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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第1章 タウゼン王国編

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(1)第一の町

 タウゼン王国は、西大陸の東南東辺りに位置する国家である。
 西大陸で一番の東に位置しているのは、以前セントラル大陸にちょっかいを出して来たコラム王国なのだが、タウゼン王国はその南に位置している。
 地理的にコラム王国の次にセントラル大陸に近い王国で、港町も多く持っている海洋国家になる。
 そのため、コラム王国ほどではないが、セントラル大陸との直接取引も行っている。
 慰安旅行と称して、考助達がセントラル大陸から船を使って最初に降り立ったのが、このタウゼン王国の港町だった。
 今回は、空を飛んだり魔法を使ったりせずに、正規のルートできちんと(?)船を使ってこの港町に来たのだ。
 交通がさほど発達していないこの世界では、移動もまた旅行の醍醐味の一つになっている。
 お金には不自由していない考助は、一等の部屋を借りて優雅な船旅を楽しんだ。
 出てきていた食事も船という事情を鑑みても、それなりに工夫を凝らした料理だった。
 十分に船の移動を楽しんだ考助達は、こうしてタウゼン王国の地を踏みしめたというわけである。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「中々雰囲気がある港町だね」
「そうね」
 サウリの街は、タウゼン王国内の数ある港町の中でも三本の指に入るほどの大きな街となっている。
 その町並みは、考助の感覚で言うと、中東あたりの白や黄色っぽい色が基調になっている土壁の建物で統一されていた。
 流石に大きな港町だけあって、大通りに建ち並ぶ店やそこかしこに広げられている露店には多くの人が集っていた。
 ちなみに、西大陸にはまだクラウンの支部は置かれていないが、一番最初に置かれるのはタウゼン王国になるのではないかと予想されている。
 というのも、過去の経緯でコラム王国はセントラル大陸にちょっかいを出したために、ラゼクアマミヤとの関係がいまいちよくない。
 そのため次いで取引のあるタウゼン王国に、クラウン側は注目しているのだ。
 一方でタウゼン王国も、ラゼクアマミヤとの取引が増えて経済が良くなってきている。
 今まで続いているいい関係が、支部設置の話へと傾きつつあるのが現状だった。

 街の中を歩みを進めつつ、並んでいる露店で買い食いをして行く一行。
 そんな中、考助は懐かしい視線に晒されていた。
 コウヒとミツキを凝視する視線と、それと相反するような考助への妬み嫉みのこもった視線だ。
 考えてみれば、ナナが一緒に付いてきているが、こうして三人だけで街中を歩くのは本当に久しぶりの事だった。
 現人神となったからと言って顔面偏差値が変わったわけではない考助が、絶世のと言える美女二人を連れて歩けば、こういった視線に晒されるのはある意味当然のことなのだろう。
 特に男どもの視線からは、「何故お前が」という怨念がこもっていそうな感じを受けている。
 視線に人を殺せる力があれば、間違いなく考助は百回では足りないほど殺されていたりするだろう。
 幸いにして、そんな力を持つ者は存在していないので、こうして無事に歩けている。
 もっとも、実際にそんな攻撃を受けるのは、隣にいる二人が絶対に許さないだろうが。

