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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 旅(セントラル大陸編)

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(6)リーダー種

※昨日上げた「(5)戦闘開始」ですが、ミツキが戦闘に加わっているような描写がされていました。
今回はミツキは付いてきていないので完全に間違いです。
昨日の21時前にはミツキに関する箇所は修正をしています。
大変失礼いたしました。

それでは本編をどうぞ。
「最後まで油断するなよ!」
 戦場にバートの掛け声が響き渡る。
「「「おう!」」」
 あちらこちらから多少余裕のある冒険者の返事が聞こえてくる。
 最初に二十体のモンスターがきてからは、散発的にしか襲撃に来ていないおかげで思ったよりも楽な展開なのだ。
 偵察の結果では、少なくとも百体多ければ三百と言う話だったのだが、予想以上に襲撃に来るモンスターが少ない。
 その原因もある程度の予想は付いている。
「思った以上に楽だな」
 バートのパーティメンバーの一人が話しかけて来た。
 その視線は、先ほどまでバンバンと爆発音が聞こえて来た方向を向いている。
 バートと同様、楽な展開になっている原因に当たりを付けているのだ。
「最後まで何があるかわからん。油断するなよ」
「分かっているさ」
 連続して聞こえて来た爆発音も今では散発的になっている。
 それが術者の魔力(聖力?)切れなのか、それともモンスターの数が減ったためなのかは不明だ。
 最後まで油断できないのは当然のことだ。
 何より、氾濫の要であるリーダー種がどうなっているのかは分かっていないのだ。
 群れを倒しきった後こそ慎重になるべき、と言うのはある程度の年月を冒険者として過ごせば当たり前の感覚なのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 レイラは目の前で起こっていることを呆然と見ていた。
 この役目を言われたときは、最悪の事も考えていた。
 だが実際は、自分が手を出す暇すらない展開が続いている。
 隣にいるコウという冒険者も自分と同じように戦闘メンバーには加わっていないが、その理由は何となく見当が付いている。
 先ほどからコレットと言うエルフが放っている術に巻き込まれないようにするためだと。
 現に、爆発の風に巻き込まれそうになった際に、結界らしきものを張る様子が見てとれた。
 術となっているのは、レイラにはコレットが使っている物が魔法なのか聖法なのかあるいは別の物なのかがわかっていないからだ。
 エルフであることを考えれば、精霊術という事もあり得る。
 たびたび結界を張ってくれているコウの傍には精霊らしきものも見えるので、同じパーティメンバーが精霊術を使う事は普通に考えられる。
 ただし、レイラの知識で精霊術でこれほどの爆発が起こすことが出来るという認識が無いので断言できないだけだ。

「あ、あれは・・・・・・精霊術ですか?」
 油断なくモンスター達を見つめる考助に、レイラが思わずと言った感じで聞いてきた。
 特に隠すつもりはないので、考助も素直に答える。
「そうですよ」
「そ、そんな・・・・・・あんな精霊術なんて・・・・・・」
 聞いたことがない、と言いたそうなレイラに、考助は笑って答えた。
「誤解されがちなんですがね。精霊術と言うのは、従える精霊の量だけで強さが決まるわけではないんですよ?」
「・・・・・・はい?」
 突然語りだした考助に、レイラは首を傾げた。
 今考助が言ったことと、自分の質問がどうつながるのかが分からなかったのだ。
「精霊術と言うのは、精霊を従えて現象を起こすと言われています。だからより多くの精霊を従えれば、より効果の強い現象を起こせるというわけです」
 考助の話をレイラは黙って聞いていた。
 精霊術を使えないレイラでもこの程度の話は調べる気になれば、いつでもわかる話なのだ。
「そこで誤解するのが、大きな爆発などの現象を起こすのには、より多く精霊を従えないといけないと思われがちです」
 ピーチやナナのサポートを受けながら、精霊術を行使するコレットを見ながら考助は話を続けた。
「ですが、それだけではなくどれだけ精霊と深く繋がりを持てるか、と言うのも重要になってくるわけです」
 そこまで聞いたレイラは、ようやく考助の言いたいことがわかった。
「要するに、精霊が少ないと思われるような場所でも、このような爆発を起こすことは可能?」
「まあ、そういう事ですね」
 レイラはようやく納得して頷いていた。
 だが、考助は気楽に語っているが、実はそう簡単なことではない。
 本来精霊と言うのは見える存在ではない。
 その見えない存在に対して、深く繋がりを持つと言われても中々難しいのである。
 幸いにしてレイラは精霊術が使えるわけではないので、そこまで深い突込みはしてこなかった。
 この話を聞いているのがセシルやアリサであれば、頭を抱えたかもしれない。
 あるいは、流石コレットと思ったかもしれないが、この場には居ないので残念ながら確認は出来ないのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 そんな話をするような余裕を見せつつ、考助達は順調にモンスターの数を減らして行った。
 その数がそろそろ百を超えるのではないかと思われたその時。
 遂に待っていたモンスターがやって来た。
 リーダー種の登場である。

