挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第15章 塔と女神様

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

183/1298

2話 塔の現状(その2)

前半は説明回です。
 第五層の町は順調に広がっており、しかもケネルセンと言う生産地まで配下に入った。
 絶賛拡大中の町では、食料はいくらあっても足りないと言った状態なので、このタイミングで六侯達が来てくれたのは、塔にとっても丁度いいタイミングだった。
 食料が足りないと言っても、住人達が飢えるという意味ではない。
 正確には、食料を賄える分の住人しか住めないように調整しているのだ。
 都市移籍希望の住民は他の都市にいくらでもいたりするので、実は人口を増やすこと自体は簡単だったりするのだ。
 移籍の希望者は、新しい街に仕事を求めてくることになる。
 急速発展中の塔の町は、選びさえしなければ仕事はいくらでもある状態なので、移籍希望者が減ることはない。
 ついでに一番需要がある職は、職人関係だったりする。
 建築ラッシュが続いているので、いくらでも働き口がある状態だ。
 といっても、職人ばかりを定住させても後々失業者が増えるだけになるので、他の町の職人ギルドからも依頼を出して雇っていたりする。
 職人に次いで需要があるのが冒険者だ。
 こちらに関しては、特に募集をしなくても勝手に集まってくる。
 流石に最初期の時のように、好きな場所にテントを張って寝泊まりしていいという状態ではなくなっているが、その分宿泊施設や賃貸の集合住宅的な建物が増えている。
 冒険者達は、そう言った場所を拠点に活動している。
 第五層の町は、間違いなく冒険者が中心になっている町だ。
 各階層から回収してきた素材を中心に物が回り、経済活動が行われている。
 当初集まってきた冒険者の数のおかげで、各階層から取れる素材のバランスが崩れると思ったのだが、そうはならなかった。
 特に自然発生している薬草関係は、見事なまでに枯渇するまで取られることがない。
 考助にしてみれば、冒険者は粗暴なイメージがあったので、いい意味で裏切られた感じになっていた。
 おかげで、余計なptを消費しなくていいと喜んでいる。
 流石に街周辺のモンスターは、既にほぼ狩られてしまっている。
 今後も街は拡大していく予定なので、これに関してはむしろ歓迎している。
 生活拠点もそうだが、農地の確保が急務になっているので、余計なモンスターはいないほうがいい。
 周辺のモンスターを狩っていたレベルの冒険者たちは、今後は周辺の巡回などに回ることになるのだろう。
 それ以外にも募集はあるので、一人前と呼ばれる程度まで成長した冒険者がくいっぱぐれることは無いだろう。
 一人前になるまでの間の仕事も、それこそ新しい街では雑用レベルの仕事はいくらでも出てくるので、困ることはない。
 第五層の町は、駆け出しから一人前までの冒険者にとっては働きやすい場所になっているのだ。
 勿論、これはクラウンに登録していることが前提になるのだが。
 そう言った仕事の数々はクラウンを通して出されるので、当然と言えば当然だった。
 公的ギルドがないこの町では、クラウンの冒険者部門が一番信用が高いとされているので、必然的に仕事の依頼はクラウンに集まることになる。
 ついでに言えば、別のギルドが無いわけではないのだが、ギルドごとクラウンに所属している状態なので、わざわざそのギルドに依頼することがないのだ。
 第五層に置いて、ギルドと言うのはある程度のパーティーが集まった集団、という意味合いになりつつあった。
 一つのパーティでは解決できないような依頼を解決する時に、ギルドが活動したりしている。
 ソロ<パーティ<ギルド<クラウン、というのが塔で活動する冒険者たちの間では、当たり前の形になりつつあった。
 ただし、ソロやパーティは必ずしもギルドに所属をしているわけではない。
 ギルドに対して依頼があるのは、クラウンが直接依頼を出す時だけになっている。
 それ以外に関しては、基本的にパーティ単位での依頼になっている。
 勿論、冒険者たちが六人では心もとないと判断した場合は、それ以上の人数で解決することもある。
 もっともその場合は、依頼料が割安になったりする。
 推奨人数が設けられて依頼料も決められているので、当然と言えば当然だった。
 中堅以上の冒険者たちは、依頼を受けることもあるが、大体が塔の攻略を進めていたりする。
 中堅の冒険者が狙えるモンスターは、素材的に美味しい物が多いので、十分それだけで生活していけるのだ。
