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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第16章 塔とゴーレム

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(9) 新しい召喚獣

 第一号のゴーレム完成まであとわずかとなったある日。
 くつろぎスペースでまったりとしていた考助に、ハクが話しかけて来た。
「お父様、今いいですか?」
「ん? どうかした?」
「北西の塔の管理層へ来てもらえませんか?」
 突然の申し出に、考助は目をパチクリとさせた。
「何かあったの?」
「あったというか・・・何かをしたというべきか・・・」
 言葉を濁すハクに、考助は首を傾げた。
「んー・・・? ま、いいか。行くよ」
 そう答えた考助は、ソファーから立ち上がって管理層へと向かった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「・・・で? 来たけど何があったの?」
「これを見てください」
 そう言ってハクは、管理メニューの召喚陣のページを開いた。
 北西の塔は全く手つかずの状態なので、LVが上がっておらず召喚できる召喚獣の数は少なかった。
 だが、ハクが示したところには、新しい召喚獣が追加されていた。
 追加されている召喚獣の種族は、<ミニドラ>となっている。
「召喚でもした?」
 LVが上がっているわけでもないのに追加される要素は、考助は二つしか知らない。
 持ち込むか、召喚するかの二つだ。
 ミニドラという種族は、他の塔でも思い当たらないので、召喚で増やしたのかと当りを付けたのだ。
 問われたハクは、コクリと頷いた。
「はい。ミニドラは私の眷属というべき存在なので、いつでも召喚できるので召喚してみました」
「なるほどね」
 ハクが北西の塔に召喚をしたことについては、考助は何も言わなかった。
 北西の塔を放置すると決めていたのは、検証の意味もあったのだが、人手が足りなかったという意味もある。
 ゴーレムに目途がついている以上、空きの塔を作る意味も薄れていたので、タイミング的にはちょうどよかったのだ。
「ただ、この塔に召喚する前に、他の塔にも召喚してみたのですが、メニューに登録されたのはこの塔だけでした」
 聞き捨てならない情報に、考助は驚いた。
「もっと詳しく教えて」
 考助に促されて、ハクが話を始めたが、内容はごくシンプルだった。
 最初、シルヴィアに付き添って階層のチェックをしているときに、ふと思いついてミニドラを召喚した。
 召喚は普通に出来たので、管理層に戻ってチェックをしてみたが、ミニドラは追加されていなかった。
 その後、他の塔でも試してみたが、どの塔でも登録されることはなかった。
 アマミヤの塔と北西の塔が残っていたので、先に北西の塔で試してみたところ登録されたので、慌てて考助の所へ報告しに来たという事だった。
「なるほどね」
「・・・あの、怒ってません?」
「怒る? なんで?」
 恐る恐る聞いてきたハクに、考助は首を傾げた。
「勝手に北西の塔を使ったから・・・」
「ああ! いや、怒ってないよ。むしろよく見つけてくれた」
 考助の答えにハクは、ほっと溜息を吐いた。
 最初が上手くいかなかったので、勢いで次々と召喚をして行ったのだが、北西の塔に登録されてしまった後で考助が放置をしていると言ったことを思い出したのだ。
「よかった」
「それよりも、他の塔で召喚したミニドラとこの塔のミニドラはどうしたの?」
 召喚と言うのは、基本的に一体ずつ召喚するので、召喚したミニドラが一体だけで生き残れるかどうかを心配したのだ。
「それなら大丈夫です。召喚した分を全員まとめてこの塔の階層に放してあります」
「そう。だったら今後は、ハクがこの塔を管理してね」
「私が、ですか?」
「もともとそのつもりだったし、ちょうどいいからね」
「・・・わかりました」
 考助の要請に、ハクは頷いた。
 考助にしてみれば、ハクが行った召喚はなかなか面白い結果だった。
 それに、もう一つ確認したいことがある。
「ミニドラの召喚だけど、アマミヤの塔ではやったの?」
「いえ。まだです」
「じゃあ、やってみてもらっていい?」
「勿論です」
 ハクが頷くのを見た後、考助はハクとコウヒを連れてアマミヤの塔の第十一層へと向かった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 第十一層は、元は南の塔の第一層だった場所だ。
 階層の交換で入れ替えたため、環境そのものは南の塔の物になっている。
 考助がこの場所を選んだのは、南の塔で駄目だった召喚が、アマミヤの塔で試したときにどうなるかを確認したかったからだ。
 もしここでミニドラを召喚して、アマミヤの塔の管理メニューに登録されれば、環境だけは元の南の塔から物を引き継いで、ルールの適用などの中身はアマミヤの塔の物という事になる。
 階層を交換した時に当然アマミヤの塔のメニューには登録されていない植生やモンスターがいたが、全ては登録されていなかった。
 その辺りの法則が分かるかも知れないという期待もある。
 考助が見ている前で、ハクが<ミニドラ>の召喚を行った。
 ハクの目の前に一体のミニドラが召喚される。
 姿形は羽の生えたトカゲだった。
 ついでにステータスも見てみる。

