表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
2章ー発芽1日目ー
11/105

魔性の森を抜けて......《改編版》

寝落ちってかなしいですね。来てくれてありがとうございます。

リラ・ギュケルが、ルミナスと呼ばれていた勇者に対して、怒りと憎悪を撒き散らしていた頃。


黄色い蛍光色の花に同色の髪を持つ幼女と、長身で茶色い髪を持つ獣人族の猫型(フェル・キャット)のミャオ・チャトレ、及びミャオの肩から吊るされてるファンシーのポップコーン入れに入っている、見た目が雑草のギルフォード・アークウェイは、現在ちょっとした危機に瀕していた。


「「こっちキタ」ニャ!」


(おい、おい!マジでアイツ何してんの......頭緩いの?)


「ちょ、ミャオさん急いでください!追っておきますよ!」


「わかってる!でも、あの黒い炎は密集地だと無敵すぎるニャ!」


「そうだ!軽量化!そういうときこそ軽量化ですよ!」


近くにあった大きな木が弾け飛ぶ。

即座に回避するミャオさん。


「くっ今の爆散で、炎がカスリそうになったニャ!良い案あるなら即実行ニャ!」


やはりイッパイイッパイなのか意見を(うなが)してきた。


「私を捨ててけば、早く行けますよ!そして3人助かります!!」


(何言ってんだ兄弟!?)

「何言ってるニャ!?」


あれれ?




戦闘音が近づいて来たことで、巻き込まれないように遠くまで来たが、つい先程、森全体を揺るがす轟音と、連鎖的に爆発する音、さらには、感染するかのように爆発的な速度で広がってく黒い炎が迫ってきた。

そしてよく見ると、炎と言うには些か抵抗がある特性を見せられてしまった。

黒い炎が燃え移った木は、ミシミシ、バキバキっていう圧力を掛けられたように聞こえる音の後に、パーン!と全体に向かって弾けて飛んでいく残骸と一緒に炎も飛び散って全方位にばら蒔かれ、その先で再び燃え広がって、また弾ける。

これを繰り返しながら範囲を拡大してきたのだ。


始めの内は、周囲は何も見えず、遠くから聞こえる戦闘音だと思い、頭に疑問符を浮かべるくらいだったが、段々近づいてくる音が聞こえると、恐怖心が大きくなり、二人と一匹は、後ろを確認せずに走り出すしかなかった。

走り出してから、10秒で幼女がバテててしまい、ミャオが幼女を抱えるために、後ろを振り返ったら、追ってきているのは、『リストリア』のメンバーが放った炎だったわけで、この炎の危険性を知っているメンバーのミャオとギルフォードは幼女を抱えたら全力で逃げた。そして、今に至る。


「こんな所で混乱してるんじゃないニャ!」


(兄弟なんか盾にも、時間稼ぎにもなんねーよ!)


「えへへ......」


にへらっと笑うアン。

その様子を見て驚くミャオとーギルフォード。


「なんか目がヤバイ!どうしたニャ!?」

(誉めてねーよ!おい、どうしたんだ兄弟!?)


魔性の森を南下することで、コンクレント湖上都市の湖であるレーゼン湖に出ることが出来る。

しかし、森の中を直線のようにまっすぐに向かうことは樹木が生えているから無理である。やはり、大きな木々を迂回しなけれあならないだろう。そして、その迂回しようとした木々に黒い炎が燃え移り爆散を繰り返しながら、後ろから追いかけてくるので、東に行ったり、西に行ったりで、森の中を縦横無尽に走り回っていた。


ミャオは、抱えた脇で「えへへへ」と不気味に笑うアンの異常事態を何とかするべく、植物状態のギルに声をかけた。


「どうしたニャ?......ギル!声は聞こえないけど何とかするニャ!」


「緊急時だ、魔力消費なんて構ってられるか!!任せろ!だから、走るのをやめんじゃねーぞ!?」


ミャオの声に答えるように今度はミャオに聞こえるように発声したギルフォード、どうやら事態は魔力温存とか言ってられなくなったようだ。


とりあえずギルはアンの服の中に触手を入れていた。


「あれ?お花畑......ん、やん!」


「ちょっと動くなよ、カード見るだけだからな......変な声出すんじゃねぇぇぇぇ兄弟ェェ!?」


「......ギル、まさかの幼女趣味とは、ちょっと引くニャ。」


「状況わかってんのか!?ふざけてる場合じゃねーよ!!」


ギルは、ファンシーな鉢植えから2つの蔓を伸ばし、反対側でミャオに抱えられている幼女の黒ワンピースのポケットに蔓を突っ込んだら、幼女がくすぐったそうに声を漏らした。黒い炎から全力で逃げつつ、近場で聞こえる艶かしい声に、ミャオのネコミミと尻尾もそわそわしだした。


