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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第9章 塔をさらに発展させよう

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4話 上級層

 予定外のイベント(子狼に会おう!)で、召喚獣同士でも子が作れるということが分かった。
 召喚獣同士が自由に子供が作れるとなると、正確に数を把握することが難しくなってくる。
 さらに、今まで召喚した眷属には、全て名前を付けていたが、(仮)のままで成長させたらどうなるかも確認したほうがいいだろう。
 今回は、ナナが出産に気付いて考助にも見せてもらえたが、全ての出産を把握をすることなど難しい。
 出産の頻度がどのくらいになるのかは分からないが、今後は考助の把握のできない(仮)付の眷属が増えると考えている。
 考助としては、それならそれで構わないと思っていた。
 (仮)付と付いていない眷属で、どういった差が出てくるかは分からないので、そこは要検証と言ったところだ。
 その結果次第では、自然出産で生まれて来た(仮)付の眷属は、考助の目についた(気に入った)個体だけに、きちんと名づけを行うようにすればいいだろう。
 どちらにせよ全ての出産を見守るわけにもいかないので、必ず(仮)付の個体は出てくる。
 それらの個体が、今後どういう動きをしていくのか、楽しみ半分不安が半分と思っている考助であった。

 子狼誕生イベントに、すっかり気を取られてしまった考助だったが、本来の目的を忘れたわけではない。
 母子狼のいる厩舎を離れた後で、考助は本来の目的を切り出した。
 上級層に拠点を作っても、大丈夫かどうかである。
 そう切り出した考助に、ナナはしばらくの間考え込むような仕草を見せた。
 その後、コレットを介して考助に言って来た回答は、大丈夫だろうという事だった。
 一応急ぐわけではないという念を押したのだが、それでも回答は変わらなかった。
 考助としては、白狼神が出てからでも構わなかったのだが、計画を前倒しにすることにした。
 取りあえずの拠点を作る階層は、第八十一層の森の中ということにした。
 連れて行く狼たちは、第七層と第九層からは黒狼がそれぞれ二十頭ずつ。第四十七層からは白狼を十頭の計五十頭ということになった。
 黒狼と白狼だけで本当に大丈夫かと思わなくもなかったが、単独で上級モンスターの討伐が出来るナナがいるので、ある程度は大丈夫なのだろう。
 それでも他の下級層や中級層のように犠牲もなしに、とはいかないと考えている。
 ナナのような進化をする個体が、今まで全くと言っていいほど出ていない以上、ある程度の冒険は致し方ないと割り切ることにしたのである。
 狐達のいる層と同じように欠片シリーズを設置してから様子を見ることも考えたが、それらが無くてもナナの様な個体が生まれたことを考えると、特に設置の必要があるとは思えない。
 とはいえ、狼達に欠片シリーズが何かの効果を及ぼすことがあるのかは、調べる必要があると思っている。
 それは、第七層と第九層で差別化を図るために設置しようと考えている考助であった。

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 ある程度の方針が決まったので、管理層に戻った考助は、第八十一層に拠点を作ることにした。
 設置するのは、小さな泉(神水)、厩舎、御神岩の三点セットである。
 当然それらを守るように結界も張ってある。
 結界に関しては、他の層と違って大きめに張ることにした。
 場合によっては、ナナ以外の狼達が結界内から出れなくなることもあり得るので、広さでストレスを感じないようにするためだ。
 今回は、欠片シリーズは設置しない。
 先に第七層か第九層に設置して、進化が起こるのか様子を見ることにした。
 ついでに、今までの設置物だけで上級層で過ごした場合に、進化が起こるかどうかも比べる目的もある。
 ある程度様子を見て、変化が起きないようならば、改めて欠片シリーズを設置するつもりでいるのだ。
 と、言うわけで、第八十一層の拠点は作成できたので、後は狼達を迎え入れるだけだ。
 早速考助は、ナナが待っているはずの第四十七層へと向かった。