 固有名:なし
 種族名:ミニドラ
 固有スキル:飛行LV3 風魔法LV4 噛みつきLV2 振回し(尾)LV3
 天恵スキル:竜の血脈
 称号:ハクの眷属(仮)

 称号が<ハクの眷属>になっているのは、召喚したのがハクだからである。
 他のスキルに関しては、特に変わったところは無い、はずだ。
 とりあえずハクと召喚したミニドラをその場所に残して、考助は管理層へと戻った。
 管理メニューから召喚獣を確認してみると、見事に<ミニドラ>が追加されていた。
 早速いつものセットと<ミニドラ召喚陣(10体)>×2を設置して、すぐに第十一層へと戻った。
「拠点が出来ているという事は、追加されてましたか?」
 周辺の様子を見て、なんとなく察したのかハクがそう聞いてきた。
「うん。追加されてたよ。取りあえずミニドラ二十体を召喚するから、その子は自由にしていいよ」
「わかりました」
 結局ハクが召喚したミニドラは、北西の塔へと連れて行くことになった。
 召喚陣で召喚したミニドラは、全部<考助の眷属>という称号になる。一体だけ<ハクの眷属>という称号では、寂しいだろうと思ったのだ。
 もっとも、ミニドラたちが称号まで意識しているかは分からないのだが。
 二十体分のミニドラを召喚を終えて、考助は管理層へと戻った。
 ハクは自身で召喚したミニドラを北西の塔へと連れて行くためここで別れた。

 管理層へと戻った考助は、今回の事を考えた。
 まず他の塔では駄目だったのに、アマミヤの塔と北西の塔ではメニューに登録されたことについて。
 これは他の設置物についても言えるのだが、それぞれの塔では登録される物とされない物が明確に決まっているということになる。
 どこでどういう基準で分けられているのかは不明だ。
 さらに、召喚でつく称号に付いてだが、これは召喚を行った者が優先されるという事だ。
 ハクが召喚したミニドラには、<ハクの眷属>と付いていて、召喚陣から召喚したミニドラには、<考助の眷属>と付いていた。
 北西の塔で召喚陣から召喚したミニドラも<考助の眷属>となっていた。
 召喚陣から召喚される召喚獣たちは、あくまでも塔に登録されている管理長の眷属となるという事を示している。
 他の塔の召喚獣たちもそうだったので、今更と言う気もするが、塔の中で召喚を行った場合は違った結果になるというのは興味深い。
 北西の塔ではハクが召喚したミニドラたちを成長させていくことになるので、今後がどうなっていくのかも楽しみだった。

 ハクが北西の塔の管理をすることになったので、これで全ての塔が管理されることになる。
 ゴーレムの作成も目前まで来ているので、完成すれば餌の問題を気にすることなくさらに多くの眷属を追加出来るようになるだろう。
 最近、アマミヤの塔は第五層の町を除けば大きな変化が無かったので、ゴーレム完成と同時に大きな変化を迎えることになりそうであった。
というわけで、ドラゴン種追加です。
まあハクが来た時点で、予想してた方もいるでしょう。
今後の塔は、ゴーレムの完成を待ってからという事になります。
今の塔の管理の主な仕事は、召喚獣たちへの餌やりですw
それが軽減される(ゴーレムに任せる)ということは、他の作業に時間を使えるという事になります。
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