表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
塔の管理をしてみよう  作者: 早秋
第13章 塔をさらに増やそう
161/1358

5話 予感

久しぶりのワンリ登場!

 北の塔をシュレインに任せて、アマミヤの塔の第七十六層と北の塔の階層を交換した。

 南の塔で大移動を行っているので、今回は実験はなしで階層の交換を行う。

 特に問題なく階層の交換が終わり、予定通り北の塔はシュレインに、北東の塔をピーチに任せることにした。

 第七十六層を北の塔に移すにあたって、一つ問題が起こった。

 それは、転移門の問題である。

 ヴァミリニア一族がいる層には、一族の者がアマミヤの塔の第五層に出るための転移門を設置していた。

 その転移門を使って第五層へと行っていたのだが、階層交換によってそのルートが使えなくなったのだ。

 何かいい方法が無いかを探してみると、普通に違う塔同士をつなぐ転移門があった。

 その転移門は、<支配権解放>が解除されると同時に使えるようになっていたので、元々そのための物なのだろう。

 有難く使わせてもらうことにして、元々第七十六層と第五層をつないでいた転移門の代わりにその門を設置した。

 当然今後は、イグリッド族が作った細工物なども、その転移門を使ってやり取りされることになる。

 ちなみに、イグリッド族が作った物は、クラウンの商業部門が独占販売している塔産出の特産品になっていたりする。

 一般市民が手に入れることが出来る小物から、お偉いさんが買うような美術品に至るまで、人気の商品になっている。

 一定の顧客もついているようで、クラウンの安定した収入源になっている。

 何気に、サキュバス一族の占い業も、町の人口が増えるとともに馬鹿に出来ない金額を稼ぎ出して来ているようで、これにはシュミットも驚いていた。

 イグリッド族の工芸品にはかなわないのだが、それでも占いと言うのは、一定の顧客がつけば、なかなか離れて行かないので、これも安定した収入として期待できるそうだ。

 サキュバスの占いが安定収入になるとは、考助も予想していなかった。

 こういった世界なので、ある一定の需要があるという事なのだと思うことにした。

 そして、実験のために長い間放置していた第十層だが、召喚陣の設置を解禁することにした。

 今まで召喚自体も何もしていなかったので、天狐と地狐のスキルもさほど変化は無い。

 自然発生するモンスターのレベルが上がるということも無かった。

 今後は、召喚陣を設置して経過を確認することにした。

 当然それに合わせて、妖狐も三十頭分を増やした。

 召喚モンスターの討伐を効率よくさせるためである。

 そこまで作業を行って、今後はどうするかを考え始めた考助だった。

 

