だった。
小学に入ったばかりから眼鏡をかけていた僕は、少しだけ頭が良さそうに見える。それは客観的に見てのこと。勿論自慢したいわけではないが、成績は良い方だ。授業をちゃんと聞いているからね、先生が板書しているのをちゃんとノートに写し、理解を深めてる。学校を終えると、もう夕日が眩しいくらいまで時間がたっていた。真っ赤な夕陽。僕は何故夕陽が赤なのか知っている。それは、赤という色が一番遠くまで届くからだ。町並みは暗いところもある。窓は光が反射して眩しい。
坂の上にいる僕は、町全体を見回した。
僕の眼鏡に写るのは、まるで画家が書いたかのような、美しい色だった。海も見えるが、マンションが邪魔で一部しか見えない。でもそのお陰か、海と町の比率がずごく合っていた。
耳にイヤホンを付け、音楽を聞きながら坂を降りた。トラックのエンジン音が聞こえる。景色はたいして変わらない。通り過ぎるスーパーからは、いつもの音しか聞こえない。信号待ちしてると、音楽の歌詞がよく聞こえる。家に着いても、自分の部屋に閉じこまって音楽を聞く。
夕飯の時間はいつも決まった時間に食べるので、呼びに来ることはない。
何となく電気をつけた。眼鏡を外し、目を擦る。
眼鏡は疲れるのだ、掛けるのに慣れていても。
僕はベットに仰向けになって寝た。制服のままで寝るのが慣れている僕は、ネクタイを適当に外し、机の上に乗せた。勿論体制はそのままで。
一日経つのが長いと思う僕は、凄く萎えていた。
「学校めんどくさっ」
そう言って一日を終える。