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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 旅(フロレス王国編)

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(4)活動税

 草原にいる二匹のトカゲのようなモンスターを、ピーチとワンリが攻撃していた。
 考助とミツキそしてナナは、少し離れた場所で二人の様子を見ている。
 一応何かあった時のために控えているが、ピーチの実力だとやられてしまうようなモンスターではない。
 ちなみに、ワンリは人化しているので、慣れない武器の扱いに苦労しているようだった。
 今二人が相対しているモンスターは、アオトカゲという全長五メートルを超えるモンスターだった。
 見かけによらず素早い体当たりをくらわしてくるモンスターで、中級冒険者でも倒すのにひと手間掛かる。
 ただし相対しているピーチは、戸惑っているワンリをフォローしながら、完全に二匹のアオトカゲをその素早さで翻弄していた。
 ワンリも最初に比べて武器の扱いに慣れてきているようで、段々と的確な攻撃をするようになっている。

「最初はどうなることかと思ったけど、何とかなりそうだね」
 ワンリの戸惑いにピーチが引っ張られる形で、アオトカゲ二匹に押し込まれていた二人だったが、今は完全に二人の方が押していた。
「そうね。ピーチもフォローに戸惑っていたみたいだけど、完全に慣れてきているしね」
 考助の観察に、ミツキも頷いていた。
 ナナは、考助の足元でお腹を見せてだらけ切った状態でモフられていた。
 完全に野生は失われてしまっている。
「あ、そろそろトドメを刺すんじゃないかしら?」
 ミツキがそう言った次の瞬間、ピーチが一匹のアオトカゲの首辺りにぐさりと短剣を刺した。
 それとほぼ同時に、ワンリももう一匹のアオトカゲに止めを刺した。
 初戦としては、上々の出来だろう。
 何より二人の連携をきちんと確認が取れたのが大きい。
 二人が止めを刺したのを察したのか、いきなりナナが起き上がってアオトカゲに向かって走り出して行った。
「お、おい、こら・・・・・・!」
「おこぼれにあずかれると思ったかしらね?」
 ミツキがくすくすと笑いながらそんなことを言って来た。

 結局ナナは、おこぼれにあずかることはできなかった。
 アオトカゲの肉は食用としても有用なので、売ることが出来るのだ。
 何より、考助の「太るぞ」という一言で、ピタリとねだるのを止めた。
 うわー、という女性陣の視線が痛かったが、何とか受け流した。
 その後は考助達も加わって、十匹のアオトカゲを狩ってからエイレンの町へと戻った。
 その帰りがけに、ある意味予定通りのイベントが待っていた。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 考助達の前には、昨日絡んできた男を含めた十人近い男達がニヤニヤと笑いながら待ち構えていた。
 それを無視して町に入ろうとする考助達を、わざわざ回り込んで止めた。
「おい待てよ。町に入るには、きちんと税金払ってから入りな」
 一瞬何を言われたのか分からなかった考助が、思わず止まってしまった。
「・・・・・・は? 税金?」
 そんなことは初めて聞く考助は、面食らった表情になった。
「そんなことも知らねーのかよ。このエイレンの町で冒険者が活動するには、一定額領主に納めなきゃいけないんだよ」
「そんな事聞いてないけど?」
「あたりめーだろ。こんなことは常識なんだよ!」
 そんなことを話している間にも、別の冒険者たちが町の門を通っていた。
「他の冒険者は通っているようだけど?」
「ああ、あいつらは、既に納めているんだよ」
 とても胡散臭い言い分に、考助は呆れたような表情になった。
「とても信用できないね。大体、その税金って何?」
「は? 税金は税金だろーが。たかが冒険者は、黙って払ってりゃいいんだよ!」
 馬鹿らしい話に、考助は思わずため息を吐いた。
「何の税かも説明できないような相手に払う義理はないね。大体、貴方が本物の徴税官だという証明も出来ないでしょう? そんな相手に金を出す馬鹿はいないよ」
 考助のまともな言い分に、女性陣が頷いた。
 それを見た周りの男たちが、一斉に囃し立てようとしたが、それを中心の男が止めた。
 相変わらずニヤニヤしたまま、余裕を持って話しかけて来る。
「証明できればいいんだな?」
「勿論。後は何の税金かきちんと説明できるようにね」
「・・・・・・フン。後で取り立てに行くからきちんと用意しておけ」
 それだけ言って、男は考助達を囲んでいた者達に通すように指示を出した。

