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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第1章 塔に向かおう

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(2)移動手段

よろしくお願いします。
 考助が、コウヒとミツキの二人の名付けを終えた後。
 いつまでも同じ場所にいるとまたブラックベアーのような魔物が来るかもしれないということで、三人は二手に分かれて行動することにした。
 目的は食料の確保と足の確保だ。
 三人が出現した場所は、一番近い町からでもかなり離れている場所にあるとのことだった。町まで徒歩で移動することになると、考助が徒歩での移動に慣れていないためかなりの日数がかかってしまう。そのためコウヒとミツキのどちらかが足の確保に行くことに決めたのだ。
 どちらが向かうか決めるための勝負(考助の提案によりじゃんけんになった)は、たかがじゃんけんであるはずなのに壮絶を極めた。もちろん考助の傍から見た印象だ。
 勝負自体は一瞬で決まったのだが、その前段階の二人から受ける圧力がすさまじかったのだ(あくまで考助が受けた印象)。
 結果、ミツキが足の確保に向かうことになり、考助とコウヒは近場で今後のための食料の確保をすることになった。
 食料の確保をしている間に、考助はコウヒから実践的な知識を教わっていた。
 簡単に言えば、キャンプの作り方や場所の選び方などだった。
 アスラ達から教わったのは、あくまでもアースガルドの一般的な知識だったので、その辺のことは教わっていなかった。
 ついでに、アースガルドについての話も再確認しておいた。
 [常春の庭]で話を聞いて、まず考助が一番驚いたのは、アースガルドが平面世界であるといわれたことだ。地球のように球体になっていないとのことだった。
 いま考助たちがいる大陸を中心にして、海を挟んで東西南北にさらに大陸がある。
 さらにその先の海を進んでもいまだ新しい陸地の発見などはない。
 アスラに創られた存在であるコウヒであれば、その先もわかるのではないかと思って聞いたがその知識は与えられていないとの返事が返ってきた。
 今いる大陸はセントラル大陸と呼ばれていて、魔物が跋扈する大陸だ。
 他の四つの大陸にも魔物は存在しているが、その強さと多さは段違い。
 セントラル大陸には内陸には人が住む町がなく、かろうじて海岸沿いに存在しているだけと言う状況だ。
 過去何度か内陸部に町を造ろうと他大陸の国家が建築を目論んだが、一時的に拠点になったとしても結局は大量の魔物に襲撃されつぶされている。結果として比較的弱い魔物しか存在していない沿岸部のみに町が点在している。
 町から町への陸路もほぼ間違いなく魔物に襲われるため、護衛は必須となりそれもまた町の発展を促せない状況になっている。
 そういうわけで、ヒューマンである考助にとっては過酷な環境に放り込まれたと言えなくはないが、コウヒとミツキの存在でそれはほとんど関係なくなっている。
 何しろ、大陸に存在する魔物のほとんどは一蹴できます、という答えが返ってきたからだ。
 現にコウヒと二人で食料を探している間、何度も魔物に襲われているがコウヒが一撃で倒している。
 ちなみに倒した魔物は、町で素材として売ることができるそうで、コウヒが魔法で別空間に仕舞っている。
 それは初めて見た考助が「アイテムボックスみたい」と呟き、それを聞き咎めたコウヒが「その通りです」と教えてくれた。
 それを聞いた考助が、世界が変わっても考えることは一緒なんだな、と思ったのはここだけの話である。
 ちなみに、一口でアイテムボックスと言っても、入れることが出来る容量によって三段階ほどあったりする。
 と言ってもアイテムボックスの魔法を使う際に、何か違いがあるわけではないので、傍目から見てそれが上級のものか、下級のものかは区別出来ないのだが。
 ちなみに、上級と下級の間には、中級の者もある。

 そんなことを話している間に、ミツキが帰ってきた。
 その時はすでに狩りを終えて食事の準備にかかっていた。といってもろくに道具もないので大した料理はできませんと言われていたが。
 そしてミツキが連れて帰ってきた「足」を前に、考助は呆然と突っ立っていた。
「・・・ミツキ、これ、なに?」
「飛龍です」
 体長約七メートル、左右の翼を広げた横幅五メートルの爬虫類(?)が考助達の前に三体鎮座していた。
「えーと・・・これに乗って、移動すると?」
「そう」
 当然です、とばかりにミツキが頷く。
 ちらりとコウヒを見るが、当たり前と言った表情で立っていた。
「・・・・・・乗ったことがないんで、全然乗れる気がしないんですが・・・」
 恥を忍んでカミングアウトしてみるが、ミツキはにっこりとほほ笑んだ。
「大丈夫。背中にさえ乗っていれば、あとは勝手に飛龍が飛んでくれるから。まあできるだけ動かないようにしてね」
 食事ができるまで時間がまだあるとのことで、乗ってみるように促されてしまった。
 結局断ることができずに、考助は一体の飛龍の上に乗ってみることになった。
 当然鞍なんてものはないので、苦労しながら座りやすい場所を教えてもらいながら腰を落ち着ける。
 その間、飛龍はおとなしくされるがままになっていて、考助は飛龍っておとなしいんだなぁ、などと盛大な勘違いをしていた。
 本来飛龍は獰猛な生物で人を乗せるなんてことはしない。この飛龍がおとなしいのは、ひとえにミツキの「しつけ」のおかげである。
 考助には絶対に逆らわないように、言い聞かされているのだ。
「じゃあ飛ぶから、一応気を付けてね。といっても変に体に力は入れないほうがいいかな」
 そう言われて、何となく体の力を抜いた瞬間。あっという間に、考助は空を飛ぶことになった。

(うわぁ)

 不思議なことに恐怖といった感情は浮かんで来なかった。
 後で聞いたのだが、飛龍は翼の力だけで飛んでいるわけではないとのことだった。
 生まれついて持っている魔法(のようなもの)で飛んでいるため本来あるはずの前から吹いてくる風もほとんど感じられない。
 そのため飛んで数分もたたずに、周りの風景を楽しむ余裕さえ出てきた。

(・・・あれ?)