「おし!どうせ、このアホのことだ、MP切れでトリップしてんだろ?」


「MP?魔法植物はかなりの量を持っているはずニャ、そんなにすぐにはなくならないと思うニャ。」


いまだに、「えへへ、ふふふ。」と言ってトリップしているミャオに抱えられた幼女のMPは確かに獣人のミャオや生まれたばかりの同族に勝てる程あるが、彼女は今日だけで2回MPがなくなる稀少な体験をしているのだ。

自らの魔法で変なものを具現させたためにMP消費量がけた違いに多く、また魔法植物として擬人化しているために動くだけで自然に減っていく負の特性。さらに、現在は地面についているのは身長以上の長い髪でだけのため回復も見込めない。


「ああ、だからこいつのカードを借りて自然回復系のブーストスキルを設定すれば、なんとかなるだろ?」


「カードは命の次に大事なものニャ!当然ロックが掛かってるはず......出来るわけがないニャ」


「いやいや、もしこいつが俺の知っている人物だったら......」


「?」


ミャオは、ギルが考えていることは解らないがとりあえず、ロック方法がたくさん有るために操作できるわけがないと思い、ギルから意識を外し、黒い炎に追い付かれないように魔法を使うことにした。


「ギル魔法を使うニャ!カード落とすニャよ。」


「おお、やっぱ使わないとダメだったか、わかった。」


ミャオ・チャトレは獣人の猫型(フェル・キャット)の種族特性で、身体能力がとても高く身軽で器用に動ける換わりに、MP総量が少なく自然魔法の適正はほとんどない、また種族の中に極まれに1種類だけ適正を持つモノが生まれるくらいである。しかし、200年という長い時を生きた彼女は自らの魔法スキルを獲得していた。

【自己完結魔法】自分にのみに影響をあたえる魔法。他の魔法との違いは、この魔法は自然系と異なり魔法変化をもたらすのは自分の肉体だけということになる。


「【超反応(インパルス)】ーーー。」


「くぅ、やっぱりロックしてねーや兄弟!」


ギルの声がドップラー効果伴い周りには聞こえて来ただろう。魔法の影響か、今までとは比べ物にならない速度で森の中を、枝に飛び移って跳躍したりと立体機動で駆ける。実際この魔法は移動速度を上げたわけではなく、体の反応速度を上げただけなのだが、獣人の猫型(フェル・キャット)故に、元々高い身体能力を遺憾なく発揮できるようになったというわけだろう。


しばらく森を跳んだり跳ねたりして炎から距離が取れた頃、ミャオは速度を落としていた。


「おし、とりあえず、兄弟の発動スキルに唯一抜けていた【重ね掛け】をセットした......ああん?何に対してセットしますかだと?」


「てか、もう森抜けるから禁忌に手を染めるのはやめるニャ!」


ミャオは意識が混濁しているアンを不憫に思い、ギルに大事な情報が見られないうちに取り上げた。

当然ギルは抗議するが......


「あ、ミャオ!てめーなんで取り上げんだよ!兄弟の秘密がプロフィール見ればわかったのに!!」


「......なんでコイツにそんなに執着してるニャ?」


「......なんで、だろうな」


ギルが自分でも意識していなかったのか改めて考えてからわからんと言った。


そんな会話をしつつ森を抜け『レーゼン湖』湖畔まで来ることができた。

魔力の高まりを感じ、後ろを振り返ったが、どうやら炎の侵食は止まったようだ。

変わりに空に大規模な魔方陣が描かれ即座に消えてしまった。


「?なんの魔方陣ニャ、見たことないニャ」


「......星天の浄化魔法だな、浄化魔法としては最大級で最高性能と言われるやつだ、見た目時間さえ戻ったように感じる再生力に、領域内の異常を浄化するって奴だ。魔物は一発で昇天だな。」


「......リラ大丈夫かニャ?」


「ばっか、あいつは魔物じゃなくて自然精霊だぞ?水以外の魔法なんか効かねーよ。」


「ニャァ......そうだったニャ。」


「ふえ?朝ですか?ゴハンは私が......あげません」


「「......」」


「とりあえずこいつ......」


「何とかするニャ......」


そうして、目が覚めたときにはーーー。


いつのまにか戦闘が終わり、いつまにか魔性の森を抜けていたことを知ったアンでした。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