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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第13章 塔をさらに増やそう

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4話 レイスの進化

 結論から言えば、考助の予想は間違っていなかった。
 北の塔の広さと階層数は、南の塔と同じ規模の物だった。
 そして現在の階層は第四十一層。
「・・・予想通り過ぎて、逆になんて言っていいのか分からないな・・・」
「無理に何か言う必要はないと思うわよ?」
 考助の呟きを聞きとがめたミツキが、そう返してきた。
 現在は、コウヒが絶賛戦闘中だ。
 相手は、サンダービースト。
 雷の魔法を放つ、魔獣の一種だ。
 相手をしていると言っても、三対六枚の翼を広げて全力展開中のコウヒの敵ではなかったが。
 さっくりと倒したコウヒが、考助とミツキのいる場所へと戻ってきた。
 北の塔は、南の塔と同じくの三人で攻略している。
 コウヒとミツキのおかげで、さっくりと攻略できるとはいえ、日数がかかるのはどうしようもない。
 わざわざ人数を割く意味もないので、三人で来た方が効率的なのだ。

「聖と魔、それに地水火風の四大か・・・」
 まだ火と風は攻略していない以上、確定ではないのだが、どう考えても外れる気がしない。
「うーん。まあ、お約束というよりも、精霊という存在が根底にある以上、それに準じた構成になるのは、ある意味当然と言う事かしらね」
「そうなのかな? 特に困ることは無いから別にいいんだけどね」
 考助が考えているのは、各塔の管理の方法だ。
 わざわざ分かり易い構成になっているということは、それに応じた管理の仕方がある気がしてならない。
 だが、残念ながら今までの塔の管理メニューを見ただけでは、分からなかったのだ。
「主様、考え事をしながら歩いていたら・・・「ウワッ・・・!?」・・・遅かったですか」
 コウヒの忠告も虚しく、お約束の様に考助は足元をおろそかにして、石に躓き見事につっ転んだ。
 若干恥ずかしそうにしながら考助は、コウヒに手を差し伸べられて立ち上がる。
 因みに、第四十一層はわざとコーたちには乗らずに、自らの足で散策をしている。
 当然調査の為なのだが、もう確認しなくていいかと思っている考助だ。
 道の半分くらいは来ているが、襲って来るモンスターのほとんどが、魔獣の類だったりする。
 これ以上の変化もなさそうなので、つい考えに耽ってしまっている考助だった。
 勿論周囲を警戒してくれている二人がいるからこそ、できることなのだが。
 そんなことを考えつつ、第四十一層はクリアしたのだが、また次の層からは、コーを使っての移動攻略になった。
 その後も、ダンジョン系の階層は無かったので、空の移動とコウヒ&ミツキの無双で、北の塔を攻略し終えたのだった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 攻略後は、お約束の管理層での手続きを終えて、すぐにアマミヤの塔へと戻ってきた。
 結果を伝える前に、長旅(?)の汚れを風呂で落とすことは忘れなかったが。
 風呂から上がった考助は、早速シュレインのところへ向かった。
 戻った時には、シュレインはいなかったので、北東の塔にいるのだろう。
 すぐにミツキを伴って、北東の塔に向かったら、予想通りシュレインとピーチがいた。
「あら~? 帰ってたんですか」
 先に気付いたのは、ピーチだった。
 その時のシュレインは、モニターとにらめっこをしていた。
 ピーチの声に気付いて、シュレインも顔を上げて考助達に気付いた様子を見せた。
「うん。特に大きな違いもなかったからね」
「ということは?」
「予想通り魔獣がメインになっている塔だったよ。ついでに、アマミヤの塔と階層交換できることも確認しておいた」
 風呂に入った後、管理メニューで試してみたのだが、アマミヤの塔の階層と北の塔の階層は交換可能だったのだ。
「なるほどの。ということは、予定通り城は北の塔へ移すのかの?」
「うん。そうするよ」
「わかった。・・・それじゃあピーチ、中途半端で済まないが、こちらの管理は任せる」
「はい~。私も今までの作業は確認していましたから、引継ぎはばっちりです」
 どうやら、考助達が北の塔を攻略している間に、引継ぎも兼ねて色々やっていたようだ。
「そうか。・・・それで、こっちはどんな感じ?」
 考助の言葉に、シュレインとピーチは苦笑した。
「ほとんど進展はないな。あるとすれば、ようやく進化する個体が出て来た程度か」
「<知霊体チレイス>という種族らしいですね~。説明を見る限りでは、霊体を束ねることが出来る存在らしいです」
「へー。それはいい結果じゃないか? 一体だけ出たの?」
「いや、一応複数出ているな」
「なんだ。十分じゃないか。何か問題でも?」
 考助にしてみれば、大きな一歩だと思うのだが、二人の表情はすぐれなかった。
「それが、何を条件に進化しているのかが分からないんですよね~」
「数を多く召喚してたら、その中の何体かが進化をしたという感じでの。アマミヤの塔と違って特別な何かを設置したわけではないのだ」
「・・・召喚陣は? 召喚陣はどれくらい設置した?」
 少し思う所があって、考助はそう尋ねた。
「召喚陣? <霊体レイス>のか?」
「いや、眷属用のじゃなく普通の召喚陣」
「眷属の<霊体レイス>を召喚しすぎて、実験用の階層のモンスターのほとんどを狩り尽してからは、ほとんど召喚陣で戦闘用のモンスターを呼んでおるの」
 もちろん自然発生するモンスターもいるのだが、<霊体レイス>の数が多すぎて、発生してもすぐに討伐されてしまっていたらしい。
 それでは<霊体レイス>が成長できないため、召喚陣で対応するようにしたとのことだった。
 因みに、眷属として召喚した<霊体レイス>は同族狩りはしなかったとのことだった。
 <霊体レイス>は食事はしないが、他のモンスターのエネルギーを吸収して動いているため、ある程度の討伐はしていないと生き残れない。
 そのために、<霊体レイス>を召喚するのは止めて、今度は増えすぎた<霊体レイス>用の餌になるモンスターの召喚陣を置き始めたということだ。
 その後から<知霊体チレイス>と進化する個体が出て来たとのことだった。

