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塔の管理をしてみよう  作者: 早秋
第13章 塔をさらに増やそう
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1話 エルフの子供

新章スタート!

 南の塔の攻略を終えてすぐに、考助達はアマミヤの塔へと戻ってきた。

 階層数と階層の広さで、ひょっとしてと思う所があったのだ。

 はたしてその考助の予想は、見事に的中した。

 アマミヤの塔の適当な階層を選んで、南の塔の階層を交換しようとすると上手くいったのである。

 北東の塔や南東の塔では、進めなられなかった場所が進められるようなっていた。

 最後まではやっていないが、これで階層の交換の実行はめどが立ったことになる。

 考助は、塔の広さと階層数で、北東や南東の塔を小タイプ、南の塔を中タイプ、アマミヤの塔を大タイプと分けることにした。

 そして、小タイプ⇔中タイプ⇔大タイプで互換が可能だと考えた。

 残念ながら、小タイプ⇔中タイプの検証は出来ないのだが、恐らく間違ってないと考えている。

 ただの勘なのだが。

 とりあえず、階層の交換が出来ることを確認した考助は、本格的にどの階層と交換するか悩み始めた。

 そうしてしばらくの間、うんうん唸っていたが、いつまでも悩んでいてもしょうがないので、さっさと決めることにした。

 

 第七十三層へ出向いていたコレットが戻ってくるのを待ってから、考助は世界樹を中心として九階層を南の塔の物と交換することを話した。

 必然的に、南の塔の管理者はコレットと言うことになる。

 その事をコレットへ伝えようとした考助だったが、逆に考助がいることに気付いたコレットが慌てたように駆け寄ってきた。

「あ、コウスケ戻ってきてたんだ。すぐにエルフの里に来て!」

 その様子を見て、自分がいない間に何かがあったのかと察した考助だったが、周囲を見ても首を傾げているだけだった。

「コレット、何かあったの?」

「いいから、早く来て!」

 近寄ってきたコレットは、考助の腕を引っ張るようにして、転移門のある場所へと連れて行った。

 そしてそのままエルフの里へと転移する。

 考助は疑問符を頭の上に浮かべたまま、コレットに引っ張られるがままになっている。

 目的地に着くまで、コレットは何の用があって連れてきているのかは一切言わなかった。

 その目的地とは、エルフの里のまとめ役がいる屋敷だった。

 ちなみに、まとめ役をやっているのは、ハイエルフの三人ではない。

 三人ともそんな面倒なことはしたくないと断ったのだ。

 コレットはあくまで世界樹の巫女なので、里をまとめる者は別に必要になると言うことで、紆余曲折の末、引っ越し作業の陣頭指揮を執っていたリレースがエルフが里のまとめ役になったのだ。

