表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
2章ー発芽1日目ー
4/105

よう、兄弟!≪改編版≫

自らの魔法内で、意識を失ってしまい現実世界に戻ってきました。私、そうアンです。

自分の内包世界で、昏睡とか噺のネタにしかなりませんね。くっそぅ......はずかしい。

でも後悔はしていません。例え、趣味の悪い建物のために倒れるまで力を消費しても......

嘘です!あの建物を今すぐに取り替えたい!できることなら色を戻すかしたい。


でも、あっちに行くには睡眠が必要ですし、神様が気絶じゃ行けないよって言ってました。夜まで待ちましょうか。

それまでに、目が醒めるまでに、私に何が起きたのでしょか?

今まで、いや昨日までは、昼間でも真っ暗な景色に動かない身体......どうしようもない状態でしたが、

なんと!今の私には手足の感覚があることがわかり、少し身動きがとれるようになったのです。

さらに、周りの音も、日向日陰の温度の区別も、理解することが出来るのみたいですね。

そしてそして、真っ暗だった視界に、緑色の発行するゲージが現れました!

これはなんぞや?と意識するだけで、詳細な数値と説明が頭に浮かんできたのでびっくりですね。


【MP】......通称:魔力値......表示されているのは、安全に使用できる量であり、無くなっても使えないわけではないが、自らの体力すら消費するため、MPゲージで......満足しようぜ。


ちょっ!?満足って

この世界......私はとても好きになれそうな気がしました。

で、はじめて見たときに


【MP】12/400


となっていることから......

はい、わかります。私が魔法空間で、あれをしたセイデスネ。金箔がいけなかったの!きっと!そうよ!!

しかし、回復速度が、尋常じゃなく早いことに気づいた。なんたって10秒に50ポイントずつ増えているのだ。このまま行くと、1分ちょいで全回復するだろう......これが神様にもらったチートなのか......いや、神様には魔法をしか貰っていないはず。自然回復の速度上昇スキルか、何かがあるはずだ。

そこで閃いた。

この時にはMPゲージが青色の満タン表示になっていたが気にしないことにする。


MPとか、そういうゲームっぽいのって大抵「ステータス画面」みたいなのがあるはずだ。前世の記憶で、『夢を奏でる正義』のRPGってやつでも、あったから間違えない。

頭の中にあるなら、イメージすれば出てくるはず......あれ?

出てこない......よ?


どうしてだか悩んでいると、ケータイのバイブレーションにそっくりな振動が左腰にあった。雪の中をもがくように身体を捻り、なんとか手を伸ばして、掴んだ。形はスマホに近かった。

あれ?この形......庭園で神様に貰ったカードじゃないかな?


埋まっている身体を掻き分けて、手を顔の前に持ってこれるスペースを確保した。そこで気づいたことがアンには2つあった。


私って、土の中にいたのね......今更なことだった。

でも、この土チョコの味がする......これは、驚愕の発言だった。

普通なら、人として問題があるが、今は転生して人ではないため、問題はないだろう。


チョコ味の土を控えめに食べたが、特に嫌悪感や抵抗は感じない。もしかしたら、分割したときに持っていかれた、魂の一部の影響かもしれない。


まぁ、本人は特には気にしていないっぽい。




そして、本来の目的を果たした。やはりこのカードが、この世界では大切になるらしい。そんな旨が、取説ページに書いてあった。庭園内で使えないのは【魔法領域】と言う独立した場所だかららしい。操作方法は、もはやスマホそのものだった。ただし、画面は空間にホログラム化され、タッチするのも空中のホログラムにだ。


へぇ、すごい、不思議......


どうなってるんだろうと、気になるところだが摩訶不思議ファンタジー世界にいるんだ、不思議機構と結論付けよう。

原理を言われても理解できる気がしないわ、神様もしてなさそうだし。


『プロフィール』ってところかな......