 空から周りの景色を楽しみながら考助は、ふと違和感を覚えた。
「・・・・・・もしかして、お前か?」
 なんとなく飛龍に聞いてみると、その違和感は肯定的な感情に変わった。
「キュオ」
 ついでとばかりに飛龍の口から返事が返ってきた。
 見た目とは裏腹にかわいらしい返事である。
「話はできないけど、言葉は通じてるのかな?」
「キュオ」
「・・・そうか」
 その会話もどきが楽しくなってきた考助は思わず飛龍の背中を撫でた。
 すると今度は、嬉しそうな感情が流れてきた。
 こうなってくると考助も、最初のビビりはどこかへ吹き飛んでしまった。
 そして、どんなことができるのかいろいろ試してみることにした。
 その結果。ある程度考助の指示通りに加速・減速したり方向転換ができるようになった。
 もちろん戦闘などの激しい動きは無理だろうが、旅の足としては十分な出来だ。

 空を飛ぶことに熱中していると、考助の耳にコウヒの声が飛んできた。当然、魔法を使っている。
「お楽しみのところすみません。食事ができましたので、そろそろ戻ってきてください」
「うわ。ごめん。すぐそっちに行くよ」
 いろいろ試していたため、かなりの時間を飛んでいたようである。
 慌てて二人が待っている場所へ戻った。
 着陸も難なくこなす考助を見た二人は、驚いた表情を浮かべていた。
「どしたの?」
「いえ・・・さすが主様です」
「だね。私もびっくり」
 二人は飛龍に任せるままに飛ぶのではなく、明らかにいうことを聞かせて飛んでいたのを見て驚いたのだ。

「なんとなく、この子の感情みたいのが分かったから色々試してみたんだけど」
「普通はそんなことはわかりません。・・・もしかしたら主様はテイマーとかその辺の技能があるのかもしれません」
「うーん・・・確定ではないから、あくまでも参考ということで考えたほうがいいかもね」
「ふーん。そうなんだ」
 技能があると言われても、考助自身もなぜあんなことができたのかわからないので、そういうこともあるのかと話半分に聞き流した。
 コウヒとミツキの二人もそれ以上は特に突っ込んだことも話さずその話は終わった。
 ちなみに、食事中に三匹の飛龍にはそれぞれ名前がつけられることになった。
 考助が乗った飛龍はコー。コウヒの飛龍はヒー。ミツキの飛龍はミーと決定した。

 食事が終わって二人が片づけをしているとき(考助も手伝おうとしたが断られてしまった)、考助は何となくコーのそばでボーっとしていた。
 もう日が暮れそうなので空を飛ぶことは禁止されている。夜の飛行は慣れてないと危ないからだ。
 あとは寝るまですることもないので、何とはなしにコーの様子を見ていると、ふと自分からコーへ流れ込んでいるものが見えた。よく見るとコーから自分へと流れているものもある。

(なにこれ?)

 触ろうと思っても触れず、物理的につながっているものではないようだ。間に手をかざしても流れが変わったりもしなかった。
 意識してみるとその流れを強めたり弱めたりすることが分かった。ただ、ある一定以上は強くはできなかった。

(弱くすることができる・・・ということは、消したりもできる?)

 やってみることにした。
 だがなかなかうまくいかない。

(弱くする・・・だけじゃダメなのかな? 弱くするんじゃなく、消す?感じかな?)

 熱中している考助は気づいていなかったが、このときのコーは不安そうな様子で考助を見ていた。

(消す・・・なくす・・・こんな感じ、かな? ・・・・・・できた!)

 フッと先ほどまであったつながりが無くなるのが分かった。
 だが、それと同時に・・・・・・。
「きゅお! ・・・きゅおきゅお!!」
 そばにいたコーが騒ぎ出した。
「何事です!?」
「なに? どうかした!?」
 騒ぎ出したコーを見てコウヒとミツキが何かあったのかと周辺を警戒する。
「あ、ごめん! コー、ごめん」
 繋がりがなくなったと同時に、先ほどまで感じていたコーの感情がなくなったのが分かった。コーの側も同じで、だからそれが突然切れたので騒ぎ出したのだと分かった。
 すぐに最初の時と同じ要領で繋がりを元に戻した。
 一度つながった感覚を覚えていたので、元に戻すのはすぐにできた。
 つながると同時に、コーの騒ぎも収まった。安心したような感情が流れてくる。
 もう一度謝りながらコーの首筋をポンポンとたたいて、考助は不思議そうな顔をしているコウヒとミツキに説明をした。
「そんな話は聞いたことがありません」
「私も無いわね」
「そうか・・・」
 色々疑問は残るが、とりあえずできることはわかったのであとは今後の課題にすることにした。

 ちなみに・・・・・・。
 何も言わずに繋がりを切るとコーが必ず騒ぎ出すので、切る前には事前に合図のようなものを出してから切るということになるのであった。
ルート回答
コウヒ&ミツキ ⇒ 共通ルート(はれむ)
コウヒ     ⇒ 白ルート
ミツキ     ⇒ 黒ルート
※一応ルートだけ考えてますが、白黒ルートにすすむ予定はありません

2014/6/3 誤字脱字修正

2014/5/11 コウヒとの食料確保中の内容について色々修正 アイテムボックスに関して修正
2014/5/20 脱字修正
+注意+
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