 そのリレースの元へと、考助はコレットに強引に連れてこられた。

 リレースは、考助が来たと分かった瞬間、いきなり頭を下げて来た。

 考助が止めなければ、土下座さえしそうな勢いだった。

「ちょ、ちょっと待ってください。訳も分からず連れてこられて、事情が分からないんですが、何かあったんですか?」

 戸惑うばかりの考助に、コレットがようやく事情を話した。

「子供が出来たのよ! あ、いや、私が、じゃなくて、いや、子供は欲しいんだけど、いや、そうじゃなくて・・・」

 勢い込んで言ったコレットだったが、言った内容が内容だったために、いささか混乱しているようだった。

 考助が、とりあえず、自分の子供ではないようだと理解して、視線をリレースの方へと向けた。

「・・・どういうこと?」

 そのリレースも、多少呆れたようにコレットを見た後、考助へと説明を始めた。

「里の若い者達の間に、子供ができたのです」

「ああ、なるほど。おめでとうございます」

 リレースが淡々と話したので、考助もそれはめでたいと普通のお祝いの言葉を返した。

 それを見て多少落ち着きを取り戻したコレットが、

「だー!! コウスケ、ちっともわかってない! この里のエルフが妊娠するって相当の事なのよ!?」

 そもそも第七十三層へと来たエルフ達は、子供が全くできずにあとは先細りして行くだけ、という状態だった。

 少なくともこの十数年は、子供が生まれて来たことが無かったのだ。

 ついでに言うと、この里の例は多少極端な例だが、世界全体で見てもエルフは数を減らしてく状態だったのだ。

 それは長命故の妊娠・出産の少なさから来ている。

 ところが、考助とコレットに中てられた若いカップルが、恋愛に対して淡泊だったエルフの雰囲気を変えた。

 その結果、めでたく妊娠する者が出たというのだ。しかも二組も。

「・・・あー。それって、僕のせい? ・・・どちらかと言うとコレットのせいじゃない?」

 話を聞いた考助の第一声がそれだった。

 コレットが考助と一緒に里を歩くときは、大抵他の者はいないので(コウヒかミツキは別)、大手を振ってべたべたとしていた。

 それを見たエルフのカップルが、何となく熱を取り戻したという事だった。

 その何となく、が里中に広がり今回の結果をもたらしたのだ。

「それは認める! ・・・じゃなくて! ただ私がコウスケにくっついているだけで、こんな結果になるわけないじゃない」

「そうなの?」

「そうなのよ! それで、コウスケ何かまたやらかした?」

「いや、まって、その認識はどこかおかしい!」

 考助が、慌ててコレットを制した。

 一度コレットが考助の事をどう考えているのか問い詰めたくなった。

 だが、なぜかリレースも考助の方を疑わしげに見ている。

「いくらなんでも、妊娠の確率を上げるなんてできないから!」

 リレースの視線で、何を期待しているのか分かった考助だったが、慌てて首を左右に振る。

「・・・・・・そうですか・・・いや、残念です。やはり偶然でしたか・・・」

 落胆したリレースを見て、考助は一瞬適当なことを言おうと思ったが、ことが事だけに余計なことを言うのは止めた。

 そもそも原因など先程言ったように、全く思い当りなどないのだ。

 適当なことを言って、変に期待をさせないほうがいいだろう。

 そんなことを考えていたら、目の前にエセナが出て来た。

 エセナだけでなく、ドリーもこの場に出てきている。

「あれ? 二人とも何かあった? というか、エセナしばらく会わない間に、少し成長してない?」

 考助の言葉に、エセナが嬉しそうにはにかんだ。

 流石に以前の様に一気に成長しているわけではないが、明らかに以前より大人びてきていた。

 その考助の言葉を引き継ぐように、ドリーが口を開いた。

「そうです。エセナは確実に成長しています。・・・ここまで話せば、気づきませんか、リレース?」

「・・・そういう事ですか」

 リレースが納得したようにうなずいていた。

 考助には全く分からない話なので、説明してもらった。

 里のエルフ達は、世界樹の影響をかなり受けている。

 以前の里では、既に世界樹としての役目を終えるのを待つだけの状態だったので、エルフ達にもその影響が出ていた。

 だが、この階層へと移ってきて、エセナの影響を受けることによって、エルフ達も刺激を受けているという事だった。

 勿論、世界樹からの影響を受けたからと言って、それが即エルフ達の妊娠に繋がるわけではない。

 そのために、以前ドリーは、コレットを焚き付けるような真似をしたのだ。

 物理的な影響を世界樹から受けたとしても、精神がその気にならなければ意味がないのだから。

「・・・なんか当て馬にされた感じ?」

 思わず考助がコレットを見てそう呟いたが、ドリーは大きく頷いた。

「否定はできません。まあコレットが、いい具合に煮詰まっていたというのもありますが」

「あ、あれ? なぜか私のせいになってない?」

 全員の視線が集まったことによって、ようやくコレットが気づいた。

「・・・まあ、あれだけ人前でイチャイチャしたら、いやでも影響を受けるだろうな・・・」

 考助が実感を伴ってそう言うと、コレットを除く全員が頷くのであった。

・・・章タイトル変更するかも知れません。

残りの塔攻略する前に、色々書きたいことが出てきそうです。


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