「・・・なるほどねぇ。・・・ちょっと確認してくる」
 考助は二人の話を聞いた後、すぐにその場を離れた。
 その考助の態度に、ピンとくるものがあった二人は、その後について行ったのだが。
 考助が向かったのは、実験用に作った第十層だった。
 以前から変化がないのかどうかを確認しに来た。
 そして、その結果は予想通り、自然発生するモンスターの進化は起こっていなかった。
 全体をくまなく見たわけではないが、少なくともこの階層に狐達を置いてから変化はほとんどない状態だった。
 アマミヤの塔の第十層を確認した後は、今度は南東の塔に向かう。
「あれ? コウスケさん、どうかしましたか?」
 南東の塔の管理層で出迎えたのは、シルヴィアとフローリアだった。
「ああ、いや。ちょっと聞きたいことがあってね」
「なんでしょう?」
 考助は、シルヴィアに今の南東の塔の管理状態を確認した。
 聞けば、北東の塔の様に眷属以外の召喚陣は使っていないとのことだった。
 ついでに、眷属モンスターの進化もまだ起こっていないそうだ。
「・・・・・・ひょっとしたら、なんだけど」
 考助は、そう前置いて自分の考えを言い始めた。
 考助が考えているのは、眷属召喚陣ではない召喚陣のモンスターを倒すとより進化しやすくなるのではないか、ということだ。
 考えてみれば、考助が最初アマミヤの塔の管理を始めた時にも、召喚陣を置いていた。
 目的は進化の為ではなく、スキルのレベル上げの為だったのだが。
 シルヴィアも、管理を始めたばかりのシュレインも、低レベルのモンスター召喚陣は、神力回収に効率が悪いためにほとんど置いていなかった。
 ところがシュレインは、先の事情によりしょうがなく召喚陣を置き始めたのだが、そこから進化が起こった。
 それを考助は、偶然にしては出来すぎだと考えた。
 話を終えた考助を、全員が感心したように頷いていた。
「なるほど、考えられなくはない、かの?」
「検証は必要ですわ」
「それは勿論だよ。ついでに、そろそろアマミヤの塔の第十層も召喚陣を解禁するつもりだから、そっちの結果も楽しみだね」
 これで、今後の方針は決まった。
 取りあえず、眷属モンスターが討伐できる程度の召喚陣を設置して様子を見るのである。
 これで進化したモンスターが出れば、予想は当たり、出なければ別の理由があるということになる。
 結局、この日の結論として、試してみようということになり、北東の塔と南東の塔で試すことになったのであった。
北と南の塔については次回語る予定です。
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