 表通りの店やら露店に注目しながら、今晩泊まる宿を探す一行。
 土地勘があれば、裏通りにある隠れ宿を探したりするのだが、初めてくる土地ではそんな冒険をする余裕はない。
「さて、宿をどうしようか?」
「折角だから、冒険者登録の更新をしてから聞いてみたら?」
 ミツキの提案に、考助はフムと考え込んだ。
 確かに冒険者ギルドで紹介される宿は、それぞれのランクに見合った宿が紹介される。
 逆に言えば、そのランクに合わない宿は紹介されないのだ。
 考助達の冒険者としてのランクは、そこそこのランクがあるが高級宿が紹介されるほどではない。
 冒険者としてのランクは低いのだが、シュミットを通して売り払っている素材や魔道具の料金だけでも莫大な財産があるのだ。
 はっきり言えば、一流の高級宿に連泊したところで特に問題ないのだ。
 どうせだったら、高級宿の高級な部屋にも泊まってみたい思いがある。
「それだと、高級宿は紹介されないだろう?」
「まあ、そうね。泊まりたいの?」
「たまにはいいんじゃないかと思ってね」
「でも、そう言う所って一見さんお断りが多いのでは?」
 コウヒの突込みに、考助も確かに、と頷いた。
 考助達のように、ふらりとやってきてすぐに入れるような宿は、基本的に足元を見ていたりする可能性が高い。
「まあ、今回はしょうがないか。素直にギルドに紹介してもらおう」
 考助の言葉に、コウヒとミツキの二人も頷いた。
 基本的に考助も興味本位で高級宿に泊まってみたいだけなので、さほどこだわりがあるわけではないのだ。
 結局、ミツキが言った通り、まずは冒険者登録の更新をしたうえで、ギルドで宿の紹介をしてもらうことになるのだった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「これで更新作業は終わりです」
 冒険者ギルドの受付嬢が、そう言って一枚のカードを出して来た。
 タウゼン王国にはクラウンの支部はないが、ギルド間では連携しているので、クラウンカードがあれば西大陸で使えるギルドカードを発行してもらえることになっている。
 今回は、それぞれが持つクラウンカードを元に、ギルドカードを発行してもらった。
 三人のクラウンカードのランクはCランクとなっていて、ガゼランには「ランク詐欺」と言われている。
 もっとも、考助達がそのカードを出した時点で、受付嬢はランクを見て驚いていた。
 考助達の若さでCランクまで上り詰めるのは、かなり早い出世と言える。
 ただし、それはあくまでも見た目であって、出会ってから全くと言って良い程容姿が変わっていない三人の場合は、全く参考にならない。
 ちなみに、考助のクラウンカードを見た瞬間、受付嬢が獲物を狙う獣のような目つきになっていたが、考助はそれを綺麗に無視していた。
 その後コウヒとミツキを見てため息を吐いていたのを見逃さなかったのだ。

「有難う。それで聞きたいんだけれど、どこかいい宿を紹介してもらえないかな?」
「宿ですか。畏まりました」
 そう言う問い合わせは多いのか、すぐに受付嬢はいくつかの宿を紹介して来た。
 予想通り、紹介して来た宿はランクに合った所になっていた。
 こうした宿は、ギルドと提携していたりするので、外れが無いのが特徴だ。
 逆に、宿としてひどい所は、提携から外されたりするので、宿側も必死になる。
 といっても、よほどひどい経営をしていないと、外されたりしないのが普通だったりするのだが。

 受付嬢の話を聞きながら、いくつかの宿に絞って向かう事になった。
 きちんとギルドの紹介状をもらっている。
 複数持っているのは、宿に行った時に空き部屋が無い場合があるからだ。
 受付嬢は「この時期は大きなイベントもないので、大丈夫だとは思いますが」とは言っていたのだが。
 幸いにして、受付嬢が一番おすすめしてきた宿は、満室という事もなくすぐに入ることが出来た。
 同じランクの宿と比べると、料金が高めの設定になっているので勧めづらいと言っていたのだが、考助が特に気にしないと言うと、受付嬢が猛烈に押して来たのだ。
「成程確かに、部屋を見る限りではいい宿だね」
「そうね」
 考助の感想にミツキが同意した。
 部屋の内装を見る限りでは、値段相応以上の価値がありそうな感じがしたのだ。
 後の問題は食事だが、受付嬢が特におすすめしていたのが食事なので、この部屋を見る限りでは期待できそうだ。
 ちょっとした休憩を挟んだ一行は、期待を胸に食堂へと向かうのであった。
今章は少し長めに続く予定です。(予定は未定w)
折角なので、コウヒとミツキ(ナナも)との絡みを増やした章にしたいです。
ちなみに、ガゼンランの塔もちゃんと出す予定ですが、攻略自体はいつも通りあっさりで終わらせるつもりですw
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