「うーん・・・」

「また難しい顔をしているわね」

 悩む考助の前に、ミツキが現れた。

 コウヒも傍についていた。

 ミツキは先ほどまで料理の仕込みをしていたのだ。

 他のメンバーは、現在は全員受け持った塔の管理を行っている。

 フローリアは、シルヴィアに付き添っていた。

 久しぶりに、アマミヤの塔の管理層に、考助・コウヒ&ミツキの三人だけがいる状態だった。

「ああ、ミツキ。・・・いや、残りの二つの塔をどうしようかと思っていてね」

「あら。攻略しないの?」

「いや、攻略はするんだけどね。何となく、何かがありそうな気がするから、今はここを離れないほうがいい気がして」

 考助も自分自身の感覚に戸惑っていた。

 だが、何かすぐに他の塔の攻略には出ないほうがいい気がする。

「あら。珍しい。考助様がそんな予感めいたものを信じるなんて」

「いや、そうなんだけどね。でもなんかいつもの悪い予感とかとは違っている気がして・・・」

 珍しい方向で戸惑っている考助に、ミツキも多少困惑顔になった。

 そしてその視線をコウヒの方へと向けた。

「主様がお決めになったほうがいいと思います」

「・・・まあ、貴方はそう言うわね」

 視線を向けたミツキは、納得して頷いている。

 こういう時のコウヒは、絶対に自分の意見を言うことは無い。

 言うとすれば、考助が決断した時に、問いかけるだけだ。

 どちらかというと、決まった後で、計画の補足をしていくタイプなのだ。

 必然的に、ミツキがその前の役割をするようになっていた。

「それで? どうするのかしら?」

 ミツキは別に考助が答えを出すのを焦らせているわけではない。

 ただ考助の場合、考え込むと余計なことを考え始めるとわかっているのだ。

 そのために、わざと早めに結論を促す時がある。

 この時もそうだった。

「うーん・・・。・・・じゃあ、しばらく攻略は休むことにするよ」

 ミツキに促された考助だったが、一応の結論を出したが、それでもまだ煮え切らない思いがあるようだった。

 それを見たミツキは、そんなに悩むんだったら、さっさと攻略して憂いを無くしたほうがいいだろうに、と思ったのだが、それを口にすることはない。

 基本的にミツキも、コウヒと同様に、一度考助が決めた決断を覆すことは無いのであった。

 

 もやもやした気分を晴らすために、久しぶりにワンリの所に顔を出すことにした。

 周辺の塔を攻略をし始めてからすっかりご無沙汰になっていた。

 ついでに第八層の百合之神社に顔を出して、ユリにも会っておいた。

「ご無沙汰しております」

 相変わらずの低姿勢っぷりだったが、いつもの事なので考助としても慣れてしまった。

「ああ、久しぶり。最近はどう?」

「はい。最近はもう大分安定してきました。もし言う事があるとすれば、セシルとアリサだけではこれ以上部屋数を増やせないことでしょうか」

 百合之神社は、ヴァミリニア城と同じような性質を持っているのか、ユリの自由に部屋数を増やしたりできるのだ。

 別に訪れる者がいるわけではないので、部屋数を増やす意味がないと思うのだが、どうやら百合之神社ユリの力に関係するようで、ある程度は欲しいらしい。

「うーん。なるほど。確かに最初からぎりぎりっぽかったからな。・・・わかったよ。ワーヒドに相談してみる」

 考助は、今度はセシルかアリサを連れて行って、面接してもらえばいいだろうと考えている。

 ずっと一緒に過ごすことになるメンバーなのだから、自分で面接するより適任だと思っていた。

 そんなことをユリと話していたら、一つの小さな影が、考助に向かって飛び込んできた。

 といってもきちんと力加減がされていたようで、体当たりと言う感じではなかった。

 それが何であるかはすぐに気付いたのだが、誰であるかは一瞬気付けなかった。

「・・・あれ? ワンリ? なんか、縮んでない?」

 飛び込んできたのはワンリだったのが、以前見た大きさより小さくなっていて、抱きかかえやすくなっていたのだ。

 考助の質問には、ワンリが答えることはなく、久しぶりに会った事に興奮してか、顔をぺろぺろと必死になめていた。

 考助も気にすることなく、好きなようにさせることにした。

 しばらくの間その状態だったのだが、やがて落ち着いたのか舐めるのを止めたワンリは、どこかに去って行った。

 と、思っていたらすぐに人型になって戻ってきた。

 きちんと服を着ているところを見ると、服を着るために別の部屋に言っていたのだろう。

 戻ってきたワンリは、若干赤い顔をしていた。

「ええと、済みません。狐の姿だと、どうしても自制が効かなくなってしまうようで・・・」

 どうやら先ほどまでの興奮状態を恥じているようだった。

 考助は、ハハハと笑って、

「いや、気にしてないよ。久しぶりに撫でられて、僕も楽しかったし」

「そ・・・そうですか」

 何やら俯いてしまったワンリを見て、考助は狐型の時とのギャップがあって面白いなぁと思っていた。

「それはともかく、少し小さくなってなかった?」

「あれは変化のスキルの応用です」

「へー。そうなんだ」

 考助はそう答えつつ、ワンリの人としての成長っぷりに感心していた。

 この神社で人型になってセシルやアリサと過ごしている時があるせいだろう。

 口調に関しては、百合の影響を多分に受けている。

 ふと考助は、これなら塔の一つを任せてもいいかな、と考えた。

「な、なんですか?」

 思わずじっと見てしまったらしい。

 今度は別の意味で頬を赤くしたワンリが、考助へと問いかけて来た。

「ああ、いやごめん。ちょっと思いついたことがあってね。詳しくは後で話すよ」

 取りあえず今は、寛ぐためにここに来ているので、難しい話(?)は後回しだと考える考助であった。

メインキャラ(?)のはずなのに、出番が少ないワンリです><

最後のフラグで、今後の出番は増えるかも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