 第四十七層の転移門近くには、予定通りナナが狼達を集めて待っていた。
 五十頭もの狼達をすぐに集められるナナは、流石と言ったところだろう。
 狼達が持っているスキルの<集団行動>と<統率>のおかげだ。
 ナナは流石に<統率>のレベルが段違いで高いので、あっという間に狼達の集団をまとめ上げてしまう。
 普段の考助への甘え方からは、残念ながら少しも感じられないのだが、神獣としての面目躍如と言ったところだろう。
 既に移動予定の狼達が集まっているので、すぐに第八十一層へと向かうことにした。
 転移門を使っての五十頭の狼達の大移動だ。
 転移門を使えば、ほぼ一瞬で移動してしまうのだが。
 今回の拠点は、転移門のすぐそばに作ってある。
 何かあった時には、すぐに他の層へと逃げ込むことが出来るからである。
 ちなみに、塔に出てくる動物(モンスター含む)達は、転移門を使うことが出来ない。
 その理由はよくわかっていないが、上層のモンスターが転移門を使って下層へと行けるとなると、バランスも何もあったものではないので、考助としては仕様なんだと考えている。

 第八十一層へと移動してきた狼達だが、最初は何となくそわそわした様子を見せていた。
 拠点内部とその周辺は、先に来ていたコウヒがモンスターを討伐している。
 そのために、拠点内にモンスターがいることは無いのだが、今までとは違った雰囲気を狼達は感じ取っているのかもしれない。
 考助達は、ナナと一緒にしばらくの間、その様子を眺めていた。
 しばらくすると、狼達は落ち着いて来たのか、思い思いの場所で寛ぎ始めた。
 当然ながら全ての個体が、結界内で休んでいる。
 この辺は流石と言うべきか、きちんと安全な場所という見極めが出来ているらしい。
 結界が見えているわけではなさそうだが、何かを感じ取っているのだろう。・・・おそらく。

 コレットを通してナナに今後の予定を聞くと、今日はこのまま何もせずに過ごすそうだ。
 エサは、例によってスライムを用意しているので、飢えることは無いのだ。
 とは言え、いくらなんでも流石にスライムだけでは駄目なので、翌日からはきちんと様子を見つつ狩りを行っていくとのことだった。
 狼の群れのリーダーとしては、慎重派のナナらしい意見だった。
 その辺に関しては、完全にナナに丸投げである。
 というより、余計な口は挟まない方がいいだろう。
 当分の間ナナは、この第八十一層に釘付けになるかも知れないので、考助が他の狼達のいる層を見たほうがいいかもしれない。
 といっても考助自身が狼達を率いることはできないので、大きく数を減らしたりしていないか見るだけになるだろう。
 当然第八十一層にも、しばらくの間は、頻繁に顔を見せるつもりでいる。
 考助としては、最初からそのつもりでいたのだが、ナナからも顔を出してもらうように頼まれた。
 何故かと詳しく聞くと、眷属になっている狼達は、きちんと眷属としての自覚があるようで、やはり考助から直接撫でられたりすると喜ぶ、とのことだった。
 その程度のことなら考助も協力できるので、喜んで撫でさせてもらうことにした。
 と言うわけで、現在の考助は、寛いでいる狼達を片っ端から撫でて回っているわけだ。
 現状は、撫でて回るというよりも、狼達の方から寄ってきている状態だった。
 今日は本格的に狼達に絡むことを決めていた考助だが、その辺の空気をきちんと読んでいるのか、狼達にも遠慮が見えなかった。
 まあ、考助としてもウエルカムといった状態なのだが。
 流石に五十頭もいるので、一頭一頭に時間をかけるわけにはいかなかったが、最終的にはきちんと全ての狼達に触れた考助であった。
 ちなみに考助にはその自覚は無かったのだが、裏できちんとナナが動いて全ての狼達が触れられるようにしていた。
 十分に満足した考助は、結局そのことに気付くことなく管理層へと引き返すのであった。
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