とりあえず、ホログラムを押してみた。押されたホログラムが弾け、光が舞うエフェクトの後、縮小された全体像を映すホログラムの横に色々と書いてあった。

まず、私の種族は、魔法植物マンドラゴラで......昨日はなかったものが、頭に有るらしい。有るらしいと言うのは、今はチョコ味の土の中で

頭の上が見れないからだ。


頭にある花は、生えているというよりも、頭と花が一体化しており、例えるならカッパの皿の位置に綺麗な黄色の花があって、さらに花びらの下からは、同色の髪が膝まで延びている。髪の長さは変わらないようだ。

頭に違和感はなく、すぐ馴染むだろう。


MP:400/400

種族:魔法植物マンドラゴラ

タイプ:即死誘発型......特徴としてマンドラゴラには咲かない花が咲いていること。

魔法:【小さな庭園】......領域生成魔法の亜種、基本的に植物精霊のみが持つ領域魔法に似ている全く違うもの。

発動スキル:『【精神安定】【黄金の輝き】【重ね掛け】』

固有スキル:【絶叫】【花粉】【想天花(緋色)】

備考:現在【重ね掛け】により、魔力回復力を5倍にしています。


うん、私はどうやら、マンドラゴラっていう、映画とかで見かける引っこ抜くと絶叫をあげて抵抗する種族みたいです。

神様から貰った魔法はやっぱり特別仕様なんですね。領域生成魔法に似て非なるものってことかな?

......発動スキルだけど、あれだよね?魔法領域内に創った、なんちゃって日本式庭園影響ですよね......【重ね掛け】と【黄金の輝き】で、わかっってしまう私の心にトラウマです。


【精神安定】......【小さな庭園】から発生した常時発動スキル。一定条件下で、物事を冷静に対処することができる。

【黄金の輝き】......自然系の魔法の火、水、風、土、光の5種類の魔法適正を上昇させる。適正がなくても、初級魔法の発動はできる。

【重ね掛け】......ある一つのスキル及び、運動性能のどれかを項目から選び、最大5倍まで上昇させる。魔法の場合はその限りじゃない。




ステータスはこんなところかな......

あとは、随時検証してみないと、解らないことだらけだ。


とりあえず回復量の原因はわかったので、魔力の過剰摂取にならないように、【重ね掛け】スキルを外した。スキルの外し方は、イメージをすするだけではずせるらしい。つけるときは、カードを操作してONにするしかないみたいだ。

しかし、【重ね掛け】って地味だけど恐ろしいかな......どんなスキルも、5倍の威力に早変わりとは......

スキルの元となるのは、金色の五重の塔......ですか。

すごく......複雑です。

これじゃない感が半端ないんですけど、こんなにいい効果だとは思いませんでした。

自分の状態も理解できたので、地面から脱出をしようと、地上に向けて身体を動かした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




周りの土が柔らかくなり、動きやすくなったので、モコモコした土を押し退けて、地面から頭を出した。

回りからは何もない地面に突然、満開な花がモコっと出てきた光景が見られただろう。

長い髪は地面に埋まったままだが、気にせずに目の下まで地面から顔を出して、くるりと観察した。

どうやらここは、薄暗い森の中のようだ。


今の私だと確か『スラポン』にも勝てないって神様も言ってたし、慎重に行動をしようとしていると、突然、隣から声を掛けられた。

スキル【精神安定】の効果で、悲鳴を挙げずに済んで、ほっとして、声の正体を探すが、周りは森林の木々が開けた場所だから、隠れるところはないはずだった......が見つからない。

そして、また声を掛けられた。


「よう!兄弟、てめぇ~自分から飛び出る気か!?」


今度こそはと、視線を右に向けると、すぐとなりにウニョウニョ動く植物が、いや、どうみても雑草です。埋まっていた。

その姿に、前世での畑作業の経験から、ウニョウニョ動く植物を引き抜きたくなってきた。


「いいか、自分から出ることに価値があるとおもうか?はっ!わからんだろうがな」


答えすら聞きませんでしたよ、この草!!

自然と右手が動いている草を、猫じゃらしと遊ぶ猫のように、掴もうとする。


「おい、兄弟!いい加減にその手を止めな!俺も黙っちゃいないぜ?」


フリフリする草を見るとどうしても、手が出てしまう。

でも、掴めない、なかなか、やりますね......えい、くっ!やぁ!


「おいいいい、調子くれてっとヤるぞ?シャウトすっぞ!?」


そして、言われたこともお構い無く、掴もうとしては避けられを、長い時間繰り返していた。


「あん?マジでいい加減にしねーと、俺が本当のシャウッッッッっとあぶね、シャウトするところだったぜ......気を付けな兄弟ェ」


「あああああ、いま惜しかった。いいや、掴んだ!掴んだわ絶対!」


「聞いちゃねーよ」


地面から身体を腰まで出しながら、まだ目の前の動く草を掴もうと、必死になっているアンと、あきれつつもノリがいい謎の草との攻防が続いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