 リーダー種と言うのはあくまでも複数種類のモンスターを従えるモンスターの事で、特にどのモンスターがリーダー種になるかは決まっていない。
 逆に、複数種類のモンスターを従えていない場合は、あくまでもその種のリーダーだったりするだけなので、リーダー種とは呼ばれない。
 細かい違いだが、その違いが大きな差になるのだ。
 リーダー種となると、その実力は場合によっては二ランク分も上がるとさえ言われているのだ。
 今回のリーダー種は、この辺りに出現する馬型のモンスターであるヘイトホースのリーダー種であることが偵察によって確認された。
 ヘイトホース単体であればCランクなので、一流と呼ばれる冒険者のパーティであれば、さほど苦労することなく討伐は可能だろう。
 だが、そのリーダー種となれば話は別だ。
 下手をすればAランクになるのではないかと斥候は予想していた。
「コウ・・・・・・さん、来ましたよ~」
 危うく考助と呼びそうになったが何とか我慢してピーチが注意喚起して来た。

 ヘイトホースのリーダー種は通常のヘイトホースよりも二回り以上も大きい体をしている。
 しかも周囲には配下となるモンスターを十体ほど従えていた。
 まず最初に挨拶となる精霊術をコレットがお見舞いをした。
 それだけで周辺のモンスターを討伐・・・・・・とはいかずに、何とか生き残っている。
 流石にリーダー種の傍にいるモンスターだけあって、彼らも通常の種類よりは強化されているのだろう。
 当然リーダー種のヘイトホースも残っている。
 そのヘイトホースを後回しにして、ピーチとコレットが周辺のモンスターを片づけていく。
 ナナはヘイトホースの牽制だ。
 周辺のモンスターを片づけて、いざ本番のヘイトホースに向かおうとしたその時。
 突然ヘイトホースが咆哮した。

「ブルアアアアアアアアアアアア!!!!」

 森中に響いたのではないかと思うくらいの大音量だった。
 流石にそれだけの音量の音を聞かされれば考助達も無事では済まなかった。
 勿論まともに食らったわけではなく、それぞれでそれなりに対策をしている。
 その咆哮が終わると同時に、ヘイトホースは森の中へと引いて行った。

 流石にリーダー種を見逃すわけには行かないので、考助達はそのヘイトホースを追いかけていく。
 勿論罠の可能性もあるので、十分に注意をしたうえでだ。
 そして、十分ほど森の中に入ったところで、そのヘイトホースが何故咆哮をした後に森の中に入って行ったかを理解した。
 その理由が考助達の目の前に居たのである。
 他に従えるモンスター達がいたのもそうなのだが、他に別の大きな理由があったのだ。

「番だったのか」

 逃げ込んだヘイトホースとは別のリーダー種のヘイトホースが控えていた。
 モンスター達のざわめきで騒がしいはずの森に、考助の声がはっきりと他のメンバーに届くのであった。
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