 当然それを買い取る商人たちも同様だ。
 基本的にそれらの素材は、セーフティエリアに設けられた店で買い取られることになる。
 セーフティエリアには、クラウン以外の出店は認めていないので、ほぼ独占状態といえる。
 わざわざ第五層まで往復してまで他の店に売るよりも、手間も時間もかからないのだ。
 最初のころは、護衛を雇って他の階層まで出向いて買取をする行商人もいたりしたが、セーフティエリアの商店での買取にはかなわないと知れ渡ってからは、そうした者も減っていた。
 セーフティエリアの商店には、転移門が設けられているので、ある意味当然だったりする。
 中にはそれが分かっていて、転移門を使わせるよう交渉してくる者、あるいは集団もいたがすべて断っていた。
 転移門と言うアドバンテージを安売りするつもりは、考助にもクラウン上層部にも無いのだ。
 上級冒険者たちは、相変わらずダンジョン階層で稼いでいた。
 第七十一層へ抜けたパーティはいたのだが、残念ながらセーフティエリアにはたどり着けなかった。
 ちなみに、第七十二層より上の階層には、セーフティエリアは設けていない。
 今後も設けるつもりはなかった。
 そこから先は、自分たちの実力で攻略してくださいという意味を込めている。
 第七十一層と第七十二層は、上級モンスターが出てくる階層なので、考助はこの世界の冒険者レベルでは攻略するのは難しいと考えてる。
 その上にある第六十一層~第七十層のダンジョン層は、最初のうちは出てくるモンスターこそ中級だが、罠が凶悪になっている。
 さらに、中盤から後半になると上級モンスターも出てくるので、攻略できる者はおそらくいない。
 このレベルのダンジョンを攻略できるようなら、今のダンジョン階層で手間取ったりはしないだろう。
 そう言った状況からも、考助は上級ダンジョンは攻略する者は出てこないと読んでいるのだった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「あれあれ~? 珍しいですね。お酒ですか」
 考助が一人で酒を嗜んでいるときに、ピーチが一人でやってきた。
「ああ。シュミットから珍しい酒が手に入ったと渡されてね。流石にシュミットが勧めるだけあって、美味しいよ」
 考助は、そう言って果実酒が入った杯をピーチの方へと掲げた。
 別に毎晩飲んでいるというわけではないが、考助は時々こうして酒を飲んだりすることもある。
 それが分かっているので、時々シュミットが差し入れたりしてくれるのだ。
「ピーチもどうだい?」
 考助はそう言ってピーチにも酒を勧めた。
 ちなみに、塔のメンバーで酔いを含めて飲むのは、ピーチだけだった。
 シュレインとコレットは、体質的にアルコールに酔うという事がいっさいない。
 シルヴィアとフローリアは、酔うことはできるが酒にはいい思い出がないそうだ。
 以前聞いた話だと二人にとってお酒は、酔わされるための手段という物にしか感じないとのことだった。
 その言い方で何があったのかは、大体想像が出来る。
 丁度傍にいたコレットが「男って馬鹿よね」と言っていたのが、胸に響いたがその場では何も言えなかった考助である。
「貰います」
 自分でグラスを取ってきたピーチは、考助にその果実酒を注いでもらい飲み始めた。
「あら~。・・・ほんとにおいしいですね」
「うん」
「それで? 何を悩んでいたんですか?」
 ピーチの言葉に、考助は虚を突かれたような表情になった。
「悩んで? あれ? そんな顔になってた?」
 考助としてはそんなに深く考えていたつもりはなかった。
「ただ、単に今後塔の運営どうしようか考えていたんだけど?」
「そうですか~?」
 頬を撫でる考助を、ピーチはじっと見つめた。
 こういう時のピーチは、何故かすべてを見通しているように感じるから不思議だった。
 考助は、占いで有名なサキュバス一族らしい一面だと思っている。
「う~ん。それならいいです。何となくそんな気がしただけですから」
「そう? 気にしてくれてありがとう」
「どういたしましてです~」
 考助とピーチはそう言って二人で笑い合う。
 結局、シュミットからもらった果実酒を一本空けるまで、二人の酒盛りは続いたのであった。
後半は珍しく(あれ? 初めてかな?)お酒のシーンです。
ピーチとイチャイチャさせようとしたらなぜかこうなりましたw
ちなみに、最後のは別にフラグではありません。
普段の二人は、こんな感じですと言う意味で書いています。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