「いいんですか~? 諦めてないみたいだけど」
 未だ門の所にいる男たちを見ながら、ピーチがそう聞いてきた。
「ああ。絶対また何か言い掛かりをつけてくるだろうね。ああいうのって、しつこいから」
「そうですよね~」
「言い掛かりなの?」
 ワンリが不思議そうな顔をして聞いてきた。
「さて、どうだろうね? あの様子だと、本当に徴税しているのかもしれないな」
「そうね。慣れた感じだったし、周りもまたかという顔になってたからね」
「また来るの?」
 そう言って顔をしかめるワンリに、考助が苦笑した。
「ああいう輩って、しつこいからね。まず間違いなく来るだろうね」
「そうね。それに、何か裏がありそうだったしね」
 中央にいた昨日絡んで来た男の顔は、何やら自信ありげだった。
 あるいは本当に、徴税官のような役割を担っているのかもしれない。
 先程のやり取りで、次に男がどういう対応をしてくるのか、面倒なイベントが必ず待っているのは間違いないのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 公的ギルドで依頼の清算を行った後は、そのまままっすぐ宿へと戻った。
 考助達が泊まっている宿は、冒険者御用達の宿になっているため、食堂になっている一階には冒険者たちが情報交換をしたりしている。
 考助達もそろそろ夕食を取ろうと、食堂に降りてきたところに、また例の男がやって来た。
 ただし、今度は小奇麗な男が一緒に着いてきている。
 その集団は、真っ直ぐに考助達がいるテーブルに向かって来た。

「貴方ですか。支払うべき物を支払わないという方は」
 考助の前に来るなり、小奇麗な男がそう言い放った。
 その周りでは、例の男たちがニヤニヤと笑っている。
「・・・・・・貴方は?」
「これは失礼。私は、この地の領主アミディオ様に使えるアキレスと申します」
 アキレスはそう言って、懐から一枚の書類を出した。
 一応それが、徴税官であることを示す書類らしい。
 それが本物かどうかまでは、考助には見抜けるわけもない。
「それで? アキレスさんは、何故ここに?」
「おや。この者からも聞いているでしょう? しかるべき税を払うようにと」
「私もその者に言いましたが? しかるべき税というのは、どういうものなのか、きちんと教えてほしいと」
 払うべき税であるのなら、出し渋るつもりはない。
 ただ、何のために払う物なのかをきちんと知りたいのだ。
 さらに、考助がしつこく食い下がっているにはもう一つ理由がある。
「どういうものか、ですか・・・・・・。そうですね。活動税というのがあるのはご存知ですか?」
「活動税ですか」
「そうです。活動税です。主に冒険者が領内で活動するのを許可するために設けている税になります」
 アキレスがそう言うと、その後ろにいた絡んできた男が勝ち誇った表情になった。
 完全にこれで考助から税が取れると思っているのだろう。
「それは、この領内独自に設けられているのですか?」
「いえ。この領だけではなく、他でもあります」
 アキレスが言っていることは嘘ではない。
 アミディオが治めている領以外にも近隣の領で同じような税をとっている所は他にもある。
 そして、だからこそ冒険者の中には、疑問に思わず払い続けている者もいるのだ。
 騙されているとも知らずに。
この活動税がどう言う物なのかは、次の話で書きます。
考助が食い下がっている理由というのも次回です。
書ききれませんでした><
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